オーストラリアはメルボルンにある、とあるカフェが話題を呼んでいる。その理由は美味しいコーヒーが頂けるから…だけではなく、「客の性別によって料金や待遇が異なる」から。

カフェの名は「Handsome Her(ハンサム・ハー)」。女性のための活動を進めるアクティビストであるアレックス・オブライエンさんが経営するこの店は、「女性が考えた女性のためのカフェ」をコンセプトにしているそう。そのポリシーが反映されているのは店名だけではないようで…!

このカフェで働くのは女性のみで、席に案内されるのも女性客が優先。さらに同じコーヒーに対して、性別によって価格が異なるというシステムをとっている。その金額差は18%で、男性の方がより高い金額設定。これは、男女の賃金格差を多くの人に考えてほしいという思いから始めたことなんだとか。

これでは男性客の足が遠くのでは…と思うけれど、毎日値上げをしている訳ではなく、毎月1週間のみの限定システム。さらに、実は18%にあたる70セント(約60円)の支払いに強制力はなし。また、男性が多く支払った分はすべて「Elizabeth Morgan House Aboriginal Women's Service」という先住民女性や子どもをサポートする団体に寄付されるそう。

アレックスさんによると「これまでに支払いを拒否した男性はいない」とのことだけど、このような性別による待遇の差に対して「逆差別だ」という声も上がっているよう。

とある女性はこのようにコメントしている。

「私は賛成できないわ。女性には女性の友人しかいないという前提になっているけれど、私は男性の友人も多いの。彼らと一緒だった場合も、席に案内してもらえるのかしら?」

他にも「この区別がさらに男女の格差を広げ、差別を助長するものだと思うわ」という女性の声も。一方で、このカフェの活動に賛同している男性もいる。

「私は男ですが、まったく問題ないと思います。女性が女性だけの場を持ち、ルールを決めるのならば、それは自由なのでは」

「ルールが気に入らないのであれば、別のカフェに行けばいいだけのこと」と言う男性も。

ちなみにこのカフェ、ジェンダーギャップに関する活動を進めるアレックスさんが手がけているだけあり、内装にもこだわりがたっぷり。壁には女性活動家の写真が飾られていたり、生理用品がモチーフになった絵も飾られている。ポリシーを掲げ貫くカフェとして、思想に賛同する女性たちから高い支持を得ているようだ。

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中には、女性器が描かれた石も!

日本においても無関心ではいられない男女賃金格差。カフェのあからさまな区別は賛否両論を呼んでいるものの、これまで無関心だった人たちに少しでも考えてもらうキッカケをつくり、議論を活性化したというのであれば、それこそがアレックスさんが求めていたことに違いない。