映画シリーズ『ワイルド・スピード』で重要な役どころであるレティを2001年公開の1作目から演じ続けている女優ミシェル・ロドリゲス。「女性は強くても美しい」ことを体現する彼女が、『ワイルド・スピード』の女性へ対する扱いについて訴えたいこととは…?

ミシェルが投稿したInstagram

Instagramを通して、シリーズ内での女性の扱いについて語ったミシェル。一見『ワイルド・スピード ICE BREAK』のDVD発売を宣伝しているようにも見えるけど、そのコメントから感じられるのは彼女が長年抱いてきた不満。

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「シリーズ8作目のデジタル版が今日公開になりました。次回作では女性への愛を示して制作してくれることを願っています。さもなければ、私は多くの人に愛されているシリーズを降りることになるかもしれません。楽しい道中でしたし、長年ファンやスタジオが与えてくれた機会に感謝しています。じゃあね」

5月にインタビューで語った「女優同士の共演シーンの少なさ」

ミシェルは5月にも<Entertainment Weekly>のインタビューで共演女優とのシーンについてこう語っていた。

「(ヴィン・ディーゼル演じるドミニクの妹ミア役の)ジョーダナ・ブリュースターとは16年も共演しているけど、スクリーンで彼女とセリフを交わした回数は片手で数えられるだけしかないわ。悲しいし、創造性に欠けているとしか言えないわね」

同シリーズには『ワンダーウーマン』で話題のガル・ガドットやシャーリーズ・セロン、ラムジー役のナタリー・エマニュエルなどが出演していて、1作目と比べると女性陣は増えている様子。しかし、それでも女性同士の共演シーンは少ないとミシェルは語る。さらに、『ワイルド・スピード』に限らず、映画界は女性に対する偏見が蔓延しているという。

「男性の脚本家は女性のセリフを作ることが下手だし、女性のことを知らなすぎる。『女性にはできない』と決めつけることが多いけど、女性でも車のパーツに詳しい人だっているのよ。そういうことを映画で表現することが女性を理解してもらう1つの方法だと思う。表現できれば多くの人をインスパイアできて、現実の世界でも女性はもっと活躍できるようになるんじゃないかしら」

しかし、『ワイルド・スピード ICE BREAK』監督は反発。

監督のF・ゲイリー・グレイは<Business Insider>のインタビューでこのように反論した。

「私はシリーズに新しいし、『ICE BREAK』に関してしか話せない。だけど、シリーズで最も強い敵にシャーリーズ・セロンを起用したし、ヘレン・ミレンもカメオ出演した。強い女性を描くことができたと思う。ミシェルは考えがはっきりとしているから、そこに対してつべこべ言えないけど、私個人の意見としては強力な女性の役を何人も作れたと思ってるよ」

ヴィン・ディーゼルがミシェルをサポート

ドミニク役のヴィン・ディーゼルはミシェルとの動画を投稿し、コメント欄はミシェルのサポートを表明。動画ではミシェルがヴィンに感謝を示した。

「ヴィン、あなたは長い間強い女性をサポートしてくれてるわ。本当に感謝してる。だから、私がInstagramにメッセージを投稿した時は、あなたに対する言葉ではないことを知っててね」。そう言ったミシェルに「当たり前だ」と言いながら、冗談でミシェルを蹴るフリをして見せたヴィン。本当に仲の良いふたり♡

以下はヴィンがコメント欄でミシェルの発言をサポートしていることをはっきりと記した内容。

「僕たちのストーリーは誇りに思う。だけど、毎回さらに上を目指さなければならない。挑戦こそが映画作りを楽しくしてくれるし、挑戦したからこそシリーズは今いるところにたどり着いた。皆さんは映画史で最も素晴らしいなファンであり、感謝してもしきれません。ドムとレティより」

カメオ出演した女優の名前をあげ、強い女性をサポートしているというのは違うという意見がある様子…。『ワイルド・スピード』は2作の続編が製作される予定。今後はミシェルが望む通り、女性が出演するだけでなく女優同士のセリフが増えることを願う。