セレブの素顔が知りたければ、家の中まで覗き込むべし! 25年間不動産業界で名を馳せてきたドリー・レンズさんは、有名人や大富豪たちの不動産仲介を通じて、彼らの暮らしを垣間見て来たという。そこでコスモポリタン アメリカ版が、ドリーさんと、(彼女と一緒に何度もセレブの豪邸訪問を重ねて、不動産業界に入った)娘のジェニー・レンズさんにインタビュー。彼女たちがこれまでに見て来た"裏側"とは?

1.セレブは、安心安全な家のためなら何でもする

「安心安全な家を…というリクエストは多いです。例えば、誰かが侵入してきたときを想定して、『水道水が確保できて、外とのコミュニケーションが断絶されない逃げ場所が欲しい』など。そういう隠し部屋のようなものを屋内に設置しました。幸いこれまでそれが使用されたことはありませんけどね」とジェニーさん。

2.セレブが住むような家が見たくて、買うつもりもないのに興味本位で来る一般客も多い

1日に山ほどいらっしゃいますよ。私たちは門番のような役割なので、誰を家に案内するかの判断と審査は慎重にしなければなりません。当然レオナルド・ディカプリオ本人が問い合わせをしてきたら、彼にはその家を買えるだけの経済力があるので、審査も少なくて済みます。でも、例えばジョン・スミス(日本でいう"山田太郎"的な名前)と名乗る人からの問い合わせが来た場合は、その人の銀行等に照会状を請求し、彼が何年来のクライアントであり、見学希望の不動産を買える財力があるかどうかの証明をしてもらえるよう頼みます。とにかく、本当に買う意思があるのか、そして、本当に名乗っている本人なのか(偽名や遊び目的ではないか)を確かめるのです」とドリーさん。

3.セレブたちも、他のセレブのような家に住みたいと思っている

ドリーさんによると、「数年前にマライア・キャリーを連れて、私が担当していたバーブラ・ストライサンドのペントハウス(最上階住宅)の契約をしに行ったことがあります。バーブラはずっと彼女にとってのアイドルで、だからどうしてもその部屋が欲しかったんだそうです。マライアほどのセレブでさえも、憧れたりミーハーになったりするんですよね」。

4.香水用の冷蔵庫や、蜂の巣設置など、セレブは奇妙なリクエストをしてくる

「クライアントの中には、香水は外に出しておくと質が悪くなってしまうからと、通常の冷蔵庫とは別に香水用の冷蔵庫が欲しいと言う人がいました」とドリーさん。「他にも、アレルギーを持ったパートナーのために健康に良い天然のハチミツを食べさせてあげられるようにと、屋根に蜂の巣を備え付けたこともありますよ」と付け足すのはジェニーさん。「本物の蜂の巣です。その取り付け方、巣の仕組み、養蜂家を手配して合法的に管理できるかの詳細を教えて欲しいとのことでした」。

5.セレブの移動は早くてなんぼ

「自宅がヘリポートから徒歩圏内、あるいは車ですぐに行ける距離であって欲しいというリクエストはよく受けます。ヘリコプターで行き先にすぐに向かうためだそうです」とジェニーさん。

6.セレブは自分の具体的な希望のために、家をカスタマイズする

「例えばショーン・コムズ(パフ・ダディ)は、通常の3LDKのアパートを買って、巨大な1LDKに改装。広いお風呂場も、丸ごと豪華な鏡ばりのホームバーにリフォームしてました」とドリーさん。

7.セレブ自身は大抵、家を最後に見に来る

ジェニーさんいわく、「マネージャーなどのチームメンバーが、セレブが気に入る物件か否かよく吟味した後、ようやくセレブ本人が家を見に来ます。本人をあちこち引きずり回さなくていいように、チームの人たちが先に物件を絞って、それを実際に本人が見に来るといった感じです」。続いてドリーさんによると「時には一度も物件を見ないまま購入するセレブもいますよ。レオナルド・ディカプリオはあらゆる話が進んだ最終日に来ましたね」。

8.ベッドルームには、備え付けキッチンのリクエストが多い

「いわゆる"モーニング・キッチン"と呼ばれる設備のリクエストは頻繁に入ります。普通の人はその存在すら知らないことが多いです。にも関わらず、セレブはみんなモーニング・キッチンを知っていて、(たとえベッドルームやバスルームを一つ改装しなければいけなくなっても)みんなそれを備え付けて欲しいと言います。大抵のモーニング・キッチンはちょっと大きめのクローゼットほどのサイズで、製氷機、冷蔵庫、流し台、時にはミーレのコーヒーメーカーがビルトインされている、ホームバー的な雰囲気のものです」とドリーさん。

9.セレブはプラスαのお金をかけてでも、貴重品管理に慎重

「カスタマイズされた備え付けの金庫も、みんなよく欲しがります。いくつかの豪邸の中には、私よりもっと大きな人も入れるくらいの巨大なウォークイン金庫がある物件もあります」とジェニーさん。

この翻訳は、抄訳です。

Translated by 名和友梨香

COSMOPOLITAN US