ドラマで社会問題を扱い、全米で大人気!出演女優に直撃

話題のNetflixドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」出演中の2人に、バイリンガルニュースのMamiが直撃取材!

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2013年に放送開始したNetflixオリジナルのドラマ、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック(OITNB)」。10年前の自分の行動が原因で、いきなり刑務所に入ることになった、実在の女性の自伝を原作にしています。

裕福な家庭で育ち、まさか自分が刑務所で暮らすことになるなんて、想像したこともなかった主人公のパイパー。そんな彼女が、アメリカの過酷な刑務所で一体どうやって生き延びればいいのか!?  彼女が刑務所で出会う人々の生活や葛藤、過去について、コメディタッチで描かれていきます。

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アメリカでは、シーズン1の放送開始直後から、刑務所内の生活を垣間見ることができると、話題沸騰! キャラクターが全員ユニークでありながら、共感できるところもたくさんあり、笑いや驚きの連続で、展開も予測不能。この番組の見どころは、現実世界で議論になっている社会問題を、タブー視せずにさらっと取り上げているところ。トランスジェンダーの女優ラヴァーン・コックスの起用も大きな話題になりました。

6月、シーズン4が世界同時公開され、スーザン・ウォーレンを演じるウゾ・アドゥーバと、ステラ・カーリンを演じるルビー・ローズの2人が来日!

ウゾが演じるスーザンは、かなり変わった、すごくピュアな女性で、怖くもあり可愛くもある(!)という、ものすごく複雑な役どころ。ウゾは、この役でエミー賞やSAG賞を受賞しています。ルビー・ローズは、gender fluid(性別が流動的であること)を公言しており、OITNBの出演をきっかけに世界中でファンが大急増。一気にスターになりました。

私はOITNBが大好きで、一番好きなキャラクターはスーザン、ハリウッドで一番好きなのはルビー・ローズ。なんという奇跡(笑)! 公私混同でうきうきしながら、この2人にインタビューしてきました。

(重大なネタバレはないですが、シーズン4の内容を軸に話しています)

―シーズン4、ものすごくクレイジーだった! 笑える部分がたくさんある一方で、ダークなシーンも多い。本当にいろいろなことが起きるよね。

ルビー:まだ6話しか見てないからネタバラししないでね。

―えっ…。

ルビー:うそうそ、全部知ってる(笑)。今回のシーズンはすごくドラマチックな展開で、ポップコーン食べながら見てる場合じゃないよね。

―今回のシーズンは特に、人種問題、民間刑務所、レイプ、依存、精神問題など、実際に話題になることが多い社会問題に幅広く触れているよね。エンターテイメントを通じて、社会問題に触れることの意義についてどう思う?

ルビー:私の母は、長年オーストラリアの刑務所で働いてたの。アートを通して、中にいる人たちの心理的側面をケアする仕事。最初は少年少女のケアから始めて、その後は重警備の大人たちとも触れ合ってた。だから私は母の話をずっと聞いて育ったの。

中にいる人たちも自分と同じように人間なんだってことや、中での暮らしの質や安全性について、政府がもっとこうするべき、とかね。OITNBに出演が決まった時は、喜んでくれた一方で、「30年も刑務所で働いてきて、娘のドラマも刑務所の話!?」とため息ついてた(笑)。でも見てみたら、社会問題に多く触れていることに感心してたよ。シーズン4は特に。

刑務所って、中に知り合いや家族がいなくても、みんな無意識に気になっている場所だと思うんだけど、OITNBはそれを前面に押し出して見せてくれる。「このキャラクターが好き」とか「この俳優の大ファン」とか、軽い気持ちで見ていくうちに、同時に教育されている。この番組はそれが本当にうまい。ジェンジー・コーハン(プロデューサー兼ライター)が天才なのか、神やユニバースが彼女を通して人々の人生を変えようとしてるのか、どっちなんだろう?と思うぐらい。シーズン1で、トランスジェンダーのラヴァーン・コックスを起用して、トランスジェンダーのムーブメントに大きく貢献したのも目の当たりにしたしね。

