イギリスのダイアナ元妃は、その美しさとセンスから、ファッション・アイコンとして注目を浴びていた存在。ただ、イギリスで彼女が愛された理由はそれだけに留まらず、「慈善活動家としての一面」が今でも高く評価されているから。彼女の死から20年が経つものの、世界中に与えた影響は大きく、今でも受け継がれています。

伝統的なロイヤルファミリーにいながらも、一般市民とも深く関わり、枠にとらわれず幅広く活動し「人々のプリンセス」と愛されていた彼女。<コスモポリタン アメリカ版>が、そんな彼女の功績をまとめました。

1. イギリス王室のイメージを変えた

堅苦しいことで知られていた君主制のロイヤルファミリーですが、ダイアナが慈善活動を通じて市民と触れ合う姿を見せることによって、人々への敬意を示し、距離が近いことをアピールしたそう。BBCのインタビューでは「私は、市民と関わりを持つ王室であるべきだと思う」と発言。この言葉の通り、自らその後も行動し続けていった。

ダイアナは100以上の慈善団体のパトロンとなり、病院、学校、募金イベントなどを訪問。人々と実際にコミュニケーションを取ることに時間を費やしたのだとか。メディアに注目されることを嫌っていた彼女ですが、著名であることを逆手に取り、活動を広めるツールとして使うようになったよう。

2. 世界的な地雷対策キャンペーンを行った

1997年にアンゴラを訪問した後、ダイアナは反地雷活動家の最も有名な支援者となりました。彼女が地雷を撤去したばかりの空き地を、歩く姿はBBCのドキュメンタリーに映し出され、当時話題に。

ダイアナの地雷除去活動は人々の注目を集め、キャンペーンを開始してから数十年後の今も、その活動に対する支援が続けられています。現在は息子のヘンリー王子が彼女の意思を受け継ぎ、地雷対策のチャリティーを行い、<The HALO Trust>のパトロンとなり、先ごろ「2050年までに世界中が兵器を持たなくなることを目指す」と発表しました。

3. HIV・エイズに対する認識を変えた

19874月、ダイアナはイギリス初のエイズ病棟を開いた病院を訪問。彼女が手袋を着用せずにHIV陽性の患者と握手をした写真が、世界各地で報道され、それまでの「HIV・エイズは触れただけで感染する」という人々の考えを覆すことに。

その後、リオデジャネイロの養育施設やトロントの病院など、数多くの病院で患者の見舞ったのだそう。彼女が亡くなった際、National AIDS Trustのギャビン・ハートは、BBCに「ダイアナはエイズ対策の世界一の大使であり、彼女に代わるような存在は他にいない」とにコメント。

4. ロンドンのホームレスセンターを定期的に訪問

1996年にチャールズ皇太子との離婚後、ダイアナはそれまでの慈善活動の大部分を手放したそう。しかし、1992年から続けていた、ホームレスの若者をサポートする<Centrepoint>のパトロンは彼女が亡くなる1997年まで続けていたようです。

ダイアナは2人の息子も、ホームレスセンターに連れって行ったそうで、ウィリアム王子は<Telegraph>のインタビューで「このような活動を、母は僕たちに紹介してくれました。母が僕達の目を覚ましてくれて、とても感謝している」と語りました。

ウィリアム王子は23歳のときに、ダイアナの後を継ぎ、本センターのパトロンとなったそう。

5. アートの熱心な支持者

ダイアナはダンスを愛し、離婚後も以前活動以外の支援先として支援し続けたのがイギリスのナショナルバレー。公演を頻繁に楽しみ、息子のウィリアム王子とヘンリー王子を一緒に連れて行くことでも知られていました。

6. 献身的な母親

ダイアナ元妃は、息子たちに普通の幼少期を送ってもらいたい、と願っていたそう。彼女は人を助けることに熱心でしたが、ロイヤルファミリーに関するコメンテーターによると「様々な仕事の中で、母親業を最も愛していた」のだとか。今でも2人の王子たちは彼女の後継者として、母の残した、遺産とも言える素晴らしい活動を引き継いでいるようです。

-----

ダイアナが世界に与えた影響は大きく、彼女の死後<ダイアナ・メモリアル基金>が立ち上がり、一般人やコミュニティーのグループから4400万ドルの寄付が集まるまでに。2012年に同基金が閉じられた時までに、471の団体に727件の助成金が授与され、1億4500万ドルがチャリティーに使われたそう。続いて2013年3月からは<ケンブリッジ公爵夫妻とハリー王子基金>が、ダイアナ基金の法的所有者としてヘンリー王子が引き継ぎ、現在でも寄付が引き継がれているそう。自身のを使い、人助けを続けたダイアナ、彼女の強さや優しさが、息子たちにも受け継がれているのが伝わってきますね。