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仕事、プライベート、恋愛。本はいつだって新しい世界をみせてくれる。
『田宮模型の仕事』田宮俊作/文藝春秋
編集長AYAKO「ものづくりの原点を思い出させてくれる」
前職を辞める時に尊敬する上司が「君が自分で買わなそうな本をプレゼントする」と言ってくださった一冊。田宮模型は、私が小学生のとき夢中で遊んだ「ミニ四駆」を生み出したスゴイ会社です(恥ずかしながらこの本を読むまで知りませんでした)。元々は木製模型を中心にビジネスを展開していましたが、海外から精密なプラモデルが輸入され始めるとさっぱり売れなくなったそう...。田宮模型が時代の流れと共に模型と歩んできた道は、違う職種の人でもきっと仕事へのヒントになるはずです。
編集者、ディレクター、プランナーと約8年、制作現場に携わってきた私ですが、『田宮模型の仕事』を読むといつも、ものづくりに携わる者として気が引き締まります。
『#GIRLBOSS』ソフィア・アモルーソ/CCCメディアハウス
編集長AYAKO「次世代のお手本の女性ってこういう人!」
ソフィア・アモルーソという女性を知っていますか? 2年前くらい前に日本でも話題になったのでご存知の方もいるのでは? たった8年で総資産100億円超までに会社を成長させた女性。さぞかし優秀でエリートなんだと思うかもしれませんが、彼女の過去はまるで違う! 万引きやヒッチハイク、仕事は2週間以上続かないものがほとんど、学校が嫌いなどなど、やんちゃな伝説だらけです(やんちゃを通り越しているエピソードも)。そんな彼女がeBayからスタートさせたアパレルECサイト「ナスティ・ギャル」が急成長し、一躍時の人となりました。インターネットが普及した今の時代、お金や学歴、人脈、名誉がなくたって、アイディアとやる気次第で、世の中の人を夢中にさせられるサービスをつくれる! IT業界で働く私にとって、それを体現した同性代のソフィア・アモルーソがとてもカッコいいと思いました。
去年の冬、破産申告がニュースになっていましたが、パワフルな彼女ならまた新しい世界や価値を世の中に生み出してくれそうな気がします。失敗は成功の元ですしね。
『ココ・シャネル女を磨く言葉』高野てるみ/PHP文庫
編集長AYAKO「世代を超えて学ぶべきこと」
わたしは女の肉体に自由を取り戻させた BYココ・シャネル
「これはこうだから」「前からこのやり方だから」今、自分がやっていること、思っていることが当たり前だと思うこと=思考が停止しているんじゃないかと、ふと不安に襲われる時があります。だって、それって勝手に自分が頭の中で決めていることだから。シャネルは、当時、男性の下着の素材として使われていたジャージー素材を服にするアイディアを実行した女性。苦しいコルセットから多くの女性を救い、ファッションに新しい光を与えました。固定概念に囚われず、新しい価値を生み出し続けたシャネルの言葉からは、世代を超えて学ぶべきことがたくさんあると思います。
『カミーノ』森知子/幻冬舎文庫
編集長AYAKO「恋で傷ついた人もこれさえ読めば大丈夫」
この本を買った当時、特に失恋をしていたわけじゃないのですが、「女ひとりスペイン巡礼900キロ徒歩の旅」ってどういうこと?と思い手に取りました。著者の森さんは、9年寄り添った旦那さんに離婚を言い渡され、【別居 復縁 方法】と検索をしては涙を流す毎日を送っていたそう。そんな彼女が巡礼にチャレンジして人生の這い上がりストーリーを記事にするアイディアを思いつき、その経験をまとめた一冊です。大失恋をした人でも、彼女のポジティブさを目の当たりにすれば、また次頑張ろう! と立ち直れるはずです。
『小さなチーム、大きな仕事』ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン/早川書房
編集長AYAKO「ビジネスの本質のみがのっている良書」
「意味のない仕事」「意味のない時間を過ごす」のを辞めようと強く思える本です。そして、私の編集部作りのヒントとなった本です。コスモポリタンの編集者は、3人しかいません。それでも昨年、沢山の読者の方に記事を届けられるようになり、11ヵ月で1000万PVまでに到達し(まだまだですが)、面白がってもらえるようになりました。小さなチームでも、やり遂げられるメソットがこの本にはありますよ。
『あるキング』伊坂幸太郎/徳間書店
エディターAYA「善や悪って、どの視点で見るかで変わる」
伊坂幸太郎さんが好きで、新作がでると文庫になるまで待てずに買って読んでいたのですが、そのミステリーとはまったく違うのに忘れられない1冊。ただ、どこが良かったかと聞かれると説明するのがすごく難しい1冊でもあります(笑)。
主人公の山田王求は仙台の野球チームファンの両親の元に生まれます。やがて天才的な野球の才能を開花させ、それは周囲を圧倒する「野球の王」というレベルに。ただその人並み外れた才能は、まわりの人の気持ちをかき乱すことになり、不遇な環境に置かれることに…。人の輪廻も感じさせるファンタジーの要素もあり、加えて「フェアはファウル。ファウルやフェア」という言葉には、"フェアを貫こうとする人は、そうでない人にとってファウルである"という、現実社会での人間関係にも活きる側面があり、1冊でたくさんの要素を学べる(?)本です。あまり主人公の感情に大きな起伏がなくて、感情移入することはなく、人生を眺めていくように読み進めます。好き嫌いがはっきり分かれると思いますが、この不思議な感覚をぜひ味わっていただきたいです。
