120日(現地時間)に、アメリカ合衆国の第45代目大統領に就任したばかりのドナルド・トランプ氏。選挙キャンペーン中はもちろん、現在も世界中からバッシングが絶えないトランプ氏だけど、その火の粉は息子のバロン君にまで及んでいる模様。そんな状況を重く見たのは、選挙選で対立したクリントン氏の娘!?

バロン・トランプって?

トランプ大統領と、ファーストレディであるメラニア夫人の間に生まれたバロン・トランプ。身長が高く、大人びた表情をすることもあるとはいえ、まだ10歳の小学生。

昨年11月に行われたトランプ氏の勝利宣言の中継では、真夜中だったこともあり睡魔に襲われる姿が映し出されたり、就任式ではイヴァンカの子どもをあやす姿が映し出されるなど、「子どもらしくかわいい」とメディアやネット上で取り上げられることも多い。

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しかし一方で、バロン君を笑いのタネにする人々も少なくないようで…。

ネット上で加熱するバロン君イジり。

たとえば人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』に携わる、とあるライターは「バロンはホームスクーリング(家庭学習)の生徒ではじめての銃乱射事件を起こすでしょう」とツイート

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現在彼女のアカウントは削除され、番組からも外されたと言われている

他にも、ドラマ『モダン・ファミリー』の女優ジュリー・ボーウェンは、何度もバロン君の写真を使ってInstagramへ投稿。

「バロンはゲームで遊んでるんだと思う。仕方がないわよね」

「バロン、私たちの大半が感じている恐怖を表現 #バロンを大統領に」

これらの投稿を"やり過ぎ"と思った人々は少なくなく、「父親のことと彼は関係ないのに」や、「大人になりなよ。子どもを攻撃するなんてお門違い」、「あなたも人の親なんでしょ?バロン君に罪はないのに」などと批判的なコメントが寄せられた。一方で彼女を擁護する人もおり、ジュリーのコメントがバロン君を傷つけるものだったのかなど、Instagram上ではちょっとしたディベートが行われているよう。

批判を受けてTwitterでコメントを発表したジュリー。

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私はバロン君が子供らしくしているところが大好きよ。もし私の子供たちがあのような公の場にいたなら、ホラーショーになっていたわ。ただ私は、ちょっと明るくしようとしてるだけ

同じような境遇で育ったからこそ。声を上げたのはクリントン氏の娘

バロン君いじりは今に始まったことではなく、ある人物はバロン君を自閉症だと決めつけ、それを"裏付ける"とする動画を制作したことも。さらに、自閉症の子供を持つセレブがそれをツイートし大問題になった。

そんな状況に声を上げた女性がいる。それは、トランプ氏と大統領選で対決したヒラリー・クリントンと第42代アメリカ大統領ビル・クリントンを両親に持つチェルシー・クリントン。

チェルシーは、生まれた直後からずっと注目される存在だった。生まれた翌日には新聞の一面に載り12歳から大学進学までホワイトハウスで暮らし、前述の『サタデー・ナイト・ライブ』などでは外見をネタにされることもあった。彼女に普通の人生を経験してほしいと願ったクリントン夫妻は、メディアに過度に露出しないよう配慮した上、トルーマン大統領の娘までもが新聞社へ「チェルシーを頻繁に取り上げることは彼女にとって有害である」と書いた手紙を出したことも。しかしそんな声も空しく、常にメディアに注目される日々を送ったそう。

バロン君の複雑な立場を理解しているチェルシーは、一時は激しく戦いあった家族の子どもを想い、Twitterへコメント。

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「すべての子どものために立ち上がるということは、トランプ大統領が掲げている子どもにとって有害な政策に反対するということでもあります」。トランプ政権の批判はしつつも、「バロン・トランプは他の子どもと同じように、子どもでいる権利を持っている」とかばったチェルシー。

彼女の意見に賛同し、一時TwitterなどのSNSにはハッシュタグ「#LeaveBarronAlone(バロンには触れないで)」や「バロンはオフリミット(踏み込んではいけない、立ち入り禁止)」とのコメントが並んだ。

自らの意思でメディアに出ているわけではない上に、まだまだ子どものバロン君。バッシングの矛先がブレて、新たなヘイトを生み続けるようでは、誰も得をしないはず。

トランプ大統領の幼い息子バロン君まで叩かれる
Getty Images