コメディアンからスタートし、今は女優業もこなすレスリー・ジョーンズ。映画『ゴーストバスターズ』(日本では8月19日公開予定)でパティ・トランを演じている、今大注目の女性。そんな彼女が黒人差別のターゲットになり、twitterをやめると宣言させるまでの騒動に。
実は以前から彼女はターゲットになっていた。海外ではすでに公開されている『ゴーストバスターズ』だが、公開前からメインキャストが全員女性だということに批判的コメントが集中し、youtubeで公開された予告編には90万以上の低い評価がされた。これはyoutube史上もっとも最低評価を受けた予告編。
多方から批判のターゲットとなっていたこの映画とレスリー。
すでにレスリーへの差別的ツイートはほとんどが通報され削除されているが、まだスクリーンショットと共にレスリー自身がツイートしたものが残っている。
ゴリラと比べられたり、
「分厚い唇のcoon(黒人の差別用語)」と言われたり、
容姿を罵倒するツイートも…
「品がない
洗練されていない
このレスリー(コング)は
変な顔」
レスリーはこれらに対しこのようにツイート。
「エイプ呼ばわりされ、お尻の写真を送られ、私の顔に精液をかけた写真が送られた。人間とは何か考えている。もうイヤ」
「ほとんどが無知な子供が書いたようなコメント。『私がエイズの根源』!? どういうこと。みんな自分たちのことが嫌いなのね」
「こんなにも他人を嫌えるってことは自分のことも嫌いってことでしょ。私は最低な日だと思うときでも、こんなに人を憎むことはできないから」
「どう感じたらいいのか分からない。何も感じない。本当に感覚がない。言葉、写真、動画を見てる。動画よ? ヘイト(憎しみ)を拡散するためにわざわざ時間をかけたということよ」
「俳優は人間じゃないと思いたいんでしょう。でも考える機会を与えるわ。私は情熱だけでこの仕事を続けているの」
「私はあなたが思っている以上にリアルな人間なの。一生懸命頑張ってる。大好きなことをやりたいって夢を持っているあなたと何の変わりもない」
「私は人よりも優れているとか特別だと言ったことはない。ただ仕事でベストを尽くしてるだけ。みんなも同じでしょ? だからすごく傷つく」
「変化していると考えていた私はウブだった。私たちの暮らす世界ではまだ『black lives matter(黒人の命も大切)』と言わなければならない」
「私は疲れた。どうしてまだ争わなきゃいけないの? 私は憎みたいけど、できない。だって憎んでも何も解決しないし、ただ悲しくなるだけだから」
「今夜、私は涙を流しながら、悲しい心を持ってtwitterを去ります。すべては私が映画に出演したから。映画を嫌ってもいいけど、今日私がされたことは…間違ってる」
この投稿を受けて、俳優仲間やファンがハッシュタグ「#LoveForLeslieJ(レスリーJへ愛を)」を付けて、レスリーをかばうツイートをした。
『ゴーストバスターズ』の監督ポール・フェイグ:
「レスリー・ジョーンズは私が知っている素晴らしい人物の1人。彼女への個人攻撃は私たち全員への攻撃です」
黒人女優のジェイダ・ピンケット=スミス:
「頭を上げて、輝いて!」
クリッシー・テイゲンは自身が受けた差別ツイートを紹介:
「私のも紹介するね。アペタイザーだと思って…」
ツイートの中身は「クリッシーは白人発明を使い、白人地区で暮らしてる。夫は人種差別主義者で、2人で白人の生活をしている」というものだった。
この騒動を受け、普段は個々の問題に関して直接意見を述べることがないtwitter社もコメント。
「このような虐待的な行為はtwitterでは許されません。すでにレスリーや他のユーザーから通報を受けたアカウントにはしかるべき対処をいたしました。現在はみなさんの通報に頼っている状態ですが、悪質ツイートを防ぐツールやシステム強化に重点を置いています」
一向になくなる気配がない差別やいじめ。中でもSNS上では顔が見えないためか、何の躊躇もなくヘイトを表すことが多いよう。言われた人も、読んだ第三者も悲しい気持ちになるだけなのに。