-春香クリスティーンさんにとっての人生最高の出会いとは?
パッと浮かんだのは、デビューから近くで支えてくれているマネージャーさんです。
当時は、がむしゃらにこなしていて、オーディションに行っても手ごたえを感じられませんでした。そんな時、ナレーションのオーディションを受けたんですが、自分的には頑張ったつもりでいたのに、マネージャーさんに「全然ダメ! 下を向いてぼそぼそ言っていては何も伝わらないよ」と、具体的に指摘をされて…とても悔しくて、泣きながら帰りました。
人とコミュニケーションを取るのが苦手なので、どんな反応がいい反応なのかも読み取れなくて、ただ、オーディションを受けてもふわっとした感じで終わるなと。だけど、頑張れば報われると思っていましたが、その一言でハッとさせられました。
その頃から、私にとってマネージャーさんは、正しい道筋を指してくれるコンパスのような存在です。
その後は、オーディションを受けるとなにかしらの反応が返ってきていると感じていたので、合格しなかったとしても、今までよりも手ごたえを感じていました。
そんな中、千原ジュニアさん、山崎邦正さん(現、月亭方正)が出演されていた『笑う妖精』(現在は放送終了)という番組で、ネタを披露する機会を得たんです。テレビでネタを披露するのは初めてだったのですが、プロの芸人さんが笑ってくれたので、全力でやれば何かが伝わるんだと感じました。その時、千原ジュニアさんに「何らかの形で絶対売れる」と言っていただいて。その番組との出会いは大きかったです。
-政治家の追っかけ、国会の傍聴は、現在の春香さんのライフワークともいえる。その世界へ足を踏み入れたきっかけとなった出会いとは?
16歳で日本に来た当時から、同級生が政治や自国の話をしないことに疑問を持っていたということもありますが、朝まで討論が繰り広げられるトーク番組『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)にハマったことが大きな転機です。議員さんに興味を持ち、追っかけを始めたきっかけでもあります。
番組を仕切っている田原総一朗さんの手腕がすごくて、私の憧れの存在なんです。
当時、わざわざ用もないのに、テレビ局の近くまで行ってワンセグで放送を観ていたんです。今思えば、何の意味もない行動なのですが、この行動は、田原さんに出会うためだったのかもと感じています。
日本で暮らし始めてすぐの頃は、家から一歩も出ない日があるほど、引きこもり気味でした。スイスで暮らしていた時も家で過ごすことが多かったのに、このままだったら何も変わらないと思って、外に出るようにしたんです。カフェを転々としてみたり、ひとりカラオケに行ってみたり…。家族から「歌わないで」と言われるぐらい音痴だったんですけど、ひとりカラオケの時、どんな風に歌えば高得点が取れるのかを研究していたので、高得点の出し方は上手なんです。そこから、カラオケ番組への出演につながったこともあります。
その時は何の意味もないことが、後から意味を持つことがあるので、「気になる」「やりたい」と思ったことは、行動を起こすようにしています。
その中には、無駄な行動もたくさんあります。でも、その無駄がないと今の私はいないかなとも思うので、無駄が切り開いてくれる出会いを大切にしています。
春香さんが、初めて日本に来たのは、小学5年生の夏休み。その時、小学校の体験入学で出会った人たちがとても温かくて、受け入れてくれる雰囲気を感じ、「こんなに楽しいことがあるんだと思った」と言うほど印象的な出会いに。春香さんの出会いの人生は、小学5年生の頃に日本で出会った人たちから始まっているのかも。