イギリス王室のプリンセスになるには、方法は2つ。1つは王子(あるいは国王)の娘として生を受けるか、王子と結婚するか。

2つ目については、ケンブリッジ公爵夫人キャサリンがそのいい例だけど、彼女をプリンセスと呼ぶかどうかについては様々な意見がある。というのも、公式のルールに従えば彼女はたしかにプリンセスだけど、プリンセス・ケイトではないそうで、その辺りの複雑な事情を<TOWN & COUNTRY>からご紹介。

ウィリアム王子と結婚したその日、ケイト・ミドルトンは、妃殿下、ケンブリッジ公爵夫人に加えて、プリンセス・オブ・ケンブリッジの称号を獲得。

そして、プリンセスとしての地位は、息子のジョージ王子の誕生によって二重に保証されることに。王子の出生証明書には、彼女の正式な職業はイギリスのプリンセスと書かれているのだとか。

同様に、君主の息子たちに生まれた孫はプリンスとプリンセスの称号をもらえるけど、君主の娘たちに生まれた孫はプリンスやプリンセスの称号をもらえないのがルール。ケンブリッジ公ウィリアム一家の場合なら、ジョージ王子の子どもたちはプリンス/プリンセスの称号をもらえるけれど、シャーロット王女の子どもたちはもらえないということ(もちろん、何らかの悲劇が起きて王位継承者の順位が変わらない場合の話)。

イギリス貴族に関する権威である、デブレッツ社のアソシエート・ディレクター、ルーシー・ヒュームさんによると、「王室の称号は息子を通じて受け継がれるものなので、シャーロット王女が子どもを持った場合には、『殿下』『妃殿下』『王子』『王女』などの称号はもらえないのです」とのこと。

エリザベス女王の息子アンドリュー王子の娘、ベアトリスとユージェニーがプリンセスで、アン王女の娘のザラ・フィリップスがそうでないのも、同じ理由から。

もっとも、望むなら、王室の称号を放棄することも可能なのだとか。エリザベス女王の三男エドワード王子の娘、ルイーズの称号が「レディ(Lady)」なのは、彼がソフィー・リース=ジョーンズと結婚した際に、まだ見ぬ子どもたちにために採った選択の結果。BBC放送によれば、この選択は「エドワード王子とリース=ジョーンズさんの子どもたちが将来置かれるであろう状況にふさわしいように、というまったく個人的な願い」を反映したものなのだとか。

何と、モダンな考え方をするご夫妻。

もっとも、それはルイーズとザラが王族の華やかな生活から切り離されることを意味するものではないそう。「君主は彼や彼女の娘の子どもたちに王室の称号を付与することもできます」とヒュームさん。「(アン王女の長男)ピーターとザラ・フィリップスに関しては、彼らが産まれたときに女王が王族の称号を与えることを提案しましたが、アン王女と夫(当時)のフィリップス大尉がそれを断ったのです」

そもそも、こうした肩書きの不平等が問題になったのは、20世紀に入ってからのこと。イギリスの長い歴史の中では、結婚は他国との同盟関係を強化する手段だったので、王女は王子と結婚し、その子どもたちは父親の国の称号を授かるのが常だった。ところが、現代では王室においても恋愛結婚がスタンダードとなり、こうした問題が浮上し始めたというわけ。

なるほど、人の感情はルールだけでは縛れないものですね。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

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