ウゾ:ジェンジーが書いた「Weeds ママの秘密」も、ギリギリで社会から逸脱してる人を描いていたよね。夫を失った女性が、子どもを育てていくために奮闘する。ベースは普遍的だけど、そこからこの「普通のお母さん」が大麻のディーラーになるという展開になる。「彼女は全然大麻のディーラーっぽくない! 意外!」と思ったあとに、ふと考えさせられるのは、じゃあ「大麻のディーラーっぽい人」なんて本当に存在するのか、ってこと。

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こういう偏見の話は最近よく話題になるけど、ジェンジーはライターとして、社会に適合していない人に魅せられていると思う。特に「これは良い」「これは悪い」と世論が二極的に意見を決めつけている事柄について、問題提起するのが天才的にうまい。

パイロット版の脚本を読んだ時に、すでに「これはすごい!」と思ったけど、そのあと第2話の脚本を読んでいる時に、これは「刑務所の人々」の話じゃない、「人々」の話なんだ、と気づいたの。刑務所の中って、普段の暮らしでは見えないけど、この番組はそれを「覗き見」的な感覚で見せてくれる。

ウゾはこのドラマをきっかけに女優として大躍進を遂げた

―例えばシーズン4の中で、民間刑務所が予算を削りすぎて生理用ナプキンとタンポンが足りなくなっちゃうじゃない? そんなこと考えたこともなかったけど、現実でも同様のことが実際に問題になっている。刑務所所長が月経カップの売り場を素通りしたときに、「あんたが買わなきゃいけないのはこれでしょ!」とイライラしちゃった(笑)。

ウゾ:(笑)ちゃんと見てくれてて嬉しい。本当にそうで、「女の刑務所かあ、女同士イチャイチャするんでしょ」とか…。

ルビー:「刑務所の女はクレイジーで自分たちとは全然違う」とかね。

ウゾ:そう。そういう偏見は、この番組を見ていれば自然と消えるよね。彼女たちには刑務所に入る前の人生もあって、見ている人たちが共感できることだってたくさんある。刑務所に入っている人々をどう扱うべきなのか?というのをみんなが考えさせられる。

―新しい看守のリーダーが「犯罪者」という言葉を多用するけど、そんな「犯罪者」の彼女たちよりも、彼のほうがひどいことをしている時もあるじゃない? レッテルについて考えさせられるよね。

ルビー:そうだね。みんなが刑務所に入った理由を見ていくと、誰にでも起こりうるようなケースってたくさんある。スーザンも、精神病なのかよくわからないけど、なにか問題がある。それをうまく伸ばしてあげるのか、注意深く見ててあげるのか、なんにせよ、誰かがケアしていれば、彼女が刑務所に入る原因となった出来事は防止できたはずだった。でも誰もいなかったからエスカレートしてしまって、被害が出る羽目になり、そしてそれはスーザンの今後の人生全てを変えることになってしまう。

他のケースも、高校生の時のちょっとした過ちとか、「家族のために、生きるためにこれをやるしかない」「みんながやれって言うからやってみる」みたいなこととかね。この番組を見ることで、無謀で楽しそうだったり、無害に見えたりすることでも、自分の人生や他人の人生をぶち壊しちゃうことが誰にでも起こりうると学べると思う。たった1つの過ちでね。

―犯罪って必ずしも意識的な決断の元に行われるものではないんだよね。

ウゾ:その通り。このドラマは、あえて軽警備の刑務所を舞台にしている。つまり、そこに入っている人と、見ている人との差が、実はあまりないの。重警備の刑務所になると、まず犯罪の内容が衝撃すぎて、その人の人間性に注意が向きにくいでしょ。一方で、軽警備の刑務所にいる人たちは、犯罪は犯しているけれど、それは人生の一片でしかない。

今回のシーズンの新しいキャラクターは、「制度」だと思う。社会経済的な状況が、人々が想像もできないような結果をもたらすことがある。スーザンの場合は、制度が破綻しているせいで、その結果、彼女が制度の一部になるのを目の当たりにさせられる。制度が破綻しているとどういうことになるのか。そこにシーズン4ではスポットライトを当てているの。

