ディズニー・チャンネル出身の歌手・女優のマイリー・サイラス。先日、人気番組『エレンの部屋』で、エレン・デジェネレスに代わり完璧に司会をつとめあげたことでも紹介したが、積極的にLGBTQコミュニティのために活動をしていることでも有名だ。

昨年には、若い世代のLGBTQやホームレスなどを支援するため、NPO組織「ハッピー・ヒッピー・ファウンデーション」を自ら立ち上げたことでも話題に。マイリーによると「若いホームレスの半数近くは性的少数者」だそうで、そんな経緯から2014年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは若いホームレスの男性をデート相手に選んでいた。

マイリーが福祉活動にこれほどまでに熱心なのは、彼女自身が「パンセクシャル」であることに深く関係しているようだ。

昨年の夏にパンセクシャルだと告白したマイリー。今月号の『バラエティ』誌では、長年にわたって自身のセクシャリティを理解できなかったことや、セクシャリティを告白したときの両親の反応などを語った。

「私はずっと自分のジェンダーやセクシャリティを理解できていなかったの。"バイセクシャル"という言葉でさえ、型にはめられている感じがして嫌いだったわ。私は他人に対して、"男の子"と"女の子"なんて区別をしないタイプ。そんな自分のセクシャリティを理解し始めたのは小学校5年生か6年生の頃だったわ。人生ではじめて付き合った相手は女の子だったのよ」

彼女自身の気づきの早さに反して、両親の理解を得るには少し時間がかかったそう。

「私の両親は信心深い人たちだから、あまり私のことを理解できなかったみたい。だけど、その時から私は『そのうち分かってもらえるから大丈夫』だと思ってた」

マイリーが思っていた通り、今では両親は良き理解者に。特に母のティッシュは、当時理解してあげられなかったことを悔やんでいるんだとか。

「(コーチとして出演しているオーディション番組)『ザ・ヴォイス』で、ある女の子が『カミングアウトしたのはマイリーの存在があったから』って泣いたの。その子を見て、私のママも泣きだしちゃって。『マイリーがあの子くらいの時にカミングアウトしたのに、私は理解をしてあげられなくてごめんね』って謝ったの。その女の子を通じて、はじめて私を理解したみたい。すごくクールでしょ?」

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さらに、初めてパンセクシャルだと気づいた瞬間についてこう話した。

「ロサンゼルスにあるLGBTQコミュニティのためのセンターに通って、いろんな人の話を聞いていたの。そしたら、そこにいた数名が自分のことを"女でも男でもない"と言ってて。みんな美しく、セクシーで強そうだけど、傷つきやすくて女性らしく、でも男性らしさもあった。私はその中性的なグループに人生で一番共感できたのよね。思えば私、自分のことをずっと『中性的』だと感じてたの。女の子であることを楽しんだことはないし、男の子になりたいと思ったこともなかった。だからその人たちと出会って、はじめて自分には性別がないことに気付いたの。そして、『私には性別がないから、異性愛者でも、ゲイでもバイセクシャルでもないんだ』って理解ができたのよ」

「今の自分に誇りを持って」

さらに、当時ディズニー・スターたちに許されていなかったLGBTQへの支持を切り拓き、オープンにした時のことをこう振り返った。

「(当時)ディズニー・スターで、レズビアンやゲイの支持をした最初の人間なのよ!? でもまったく問題にならなかったの。ディズニーで働いてる男性の中にはゲイの人も多かったから、むしろ彼らは味方が増えて喜んでくれたのよ」

派手な格好や言動ばかりが取沙汰されるけど、実はその行動力でLGBTQコミュニティに貢献し続けているマイリー。自分のセクシャリティいついて葛藤した過去があったからこそ、より多くの人が理解を示してくれるようにメディアを通して訴えているみたい。

まだ23歳だというのに、自分の影響力の活用方法を心得ているマイリー。『ザ・ヴォイス』で涙を流していた女の子のように、これからもマイリーの活動に救われて、堂々と自分らしい人生を歩めるようになる人が増え続けるはず!