りぼん、なかよし、ちゃお、ジャンプ、マガジン…と数々のマンガ誌とともに育ってきた私たち。エディターの間で、オススメのマンガについて話し始めると…もう止まりません! そこで、思い切ってその思いを記事にしてみました♡ 「この言葉に支えられた」「何度も読み返したくなるストーリー」など、次に読みたいマンガ選びの参考にしてみてくださいね。
「コジコジ」(さくらももこ/集英社 )
小学生の時に出会ったコジコジ。それからコジコジは私の人生の師匠に!?(編集長AYAKO)
「コジコジは生まれたときからずーっとコジコジだよ。将来もコジコジはコジコジだよ」
小学生のとき、毎日が楽しすぎて大人になるのが嫌でした。一生このままが続けばいいのにと悩んでいるとき、コジコジに出会い、私はずっとこのままでいいんだと気づかされ、今に至ります。メルヘンの国が舞台になっていて、コジコジと愉快な住人たちとの生活は、とっても面白くてシュール。一見、おバカに見えるコジコジの発言は、実はすごく深い意味がある。それを自分なりに解釈していくのがとっても楽しいんです。なにかですごく悩んだ時に読むと元気をもらえる作品ですよ。悩んでいたことがバカバカしいと思えるほど、コジコジはマインドチェンジのきっかけを作ってくれます。
※ちなみに写真の漫画は大人になって買いなおしたものです(一巻はいま、家の中を捜索中 笑)←大人になれてない
「スラムダンク」(井上雄彦/集英社)
定番だって言われても、絶対に外せない(エディターAYA)
「オヤジの栄光時代はいつだよ…全日本の時か? ……オレは今なんだよ!」
マンガを紹介することになり、どうしても、どうしても…!外せないのが、やっぱり『スラムダンク』。小学校に入学した頃に始まったのですが、サッカー、野球クラブから男子が続々バスケットチームに移っていくという大人気っぷりを鮮明に覚えています。
内容はご存知の通り、ヤンキー街道まっしぐらな桜木花道が、バスケを通じて成長し、数々の試合を経て、最後の山王戦で勝利を勝ち取る…と一言で書けば簡単なのですが、その過程で「何もなかった自分」に「自信」をつけていく姿には、小学生ながらにも「自分にだって、何かできるかもしれない」と思わせてくれたことを覚えています。
そこから、中学、高校、大学、社会人とどんなにライフスタイルが変わっても、モヤモヤした不安があったり、自信が持てなくなったりしたときに必ず31巻までを一気読みしています。そして最終巻の山王戦で花道が言ったこの一言に、「その瞬間がいちばん大事!」だから「何にそんなに悩んでんでるんだ?(笑)」と不思議になるくらい、すっきりした気持ちになれます。
「かくかくしかじか」(東村アキコ/集英社)
上京してきた人ならわかる、心えぐられる気持ち(エディターAYA)
「なんで若い時って出来るのに出来ないフリ しんどくないのにしんどいフリ 楽しいのに楽しくないフリ なんだって出来たはずなのに 無敵だったはずなのに」
マンガ大賞2015を受賞した、今話題の『東京タラレバ娘』の著者東村アキコさんの自伝エッセイ漫画。主人公の林明子が高校3年生のとき、恩師である日高先生に出会い絵の猛特訓を受けることから物語が始まります。宮崎の田舎で「自分は絵の天才だ」と思っていたことや、しんどい思いをして大学に受かったものの大学で絵が書けなくなる…ということが、厳しいながらも実直に向き合ってくれた先生への反省の思いが軸になり、赤裸々に描かれています。
私も同じく、自分に根拠のない自信がある(スラムダンクのせい?)タイプで、大学のため東京にやってきたのに、スレたふりしてダメダメな生活を送って来ました。「先生への思い」が、30歳を過ぎ大人になった私の場合「両親への思い」と重なる部分が多く、一度読んで滝のように涙を流しました。
誰もが一度は感じたことがあるような、後悔や反省、そしてその気持ち(ダメな自分)と一緒に生きていくことを、真正面から受け止められるようになる作品です。
「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ(荒木飛呂彦/集英社)
人生で大切なことは、すべて荒木先生が教えてくれた(エディターERINA)
「どんなに貧しくても気高さだけは忘れてはいけない」
セリフまわしはもちろん、擬音や効果音、そして登場人物の立ち振る舞いに至るまで独自の世界観を貫き、熱狂的なファンが多いことでも知られる「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。私にとっても人生のバイブルであるこの作品との出会いは、何気なく「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン」を書店で手に取った時から…。
現在、第8部の「ジョジョリオン」まで発行されている"ジョジョ"シリーズ。日本人だったり日英ハーフだったりと、各部で主人公が変わるものの多くは男性。そう、第6部の空条徐倫(ジョリーン)ただひとりを除いて――。舞台はアメリカの刑務所。ちょっぴり(?)口と態度の悪い19歳の少女の成長を通して、「覚悟」や「信念」を持つことの大切さ、そして「真の強さ」について気づかされる。徐倫はもちろん、監房でできた仲間たちも最高にカッコいい! 女でも強くあれる、そう思わせてくれるコスモ女子必読の名作。
第6部を挙げておいてなんですが、人生を変えた名言は第7部「STEEL BALL RUN」にて、ディエゴ・ブランドー(通称DIO)の母が残したセリフから。この言葉に出会ってからというもの、私の指針は「その行動に誇りを持てるか」、そして「自分自身の価値」についても深く考えるように…。他人は欺けても、自らの心を辱めるようなことはしない。そう固く心に誓ったのでした。
大変ありがたいことに現在公式サイトでは一部試し読みが可能。この機会を逃さず、思い切ってジョジョへの扉を開いてほしい。後悔はさせない。アリーヴェデルチ!
