クリスマスの時期になると、街で必ず一度は耳にするマライア・キャリーの名曲、「恋人たちのクリスマス(All I Want For Christmas Is You)」。23年前の1994年にリリースされたこの曲が今なお愛され続ける秘密や、知られざるトリビアをご紹介!
23年を経て"初めて"ビルボードのトップ10にランクイン!
23年前、アルバム『Merry Christmas』に収録された名曲。「iHeart Radio」のデータによると、アメリカでは「最も人気のクリスマスソング」と言われている曲なのだけど、意外にもビルボードの「Hot 100」でトップ10に入ったのは初めて。遅れてランクインした理由は、アルバム曲やストリーミングのカウント方法に変更があったからなんだとか。ちなみに初めてランクインしたのは1998年で、意外や意外の83位だったそう!
そして今週ようやくトップ10入りしたことにマライアがコメント。
「素敵なクリスマスプレゼントだわ。この曲のソングライターとして、初めてビルボートのトップ10に入ったことをとても光栄に思います。(この曲がランクインすることは)一生ないと思っていたけれど、クリスマスにこの歌を聞いてくれている皆さんに感謝したいです。本当に心あたたまる、喜ばしいことです。まだ子どもだった頃にカシオのキーボードで書いたこの歌を誇りに思います」
今回ランクインしたことで同曲はマライアにとって28曲目のトップ10入りを果たした曲となり、その数はスティーヴィー・ワンダーと並んで史上5位に!
15分で完成した
実はこの曲、作詞作曲とプロデュースを共同で行ったグラミー賞受賞者ウォルター・アファナシェフと一緒に、たった15分で完成させたもの。あまりにもメロディーが簡単だったことから、当初ウォルターは曲に不満だったと後に告白。一方で、その「シンプルなメロディーにロック調のミックスを加えたことが、大衆に好まれることになったんだろう」とも分析。
パソコンで作られた
さらにウォルターは、「ボーカル以外は全部コンピューターで作ったものなんだ」とも告白し。なんだか表情が複雑そう…!
レコーディングされたのは真夏!
直球なクリスマスソングだけれど、レコーディングが行われたのは真夏の8月! ただ、スタジオの雰囲気を少しでも近づけようと、クリスマスツリーやイルミネーションを飾ったんだそう。「雪を降らせる」なんて案もあったようだけど、これはさすがに実現しなかったよう。
マライアにとって最も売れた曲
「恋人たちのクリスマス」は、2013年時点で5000万ドル(約56億円)の印税収入があり、マライアにとっては最も売れた曲に。15分で制作したことを考えると、なんともコスパの良い曲!
同じタイトルの歌が存在していた
実は1989年に、「Vince Vance & The Valiants」というグループが同じタイトルの「All I Want For Christmas Is You」を発表していたんだそう。
当時の夫がミュージックビデオに出演している
ミュージックビデオには、音楽プロデューサーでマライアの当時の夫トミー・モトラがサンタクロースの格好で出演。出演時はその後に別れるなんて考えてもいなかったはず…。
マライアはクリスマスソングの制作に乗り気じゃなかった
マライアは、クリスマスソングはおろか、クリスマスアルバムを制作するのには全く乗り気じゃなかったそう。理由は、当時クリスマスアルバムを発表する歌手は年配のアーティストか、人気が落ちたアーティストばかりだったから。さらに、アルバムのジャケット写真を見たマライアは、夫に「あなたは何がしたいの? 私をコニー・フランシス(50年代〜60年代に活躍したアーティスト)のようにしたいの?」と言い放ったとか!
大勢のアーティストにカバーされている
「フィフス・ハーモニー」やデミ・ロヴァート、ドラマ『グリー』のキャスト、イディナ・メンゼル、「マイ・ケミカル・ロマンス」、「レディ・アンテベラム」など数々の有名アーティストがカバー。さらにジャスティン・ビーバーは、マライアとデュエットを披露!
絵本や映画にまでなっている
実はマライア、2015年に同曲を原作にした絵本を発売。ブロンドヘアの女の子がクリスマスに子犬を願うというストーリーで、イラストはプロのイラストレーターが手がけたもの。アニメーション映画化までされたというから、マライアってば商売上手!
全米シングル・チャート最高位を毎年獲得!
「恋人たちのクリスマス」は26年前にリリースされて以来、毎年ホリデーシーズンになると全米シングル・チャート最高位を獲得!
3つのギネス世界記録に認定
ソロ・アーティストによるホリデーソングで「Billboard Hot 100チャート」の最高位をゲットしたうえに、Spotify上で24時間以内に最もストリーミング数が多かった曲に認定され、さらには全英シングル・チャートで最も多くトップ10入りしたクリスマスソングとして認められ、3つのギネス世界記録を達成!
Spotifyでの1日最多ストリーミングを2度も記録
2018年の12月24日、Spotifyにて「恋人たちのクリスマス」が24時間以内に1,080万回以上がストリーミングされ、エド・シーランとジャスティン・ビーバーのコラボ曲「I Don't Care.」の記録を塗り替えたみたい! さらに翌年のクリスマスには、それを上回る1,200万回以上を更新し、Spotifyの1日の最多ストリーミングを2度も記録しました。
曲の25周年記念にはミニツアーを開催
曲のリリース25周年を記念して、リミテッドホリデーツアーを開催したマライア。「恋人たちのクリスマス」がギネス認定を表彰されたときの様子から、「恋人たちのクリスマス」発売25周年記念アルバム『メリー・クリスマス〜25th Anniversary Edition〜』のプロモーション映像、メイキング映像なども公開されたそう。
別のクリスマスソングをカバーする予定だった
「Amazon Music」のドキュメンタリー映像で明らかになったのは、当初はカバーソングだけのアルバムを制作予定だったこと。幸運なことに、マライアが自らクリスマスソングを作りたいと希望したことから、「恋人たちのクリスマス」が生まれたのだとか!
バンドは実在しない
曲中に聴こえるピアノやドラム、トライアングルなどの楽器は、実はバンドの生演奏ではなく、共執筆者のウォルター・アファナシェフが打ち込んだ編曲なのだそう。当初はバンドに生演奏させるつもりだったものの、音源に納得しなかったのが理由なんだとか。
ミュージックビデオは3つもある!
「恋人たちのクリスマス」には3本のミュージックビデオが作られたみたい。最初の1本は、1993年にマライア自身がディレクションした、クラシカルなホームムービー風のもの。当時の結婚相手であるトミー・モトラがサンタクロース役でカメオ出演したことでも話題となったそう。
2本目は、「ザ・ロネッツ」にインスピレーションを受けたもの。ゴーゴーダンサーに囲まれて歌う、モノクロ映像となっています。
3本目は、キュートなアニメーション・ミュージックビデオとなっているよう!
2019年にアニバーサリーエディションを公開
リリース25周年を記念したスペシャル・デラックス盤『メリー・クリスマス ~25th Anniversary Edition~』では、「恋人たちのクリスマス」や新曲を含むアルバムを公開。新曲の未公開ミュージックビデオも披露されました。
※この翻訳は抄訳です。
Translation:YUUMI IKEUCHI