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ルビー:シーズン1で、刑期を終えてテイスティが刑務所を出るじゃない? あれもすごくいい例だよね。罪を犯して、軽警備の刑務所に入る。模範囚として過ごしていたら、早めに外に出られることになる。そこでテイスティは、「外に出てどうすればいいの?」と疑問を持つわけだよね。外に出たところで、仕事も学校も家もない。助けてくれる人もいない。結局刑務所に戻れば、友達もいるし、住むところも確保されていて、仕事もある。

さらにシーズン4で触れられているのは、刑務所内の人口過多問題。オーストラリアでも問題だけど、アメリカほどではない。人口過多じゃなくても、「カップヌードルをくれたら髪をブローしてあげる」とか、物々交換で暮らすだけでも大変。ハンガーゲーム状態。その状態で人口過多になると、物も足りない、ベッドも足りない、安全性も確保できない。点呼すらままならない状態になる。現実問題として、そもそも刑務所に入っている必要がない人まで、刑務所に長年入れられている。

今回のシーズンでは、刑務所内でギャングが形成される現象を描いているけど、自分の安全が確保されていない場合、自己防衛本能が働くのは当然だと思う。実際にたくさんの刑務所でそういうことが起きているの。私の母も、ギャングが形成されるのは刑務所が人口過多になってきた時によく見られることだって言ってた。どこかに属さないと、数で負けてしまうという恐怖がある。1つの部屋に4人だって多いのに、それが6人、8人、となると、お互い信用できないし、誰がどこにいるのかもよくわからない。お互い守って守られる存在を作らないと、安全が保証されなくなっちゃう。

お腹も空いてるし、市民が当然得られる権利も刑務所内では剥奪されている。誰でも、本当に誰でも、そんな状況に入れられたら怖いし、自分を守ろうとするのは当たり前だよね。

ウゾ:オープニングの歌詞からすでに「The animals, the animals. Trapped, trapped, trapped, til the cage is full.」と言ってるもんね。動物のように「捕まっている」状態。

ライターのローレン・モレリが、シーズン4の最終話のタイトルを「The Animals」にしているの。脚本を開く前から、なにかが起きると予感できた。人口過多でみんなの緊張や不安がどんどん増していって、最後にそれがどうなるのか。まだ見てない人にネタバレしたくないから、「みんなが檻から出られるわけじゃない」とだけ言っておこうかな。

―今回スーザンの過去が色々と明らかになって、彼女がどうしてリッチフィールドにいるのか、ついに判明するけど、すごく心が痛む内容だよね。演じていてどうだった?

ウゾ:「あー、だからか」と色々納得した。彼女の頭の中の世界が、より理解できるようになった感じ。シーズン1では彼女の両親のこと、シーズン2では彼女の背景、と少しずつわかってきたけど、今回は刑務所にいる理由や、彼女の痛みがどこから来ているのかが明らかになる。私はスーザンのことをすごく大事に思っていて、自分の心の中に彼女が住んでいるように感じるの。

ルビー:それってスーザンが言いそうなことだよね。「あなたは私の心の中に住んでて、私の空気を吸ってるよ」とか(笑)。

ウゾ:確かに(笑)。でも本当にそう感じていて、だから彼女を守りたいし、彼女の視点も大事にしたい。彼女がジャッジされるような風にはしたくなかった。

―番組当初は、みんながスーザンを「Crazy Eyes」と呼んでいて、私もそう呼んでたの。「Crazy Eyes大好き!」とか。でもあるシーンで、彼女が「なんでみんな私のことをCrazy Eyesって呼んでるの…?」と聞くでしょ。そこでハッとしたの。そんなあだ名、嫌に決まってるよね、って。

ウゾ:それがまさにこの番組の腕の見せ所だと思う。そのハッとするってところ。

ルビー:そう。それを押し付ける形じゃなくて、見ている人が自然に感じ取れるようになっているよね。Crazy Eyesというあだ名についても同じ。最初は偏見やステレオタイプを通して見ていても、そのキャラクターの背景を知っていくうちに、偏見を持っていたことを後悔するようになる。自分はオープンで博愛的な人だ、と思っていても、やっぱり偏見に影響されている自分がいて、それに気づかされる。

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―シーズン1〜3を撮影している時に、スーザンの背景は知っていたの?

