大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが長年に渡りセクハラや性的暴行を行っていたことが明るみになってから、ハリウッドでは他にも俳優やプロデューサーのセクハラ疑惑が浮上中。ケヴィン・スペイシー、ダスティン・ホフマン、ベン・アフレック、ジェームス・トバックなど、日本でも知られている俳優や脚本家も共演者などにセクハラを告発される始末…。そんな中、新たに名前が挙がったのが、こちらも大物プロデューサーであるブレット・ラトナー。

ブレットはドラマ『プリズン・ブレイク』、映画『レヴェナント: 蘇えりし者』、『ヘラクレス』、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』などに監督や製作総指揮として携わっている人物。そんな彼から女優のナターシャ・ヘンストリッジやオリヴィア・マンがセクハラや性的暴行を受けたことを『Los Angeles Times』が報道。

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ドラマ『CSI:マイアミ』や映画『彼が二度愛したS』などに出演している女優のナターシャ・ヘンストリッジ。彼女が被害に遭ったのは、当時19歳でモデルとして活動していた頃のこと。ある日、ブレットの自宅で開かれたパーティーに友人たちと参加したナターシャは、映画を観ているうちに眠りに落ちてしまったそう。目覚めた時にはブレットとふたりきり。ナターシャが異変を感じて帰ろうとしたところ、ブレットは彼女を力ずくで止め、オーラルセックスを強要したという。

映画『X-MEN:アポカリプス』などで知られる女優オリヴィア・マンに至っては、過去に自叙伝でブレットの名前を伏せてセクハラを告白していた。2004年に『After the Sunset(原題)』の撮影現場に訪れた彼女の前で、彼がマスターベーションをしたそう。

そのことをブレットは以前テレビ番組に出演した際に、自分のことであることを認め、さらにオリヴィアとセックスしたと虚言を吐いたが、嘘をついたことを後日謝罪している。

他にも4名の女性がブレットにセクハラをされたと告白しているが、誰ひとりとして警察へは相談していない。ブレットの代理人は「20年も彼の代理人をしていますが、女性からセクハラを訴えられたことは一度もありません。また、金銭を要求されたこともありませんし、示談をしたこともありません」と否定している。

しかし、名前が出ることを恐れ告白できずにいる女性が他にもいることや、以前からブレットの評判は「良く言っても『いやらしい男』だった」と話している女優もいる。

問題が発覚した当初ブレットと手を組んできたワーナー・ブラザースは「状況を確認している」とコメント。そして、ブレットは今後ワーナーのプロジェクトから手を引くことを発表。ブレットは疑惑を認めたのではなく、あくまでも「解決するまで、個人的な問題がスタジオに悪い影響を与えることを避けるため」なのだそう。しかし、その後ワーナーは製作予定だった映画からブレットを解任したこと、また3月に契約満了した際には更新をしない予定であることを発表。また、9月に亡くなったヒュー・ヘフナーの伝記映画をブレットが手がける予定だったけれど、こちらもこの問題を受け「プレイボーイ」が中止に。

そんな中、オリヴィアは「男の子はいつまでも男の子」ではなく「男の子は行動に責任を問われる」と書かれたアートを投稿。

The Hollywood Reporter』誌は今月号の表紙に「今が変革の時」だと記している。ハリウッドは膿を出しきることができるのか…。