『サバイバル時代の海外旅行術』高城剛/光文社新書
エディターAYA「旅行って、もっと自由でいいんだ!」
初の海外旅行は大学1年生のころ。遅めの海外デビューだったわけですが、田舎者の私にとって「海外」は年に1回行くか行かないかの特別なものでした。それから社会人になってすぐの頃に、ふと手に取ったのが高城剛さんのこの本。さぞかしラグジュアリーな旅を楽しんでいる方なのかと思いきや、フォーマルな洋服を含む2週間分の荷物のパッキング(バックパック1つに!)、海外の情報をどう得るのがいいのか、SIMカードやグーグルマップを使いこなす方法など、賢く海外に行くことが細かく書かれていて、2009年当時の私は「あ、世界って案外近いかも!」と感じたのを、はっきり覚えています。それから、年に2回は海外に行ったり、住んだり…という経験を好んでするようになった私にとって、人生を変えた1冊と言えます。
『遠い太鼓』村上春樹/講談社
マーケターRisa「バックパックひとつで世界に飛び出させてくれた1冊」
20歳の誕生日に、カリフォルニアのサンタクルーズにある翻訳家
『セイフティボックス』山田詠美/講談社刊
エディターERINA「定価の3倍を出してでも覗きたかった、他人様の日常」
エッセイの女王と聞いて、誰を思い浮かべるだろうか。私にとっては、1985年に『ベッドタイムアイズ』で文藝賞を、そして'87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞を受賞した"ポンちゃん"こと山田詠美さんに他ならない。
もちろんエッセイ集『熱血ポンちゃん』シリーズも愛読しているけれど、特に思い入れがあるのがこの一冊。なぜなら、シドニーに住んでいた19歳の時に、シティにある紀伊国屋書店に足を運んで、日本で買えば定価381円(税別)のところを1000円近く出して購入したから。平積みされた分厚いペーパーバックに比べれば、表紙に派手さこそなかったけれど、中身の濃厚さたるや…。
村上龍氏しかり、ポンちゃんしかり、福生で青春時代を過ごした人たちの濃ゆさに惹かれてやまない私。今でも繰り返し読む本は、往々にして自分が生まれる前に書かれた作品だけど、「整頓されすぎている現代よりも、偏った情報しか入ってこなかった時代の方が面白そう…」なんて思わずにはいられないほど刺激的。
「1988年を凝縮した」と本人があとがきで語る、この『セイフティボックス』もそのひとつで、独特のポンちゃん節で綴られているのは、彼女を取り巻く人々との何気ない日常。時代性? 人間性? 感性? …なんにしろ、お金出して他人様の日常を覗くんなら、これくらい強烈じゃなきゃ!
『ハートに火をつけて! だれが消す』鈴木いづみ/文遊社刊
エディターERINA「人生を燃焼し尽くす!?なんて大胆なマネ、平凡な私にはできっこないから…」
福生のポンちゃんとくれば、本牧の鈴木いづみさんを紹介しないワケにいかない。市役所の職員やモデル、そして俳優を経て小説家となったいづみさん。伝説的なアルトサックス奏者の阿部薫さんと結婚して加速度を増した人生は、1986年の2月、彼女が36歳の時に"彼女自身の手"によって幕を閉じる。
ノンシャランでいてエネルギッシュ、破滅的でいてタフ。そんな自己矛盾を抱える彼女が書き落とす言葉の、なんと危なげで純粋なことか…。もっともらしく「長編小説」と但し書かれているけれど、言うまでもなくこの本は彼女の壮絶な半生を描いた自伝。読んでいるだけで喉がカラッカラになるような、センセーショナルな一冊です。
私のいづみさんに対する憧れは、ほとんどカルトの領域。髪の手入れが悪くて(本人談)、ネイルは剥げっぱなし(いづみさんをミューズとして愛し続けた写真家・荒木経惟さん談)という、どちらかと言えばミジメなはずの共通点でさえ嬉しくなってしまうほどで、正直救いようがない。欲を言えばもっと共通点が欲しいけれど、かといって美しすぎるくびれも乳房も今さらどうしようもないし、彼女みたいに人生を悲観し半ば諦めながらも情熱的に生き抜く術も知らない。だから私みたいな平凡な女は、なりきれない憧れの自分を追い求めて、慎み深く彼女の作品を読み続けるしかないんです…。
『レイチェル・ゾー・LA・スタイル・A to Z 』メディア・パル
アシスタントエディターMARIE「人生、ただ魅力的に生きればいい」
当時高校生だった私は、ファッションが大好きで、伝説のスタイリストと呼ばれるレイチェル・ゾーに強い憧れを持っていました。「ファッションで世界が救えるわけじゃない。でも一度きりの人生、どうせ生きるなら魅力的に生きるべき」という彼女の言葉に衝撃を受け、その通り! と思ったのを覚えています。メイクやファッション、髪型を変えたり、オシャレをすることは、例えば医療や政治の現場と比べたら、世界平和レベルで何かが救えるわけじゃないかもしれない。けれど、少なくとも魅力的に生きることに理由はいらないし、髪型や洋服で見た目を変え、自信を持って、堂々と生きることは、とても重要な事なんじゃないかと思ったのです。ニコール・リッチー、ミーシャ・バートン、 アン・ハサウェイ、キーラ・ナイトレイなど、有名ハリウッドセレブのスタイリングを 手がけている彼女がファッションに対する熱い思いを自ら綴っている1冊なので、コーディネートのポイントはもちろん、ファッションに対する姿勢や考え方、一流のスタイリストとして働く彼女の仕事の流儀なども学べるのでぜひオススメです!
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