ウゾ:知らなかったの。シーズン1を撮り始めた時に、ライターたちに「スーザンは何をして刑務所に入ったと思う?」と聞かれたの。色々想像して提案したんだけど、犯罪の内容が壮絶すぎて、「あの…軽警備の刑務所なんですけど」とつっこまれちゃった(笑)。

結局、実際の理由は、私が思いついたものとはかけ離れていたけど、さすがOITNBのライター!って感じ。

―じゃあ背景は知らないまま、キャラクターを作っていったってこと? スーザンはTV史上、最も複雑なキャラクターだと思うんだけど、どうやって作り上げたのかすごく興味がある。こうして座っていると、あなたとスーザンは全然違うけど…。

ウゾ:実はどうでしょう(笑)。最初にライターからは、「スーザンは子どものように純粋。だけど怖い」と説明されたの。「どういうこと!?」と思ったけど(笑)、そこから作り上げていった。話が進むにつれてキャラクターが出来上がっていって、そこに後から背景の情報がどんどん追加されていく。それって、演じていてすごく興味深い。ルビーはわかるよね?

ルビー:うん。ステラはアメリカの刑務所にいるオーストラリア人ってこと以外はよくわからないから、最初は悩んだの。しかもパイパー(主人公)とアレックス(パイパーが刑務所にはいるきっかけとなった元カノ。ドラックディーラー)と三角関係になるから、みんなには好かれないかもしれない。私自身、この2人の恋を応援してたから、「この関係を壊したくないのに!」と思ったし(笑)。

「ステラは何を考えているんだろう」と悩んだときは、みんなが助けてくれた。「私なんて3シーズン全部出演してるのに、いまだに背景がわかんないんですけど」という人もたくさんいて(笑)、「確かに。じゃあ私も大丈夫か。」と思えた。キャラクターたちも、日常生活じゃなくて刑務所で生き抜くために行動しているから、強く見せたいとか、刑務所でも明るく過ごしたいとか、サバイバルモードでしょ。だから場合によって過去はそこまで関係ない。

みんな自分のキャラクターの育った環境や刑務所にいる理由を想像しながら演じてるけど、実際に過去が判明すると、びっくりするとともに、「納得!」って感じ。スーザンの過去は本当に悲しいものだけど、これもすごく納得できる。

ウゾ:そう、本当に納得。スーザンって魔法やファンタジーが大好きでしょ。自分で物語を書いちゃうぐらいで、マントとかドラゴンとか恐竜にすごく詳しいの。そういう意味で若々しいし、子どもみたいに純粋。だから刑務所に入る原因を作った流れも、彼女のことを知っていれば納得できるから、脚本を読んだ時も驚きはしなかった。スーザンの過去が、行動異常や精神問題についてみんなが話すきっかけになっているのはすごく嬉しく思ってる。

―最後に1つだけ。ステラはシーズン5で戻ってくる?

ルビー:さっぱりわからない(笑)。シーズン3で初登場した時も、最初は3話だけ出演予定だったんだけど、結局8話出たし。実際撮影に入るまではどうなるか全然わからないって感じ。

笑えるけど、くだらないだけのドラマでは決してない。でも、教育的で押し付けがましいわけでもない。特にシーズン4は、その真骨頂です。楽しみながら観ているうちに、いつの間にか知識が増え、オープンマインドになっている。これこそがエンターテインメントの意義じゃないか?と個人的には思っています。

まだ観たことない人も、騙されたと思って観てみて! とってもおすすめです。


【Netflix オリジナルドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」】

オンラインストリーミングサービスを提供するNetflixのオリジナルドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」。シーズン4の衝撃のストーリー展開に目が離せない!

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