セレブの"家購入"についてはよくニュースになるけれど、その後の内装やデザインがどうなっているのかも気になるところ。そこでコスモポリタン アメリカ版が、ミュージシャンや映画プロデューサーなどのクライアントを持つ4人のインテリアデザイナーにインタビュー。名前は伏せておくという条件で、専門家がセレブにまつわる驚きの事実を明かしてくれました!

【参加者データ】

デザイナーAロサンゼルスに拠点を置き、主にミュージシャンの家を担当。

デザーナーBロサンゼルスに拠点を置き、クライアントはファッションデザーナー、超大物歌手や俳優など。

デザイナーCニューヨークに拠点を置き、20年以上の経験を持つ。彼女いわく、クライアントはみな「非常に教養があり、品もセンスも高い人たちばかり」とのこと。

デザイナーDニューヨークに拠点を置き、業界歴25年の大ベテラン。最近テレビ女優の要望で、バスルームを2つ改装したのだとか。

1. セレブは意外とお金に厳しい

「ほとんどの場合大物セレブの経済的やりくりはマネージャーやアドバイザーが担当しているため、太っ腹なお金の使い方をする人はなかなかいません。また、多くのセレブが顔パスでディスカウントや無料特典をもらえると思っているようです。もちろん中には、望み通りの部屋を手に入れるために惜しみなくつぎ込む人もいますけどね」とデザイナーA

2. お金に厳しいのは、若い新人も同じ

デザイナーCによれば、「(人気の新人も)お金の使い方には気をつけているようです。ここまで成功して来たとは言え、次のギャラがいつ入るかという不安が常にあるのかもしれません。また、周りの同業者や友達にどう思われるかを気にする傾向が、若い人たちには目立ちますね」とのこと。

3. セレブがみんな億万長者というわけではないし、億万長者がみんなセレブというわけでもない

デザイナーBいわく、「(他のお客様と比べて)セレブの方がむしろ使えるお金が少ない、あるいはさほど使いたいと思っていない、ということを我々はうっかり忘れてしまうんです。経済的にきつい中、彼らも理想の生活を手に入れるのになかなか苦戦しているんだと思います」。

4. でも、くだらないものに使うお金はある?

デザイナーBは以前、元々セレブが希望したタイルの色と、完成した色が合わないからと、邸宅内のプールを3回も取り壊さなければいけなくなったのだとか。またデザイナーDは、"全面鏡張りのお風呂場を作って欲しい"と言われたそう。「天井も床もすべて鏡でないといけませんでした…正直すごく不気味でしたね」。

5. デザインのプロセスには、ペットも一役買う

「あるときペットの爬虫類にも優雅な生活をさせてあげられるようにと、超高価なキャビネットを設計させられました」とデザイナーC。他にも犬用のシャワーや、クライアントが趣味で集めているヨーヨーのコレクションを飾るためのオーダーメイド棚といった奇妙なリクエストもあったのだとか。「犬のシャワーは、飼い主のものとは別でした。犬のどろんこ遊び場の一角に、特別なタイルを敷いてシャワーの取っ手を取り付けましたね」。

6. セレブだからといって、センスがいいわけではない

「普通の人よりもちょっとエキセントリックな印象ですね」とデザイナーD。デザイナーAは、「あるセレブから、車庫の内装を一面、金(ゴールド)の葉で埋め尽くして欲しいと言われたことがあります。外出するときに黄金の輝きに囲まれて出発したいからとか…。さすがにその仕事は断りました」と告白。デザイナーCも同様の問題に直面したことがあるらしく、「よく大き過ぎたり、サイズ感が部屋とミスマッチな家具を注文する人がいます。色の構想も、聞いている限りは良さそうなんですが、実際にインテリアと組み合わせてみるとダメだったり」とのこと。

7. ただし、ミュージシャンは別

デザイナーBいわく、「ミュージシャンは本当にクリエイティブで、打ち合わせで生まれるアイディアはなかなかすばらしいものがあります。やっぱりリアリティ番組のスターとかとは違って、才能でのし上がって来ただけあると言いますか…。ミュージシャンはいい意味で自分自身の持つセンスに自信があるんでしょうね。音楽的な視点からも、本当にクリエイティブで詩的だし、才能を磨くために時間を惜しまないし、尊敬に値します。仕事柄共通点が多いような気もしますね」。

8. やっぱり自宅が一番

「公の場で活躍する彼らにとって、自宅こそがプライベートな安らぎの空間で、本当の自分を親しい家族や友達にさらけ出せる場所になるんだと思います。時として、ステージではとにかくきらびやかなセレブほどシンプルな生活をしていたりするんです。大きなマンションに住んでいたとしても、インテリアは至って質素で心地良い感じだったりして」とデザイナーA

9. キッチンと浴室も最高のリラックス空間

「特別感のある浴室と言えば、だいたい珍しくて美しい素材やゴージャスな建具を使っていますね」とデザイナーC。「サウナやスチームバスを備え付けて…あと、やはり人気なのは最新型のビデや保温便座付きトイレですかね」(例:クリス・ジェンナー)。

10. セレブの中には、自宅にデザイナーが来ていてもお構いなしの人も

「時にはレフリー(審判)になることも、私たちの仕事における大切な役割の1つなんです。なんというか、心理学者になったり、透明人間になったり…。セレブ夫婦の間で言い争いが勃発したら、ひたすら黙ってレフリー役に徹したりしなければならない場面もありますから」とデザイナーB

11. レッドカーペットのように、デザイン界にも"ベストコーディネート賞"があって、オリジナリティがとにかく大事

デザイナーAいわく、「他のセレブが使ったデザインを再利用するのは絶対NGです。これまでも誰かのために作ったデザインを自分に合わせて作り直して欲しいと言われたことがありますが、毎回その要望に対しては、こうしてみては、ああしてみてはと提案しながら、自宅におけるオリジナリティも彼らの曲のオリジナリティと同じくらい大切なんだと伝えています」。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US