-シシド・カフカさんにとっての人生最高の出会いとは?
とてもいい出会いだったと思っているのは、オリジナルアルバム『トリドリ』に収録されている、『ROLLING ROLLINNG』のプロデューサー、大島賢治さんと、『明日を鳴らせ』のプロデューサー、平出悟さんです。
大島さんと平出さんとは、オーディションで出会いました。当時は、まったく歌を歌うつもりがなかったのですが、オーディションに参加していた友人の歌が好きだったので、友人の歌を聞きたくて、オーディション会場に行こうと思って。でも、当日、電車が遅れて、オーディション会場に3時間ぐらい遅れて到着したのですが、その間、友人が話術でつなげてくれていました。「遅れてすみません」と会場に入ったら、「君も歌ってみてよ」となり、歌ってみたものの、「君、下手くそだな」と(笑)。「でも、おもしろいから一緒に音楽やろうよ」と言ってもらえたことが、すべてのはじまりです。
私は、はじめて会う人に対して、勝手にびびって「怖い」と構えてしまう方なのですが、自分のことを正当に評価してくれたと感じる言葉をもらった時、「あ、この人は信用できる人だ」と思うんです。2人が、「君の歌いいね~」ではなく、「歌が下手くそだね」と言ったからこそ、一緒に音楽をやってみようと思えました。
「一緒に音楽をやろう」と誘われたことは、ドラマーとしてサポートバンドがひとつ増えるぐらいのニュアンスで、さほど大ごとだと捉えていなかったのですが、いざはじめてみたら、あれもこれも大変でした。当時、ドラムしか叩いていなかった私に歌うきっかけをくれたのも、ドラムボーカルというスタイルを提案してくれたのも大島さんと平出さんなので、お2人がいなかったらシシド・カフカは存在していないと思うぐらいの、大きな出会いです。
-大島さん、平出さんと出会うこととなるオーディションに誘ってくれた友人も、大きな存在ですね。
彼女とは、小中学校の同級生で、親同士も仲が良く、とてもバイタリティに溢れていますし、アクティブです。
大学生の頃から、自ら企業にプレゼンをして、その企業からの協賛を受けて雑誌を作ったり、大手広告代理店に入社したと思ったら、「私のやるべきことはやり遂げた」と言って突然退社したり。今はN.Y.に住んでいます。
私は常に、「今の状態は決していい状態ではない」と思いがちで、彼女から言わせると、「そういうところも含めてカフカなんだし、そのままでいいんじゃない」と。心も頭も柔軟な人なので、彼女に悩みを相談していると、悩んでいる自分がバカらしくなるんです(笑)。
彼女に出会ったのも、大島さんや平出さんに出会ったのも、出会いを求めて出会ったわけではないので、仕事でも恋愛でも、「いい人と出会いたい」と意識を集中させるのではなく、出会いのアンテナは張りつつも、自分が楽しいと思えることをやって笑顔で過ごしているといい出会いが訪れるような気がします。
ふらっと立ち寄れるバーを作って、いつものコミュニティとは違う人たちと出会う機会を広げる行動も大切ですよね。バーでおじさんたちと話していると勉強になるし、そこから新たな出会いにつながることもあるのかなと思います。
「歌う予定はなかった」のに受けたオーディションで最高の出会いをしたシシドさんのように、"なにかあるかもしれないと思って、とりあえずやってみる"ことは、いい出会いにつながるきっかけなのかも。
【お知らせ♪】
シシド・カフカ Tour 2016開催中
2016年6月26日(日)
東京 : shibuya duo music exchange 17:30 / 18:00
DISK GARAGE 050-5533-0888