これまでにさまざまなセレブの衝撃ニュースをスクープしてきた、アメリカの大手ゴシップサイト<TMZ>(2007年よりテレビの帯番組も放送)。マイケル・ジャクソンの突然死や、リアーナの元彼クリス・ブラウンによるDVをいち早く報道したのもこのサイト。そんな<TMZ>の今まで公にしてこなかった、情報収集に関する裏話がコスモポリタン アメリカ版に掲載されている。

記事によると、<TMZ>の創設者ハーヴェイ・レビンが『New Yorker』誌に暴露した、ビッグスクープの舞台裏は以下のようなものだったらしい。

TMZのハーヴェイ・レヴィン
Getty Images

●ジャスティン・ビーバーの"人種差別発言動画"を公表せず、代わりにさまざまな小ネタを提供させた

黒人に対する差別発言を連発した過去の動画が流出し、2014年に公式謝罪を行ったジャスティン・ビーバー。<TMZ>は、およそ8万ドル(約911万円)で、盗難にあったジャスティンのパソコンから流出した動画を入手。しかし、手に入れてからしばらくの間その動画を公表することはなかったという。その代わりにジャスティンを揺さぶり続け、多くの情報を独占的に提供させたのだとか。ハーヴェイはFBIのように、情報をうまく利用し取引を行うそう。数年経ってから動画の公開に至った理由は、「(動画が)他の人の手に渡ったと知ったから」とのこと。

●大企業にも"スパイ"がいる

ハリウッドやロサンゼルスにタレコミ屋を大勢張らせ、情報提供者には多額の金額を支払うのだとか。デルタ航空やリムジンサービス会社のBLSにもネタ提供者が存在するらしい。まだまだスパイを増やそうとしているそう。

NFLチーム、ボルチモア・レイブンズの選手レイ・ライスが婚約者(現妻)をホテルのエレベーター内で殴り、意識を失わせた映像に、205千ドル(約2,340万円)を支払った

出どころはホテルの警備員で、動画を携帯で撮影していたそう。ちなみに、同じくエレベーター内でビヨンセの妹ソランジュがジェイ・Zを殴るという監視カメラ映像が流出した件もあったけど、こちらには5000ドル(約57万円)しか支払わなかったんだとか。

●お金で多くのスクープを手に入れてきた<TMZ>だけど、現場に足を運んで情報を入手するという昔ながらの手段も忘れてはいない

例えば、<TMZ>はロサンゼルスの裁判所に3名のスタッフを常置させているけど、<ロサンゼルス・タイムズ>は1人のみ。

これだけでも随分すごい話だけど、<TMZ>がここまでの大きなサイトに成長したのには、ハーヴェイ独自の「こだわり」が大きな要素となっているよう。

●ハーヴェイの"カリスマ性"

ハーヴェイは従業員を激しい言葉で頻繁に罵倒するそう。そんな彼に恐れおののく一方で、なぜかみんな彼の魅力に取りつかれてしまうんだとか。

●ハーヴェイの"原動力"

ハーヴェイの父親が酒屋を経営していた頃、未成年者に酒を売っていたことで、いつも警察の標的になっていたらしい。同じく未成年者に酒を提供していたニューヨークのクラブはおとがめなしだったのに…。『New Yorker』誌によると、その理由はクラブに来ていた未成年者たちがセレブだったから。だからこそ、ハリウッドに対し厳しい見方をしているよう。AOL社の元幹部によるとハーヴェイは、「セレブは何もかも見せかけであり、彼らのウソを暴くのが自分の役目」だと考えているそう。

●間違ったことにはとことん反撃

米コメディアン兼司会者のエレン・デジェネレスが、以前番組内で"ハーヴェイはゲイ差別をしている"と誤った発言をしたことに対して謝罪を申し出たらしい。ハーヴェイはマイノリティーに対する差別と、ベッドルームで起きたことの報道は絶対にしないと決めているそう。エレンが電話をかけ、お詫びの品を送ったが、彼は受け取りを拒否したのだとか。

●セレブに嫌われてなんぼ!

ベテラン俳優アレック・ボールドウィンに、ハーヴェイと<TMZ>は嫌われているらしい。アレックはハーヴェイに色々とすっぱ抜かれ、両者の間には長い因縁の歴史があるのだとか。印象深いのは2007年にアレックが自分の娘のことを「a thoughtless little pig(おバカな豚)」呼ばわりした留守番電話を、TMZ>がリークした事件。アレックは一時期、「ハーヴェイを刺し、自分の腕の中で死んでほしいと思ってたよ。死に際には、『ハーヴェイ、おバカな豚だ』と言ってやりたかった」のだとか。

※この翻訳は、抄訳です。

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