最近アメリカで、ペプシ」のとあるCMが物議を醸しているのをご存知だろうか? その批判の勢いは、内容に留まらず、出演者だったケンダル・ジェンナーにまで飛び火するほど。人々の関心も高く、社会問題化しつつあるんだとか。

問題となったCMの内容はこう。ケンダルがビルの外でモデルの撮影をしていた時、前をデモ団体が通る。ケンダルはメイクを落とし、デモに参加。ケンダルはペプシを警官に手渡し、警官はそれを飲む。最後にみんなで祝福をする、というものだった。

しかし、デモをパーティーのように扱っているように見えることや、ケンダルが警官にペプシを手渡しているシーンが、昨年有名になった写真を彷彿させることで問題に。その写真とは、「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」のデモで女性が静かにデモをしていたところ、武装警官たちが彼女を逮捕している写真

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当初、ペプシ側はCMを撤回する予定はなく、「様々な人生を歩む人々が一つになるという大切なメッセージを伝えている」と説明していた。しかし、それから間も無くして謝罪。また、今後のCM放送を取りやめ、Youtubeからも動画を消した。

「世界が一つになるというメッセージを伝えたいと考えていましたが、的外れな表現でした。(中略)ケンダル・ジェンナーへも、巻き込んでしまったことを謝罪します」

ところが、この騒動に物申さずにいられなかったのが、世界の歌姫マドンナ! 自身のInstagram上で、1989年から「コカ・コーラ」派となった確執の理由を語った。

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「全く筋が通っていないと気付いた朝。ちなみに、30年前に私のペプシのCMもキャンセルされたの。黒人の聖人をキスしたから #皮肉よね」

マドンナと「ペプシ」の確執は、1989年まで遡る。ライブのスポンサーに名乗り出た「ペプシ」のため、まだリリースされていなかった曲「Like A Prayer」を提供したマドンナ。ところがその後、マドンナ側が発表したミュージックビデオの表現として、十字架を燃やしたりマドンナが聖人とキスするところを入れ込んだところ、宗教団体からのボイコットを受けてしまい、「ペプシ」のCMは1度しか放送されなかったという。

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Madonna - Like A Prayer (Official Video)
Madonna - Like A Prayer (Official Video) thumnail
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マドンナはさらに「コカ・コーラ」を手に持っている昔の写真を投稿。

この写真は「Like A Prayer」の約10年後にリリースされた「Nothing Really Matters」の撮影風景とみられる。手に持っている「コカ・コーラ」の文字がはっきりと見えるようにアップ写真と横並びにしているマドンナ。キャプションは「1」と書かれたメダルの絵文字。この投稿はアリアナ・グランデやマイリー・サイラスが「いいね」している。

"アンチペプシ"であることを高らかに告げたマドンナ。数十年前の恨みというよりは、「ウィメンズ・マーチ」でもスピーチをしたマドンナにとって、人権やデモを軽視しているように見えるCMが許せなかったに違いない。