くちびるから散弾銃(岡崎京子/講談社)
日本版『SATC』、あるいは90年代版「東京タラレバ娘」(エディターERINA)
「ねえ? おもしろいって感じないで生きていけるう? ねえ?」
快楽主義だけど処女なサカエ、似非ロリータのナツミ、ハタラキ者なミヤコという高校時代からのマブダチ3人の、ヘーボンだけどちょっぴり刺激的な日常を描いた「くちびるから散弾銃」。
高校時代には男性と縁がなさそうだった同級生が結婚したことにショックを受けてて"ケ"がハミ出しそうなハイレグを買ったり、レモネードから文明開化の味がしたり、バニーガールとして働くも客をぶっ叩いてクビになったり(でも衣装は記念にもらっちゃう)、気づけば財布に電車賃しかなかったり…。
ノーテンキ(だけどどこか焦りもあったり…)な20代半ばの乙女たちが繰り広げるドタバタ劇は、ほっこり笑えるだけでなく「自分らしく生きてナンボじゃい!」と思わせてくれること間違いなし。しかも読んでいくうちに、大胆でチャーミングな3人の輪に入れてもらえたかのような気持ちになるから不思議。そしてハラハラしつつもこう思う。「いー友だちもつとシャーワセね(でもロクデナシの友だちもつと苦労するわ)」。
名言は、日本脱出を目論むサカエが発した一言。いつもはちゃらんぽらんなことを、あーだこーだ言ってる彼女たちだけど、たまに核心を突いちゃったりしてハッとさせられることも。
アラベスク(山岸凉子/メディアファクトリー)
母から子へ、我が家で受け継がれてきた名作(エディターERINA)
「ノンナ、きみはどうしてそう他人のいうことに翻ろうされるんだ?(中略)自分が信じられない…か…。それじゃいまは、わたしを信じるんだな」
1971年~1973年にかけて、「りぼん」(集英社)で連載されたバレエ漫画「アラベスク」。元々は青春時代に愛読していた母が、3歳頃からバレエを習わせてもらっていた私へ譲り、その私から10歳年下の妹へと受け継いできた家宝のような存在。(実際に母から譲り受けたものは白泉社が発行した文庫本だったものの、長年の愛用っぷりが祟ってクタクタ…)
ソビエト連邦の片田舎キエフでバレエ教室を営む母に育てられた主人公ノンナは、姉のイリーナに比べて平凡そのもの…と誰もが思っていた。ところが、偶然に視察で訪れた"ソビエトの金の星"ことバレリーノのミロノフ先生(イケメン)にその才能を見初められ、プリマへの道を目指すことに。…とはいえ厳しいバレエの世界。べそっかきの少女はいかにして困難へ立ち向かっていくのか、そしてミロノフ先生とのロマンスは――?
名言は、新聞に書かれた辛辣な批評にめげてしまったノンナに対し、ツンデレの権化ミロノフ先生が発した言葉から。こんなこと言われたいという願望を込めて…。
ガラスの仮面(美内すずえ/白泉社)
没頭できるほど好きなものがあるのは才能(アシスタント エディターMARIE)
「わかっているのはただたまらなくお芝居が好きということだけ お芝居さえできたら何もいらない…」
お前にはなんの取り柄もない、ただの出来損ないだ、と自分を罵倒し続ける母親の元を離れ、女優になる決意をしたマヤ。しかしその後、マヤは自分が下した決断に少し不安になります。今まで自分を育ててくれた母親の元を去る事は本当に正しいのか? 何の取りえもないと言われ続けた自分が、本当に女優なんかになれるのか? そんなときに彼女が気づいたのが「お芝居がたまらなく好き」ということ。情熱は、周りになんと言われようと左右されるものではない、それを教えてくれたのがこの一言でした。
小学生だった私は、将来なりたいもの、したいことがたくさんありすぎて、何を選んだらいいのかわからなかったのですが、"好きなことをやり続ければいいんだ!"と思えたのです。紛れもなく好きでただただ没頭できれば、それは「好きでたまらない」から。それでいいんだ、と。
神風怪盗ジャンヌ(種村有菜/集英社)
クラスの女子の間で伝説的にヒットした名作マンガ(アシスタント エディターMARIE)
「強気に本気、無敵に素敵、もひとつおまけに元気に勇気! いっきま~す!」
これを機に、主人公まろんになろうとする女子がクラスで急増(笑)。私の友達は犬にマロンと名づけ、クラスで流行っていたプロフィールシートの「憧れの人」欄に、クラス女子の半数が「まろん」と記入するほどに。
いつも強気で弱音を絶対吐かないまろんは、やろうともせず「できない」と口に出す弱気な人が大嫌い。まろんは幼いころに両親が外国に行ってしまい、淋しい環境の中で育ちます。どんなに心が泣いていても、それを表に出すことはなく、いつも元気に振る舞って周りに元気とパワーを与えるのです! ちょっと無理難題を頼まれても、「やるわよ! 私にできないことなんてないんだから!」と、つい引き受けてしまう負けず嫌いな一面も。
そんな彼女の生きる姿勢が大好きで、辛いことや悲しいことがやってくると度々思い出して読み返したくなるのがこのマンガ。とにかくポジティブに勇気をもって生きていれば、絶対に間違いない!と思えるので、何かに思い悩んだ時、ぜひ読んでみてほしい作品です。