日本では421日に公開予定の実写版映画『美女と野獣』で、主役のベラを演じているエマ・ワトソン11歳で『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役に抜擢され、大学へ進学するまでずっと第一線で活躍してきた彼女は現在、女優業以外にも慈善活動に力を注いでいることでも有名。

そんなエマが、雑誌<ヴァニティ・フェア>が行ったインタビューで、久々となる"多額の予算を投じた映画"への出演の意味や、本やファンとの向き合い方について語った。

映画『美女と野獣』について

フェミニストとして活動し、ワークライフバランスなどのため大きな映画を避けてきたエマが、『美女と野獣』という大注目される映画に戻ってきたのには理由があったんだとか! それは彼女の信念であるフェミニズムを広められると信じたから。

「アカデミー賞を受賞できたとしても、その映画で人々にとって大切なメッセージを伝えられないのであれば、どうでもいいの」

『美女と野獣』の最終チェック時には、エマの家族だけでなくフェミニズム運動をしている活動家グロリア・スタイネムも目を通した、とも。フェミニズムという信念に相反する表現だけは避けたかったんだそう。

これによって、原作と実写版のストーリーにはいくつか変更点があるみたい。例えば、オリジナルでは、ベルは"発明家である父親の手伝い"をしているけど、実写版のベルは"彼女自身が発明家"で、座って本を読む時間を作るために洗濯機を発明しているのだそう。それだけでなく、田舎町に住んで馬に乗るベルがバレーシューズを履いていることに違和感を感じたエマは、乗馬靴を履くことを提案。このように、フェミニズムを取り入れながら映画製作にも携わった模様。

「本」はエマにとっての逃げ場だった

『美女と野獣』の主人公ベルにとってそうであるように、エマにとっても"本"はとても大切なもの。ネットで読書クラブをはじめたり、ニューヨークの地下鉄や駅などに定期的に本を隠すなど、本を絡めた取組みに熱心なエマ。

本を通して、父と繋がっていたの。すごく貴重な時間だったし、今でも宝のように思う時間だわ(幼いころに両親は離婚している)。子供の頃、寝る前に父が本をよく読んでくれたのを覚えてる。色んな声で読んでくれたわ。それに、私は撮影現場で育ったようなもので、現場でもよく本を読んでたの。本があるから外の世界と繋がれていたし、友達が学校で読んでいる本を私も読むことで、共通点ができたの。読書は少しずつ私にとって"自由になる場"となって、力を得るだけでなく、頼れる友人にもなったの

ファンとの付き合い方

最近になって、ファンとのセルフィーを断るようになったエマ。その理由は、彼女自身の人生を守るためなんだとか!

私にとってセルフィーを撮るか撮らないかの違いって、自分の人生を普通に生きることができるか、できないかなの。誰かが私の写真を撮ってSNSに載せてしまうと、2秒以内に私の居場所が知れ渡ってしまうでしょ。私の着ている服や誰と一緒にいるのか、そういうことはできるだけ知られたくないの。でも写真を撮る代わりに『ハリー・ポッター』について知りたいっていうなら、一緒に座っていくらでも質問に答えるつもりよ!

プライバシーを守ることをとても大切にしているエマ。以前、「パパラッチが入れないエントランスがある」という点だけで、内見せずに家を購入したことがあるんだとか。

「プライバシーというのは抽象的なものではなく、私にとってはものすごく大切なものなの」

「ハーマイオニー役が決まったことは、まるで宝くじに当選したかのようだった」と話すエマ。幸運なことでもあったけど、同時に多くのことが犠牲になってしまったよう。でもエマは、それを取り戻すため、読書やフェミニズム活動を通して自分にとって、そして世界の女性にとっての幸せを見直しているのかもしれない。