かっこいいカラダになるために、ウェイトトレーニングを始めようと思っている人も多いのでは? でもどうせやるなら、正しい知識に基づいて、最大の効果を上げたいところ。そこで、コスモポリタン イギリス版が、トレーニング愛好家兼モデルであり、トレーニングの重要性と楽しさを伝える<プロテイン・ワールド>のフィットネス部門リーダーでもあるエマ・フレインさんに、ウェイトトレーニングについての基礎知識を教えてもらいました。

1.短期間で"ムキムキマッチョ"体型になることはない

まずは間違った神話にさよならしましょう。ウェイトトレーニングをすればすぐに、マッチョな体型になるというわけではないそう。「女性のカラダは男性とはホルモンの状態がまったく違うので、筋肉を増加させるホルモンであるテストステロンは少量しか作れません。つまり、たとえ女性が筋肉を増やして"ムキムキ"になろうとしても、とてもむずかしいというのが現実です」とエマさん。「もし、もっと筋肉質なカラダをめざしているのなら、長期間にわたるトレーニングと、適切な食生活を継続する必要があります。1週間に3、4回のウェイトトレーニングで、マッチョ体型になることはまずありません!」

2.より短期間で目標体重まで減量できる!

脂肪を燃焼させるには、HIIT(高強度インターバル・トレーニング)やサーキット・トレーニングのような、有酸素運動と筋肉トレーニングの組み合わせが最適とのこと。

「ウェイトを使った筋トレを取り入れることで、筋肉量が増え、カロリー消費量も増加します。筋肉は脂肪より代謝が活発なので、ただ"生きている"だけでより多くのエネルギーや酸素が必要になるんです。筋肉量を増やすということは基礎代謝率が上がるということ。つまり、休んでいてもカラダがカロリーを燃やし続けてくれるのです。女性の場合、エクササイズ後の24時間は、平均してプラス100キロカロリーが燃焼されるとも言われています」

ウェイトトレーニングの前に、知っておきたい10のこと
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3.トレーニングに変化をつければ、常に鍛え続けることができる

「ウェイトトレーニングのすばらしさは、マンネリ感を味わわずにすむところです。ワークアウトの反復回数を8~10回、10~12回、15~20回と変化させてみてください。回数が上がるほど、心臓の強化につながるトレーニングになります。そして、より重いウェイトを使って3~5回、6~8回などの少ない回数にすれば、今度は筋肉の強化をターゲットにしたトレーニングになります。カウントをするのが苦ではなく、いろいろな効果を狙いたいと思う人には、反復運動のテンポを上げたり下げたりしてみるのもおすすめです。4秒続けて1秒休んでみたり、スピードアップしてみたりするとよいでしょう」

4.食生活を見直してみる

ウェイトトレーニングで結果を出すためにも、代謝の低下を避けるためにも、自分がどんな食生活を送っているのか見直してみて。ウェイトトレーニングに必要なのは、なんと言ってもタンパク質の摂取!

「ウェイトトレーニングと有酸素運動とでは、目に見えてくる効果も、カラダに与えるインパクトも全然違います。うれしいことに、ウェイトトレーニングのためには、カロリーの摂取量を上げる必要が出てくる場合もあるんです。ウェイトトレーニングは代謝を促進し、脂肪の燃焼をスピードアップしてくれるわけですが、カラダやワークアウトに必要なエネルギーを効率よく補給しないと、むしろ代謝のスピードが落ちてしまうことに。体重を落としたり、筋肉をつけたりするときに停滞期に直面するのは、エネルギーの補給に原因があるのかもしれません」

5.歳を取っても丈夫でいられる

これは筋肉だけの話ではありません。ウェイトトレーニングは人間の健康と骨にとって、とても大切であり、歳を取って生じがちな健康上のさまざまな問題を防いでくれるとエマさんは言います。

「エストロゲン(女性ホルモンの一種)の減少は、加齢による現象の一つですが、骨密度に影響を及ぼし、長い目で見れば骨粗しょう症(骨が弱くなり、骨折のリスクが高まっている状態)の原因となりかねません。ウェイトトレーニングは、骨密度の維持や強化にも有効なので、骨粗しょう症を遠ざけ、リスクの軽減につながると思われます」

6.鍛えたかったら、1箇所にしぼらない

大切なのはバリエーションなのだそう。「筋肉のつき方がアンバランスにならないように、特定の部位に集中するのではなく、全身の部位に対してウェイトトレーニングを課すことが非常に重要です。1箇所にしぼるより、全身を鍛えるほうが、効果も表れやすいと思いますよ。最近は、大きくて立体的なお尻と、細くて筋肉がしっかりついている脚がトレンドですが、単純にこの2箇所だけを鍛えようとすると、怪我のリスクが高まることも。気をつけてくださいね」

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7.ウェイトトレーニング前には必ずウォーミングアップを!

「どんなタイプのエクササイズでも、始める前のウォーミングアップはとても大切。これから始まる運動に対しての準備を自分のカラダにさせて、怪我のリスクを軽減できるからです。より効果的なウォーミングアップを狙うなら、その後に行う運動に近いものをするとよいでしょう。これから鍛えようとしている筋肉や部位に、確実に血液を送り込めるからです。結果として、トレーニングに備えて関節の可動域を広げてくれるだけでなく、パフォーマンスの向上にもつながります。たとえば、ショルダープレスをしようと思っているなら、簡単に何回も持ち上げられるような軽めのウェイトでウォームアップした後、重いウェイトに変えて本格的なトレーニングに入ってみてください」

8.筋肉痛はなくてもOK

筋肉痛は、必ずしもトレーニングが成功している証拠というわけではなく、成功とはほど遠い状態を表している場合もあるのだとか。

「パーソナル・トレーナーをしていると、『筋肉痛を感じたいんです!』という言葉をよく聞きます。ウェイトトレーニングによって筋肉の組織は破壊されますが、カラダは筋肉を修復し、より強い筋肉へと変化させます。これが筋肉の発達の仕組みです。"痛みがある=筋肉が発達している"というわけではありません。痛みの原因は、寝不足や栄養の問題にある場合もあれば、いつもと違う動きや反復回数のせいかもしれません。間違ったトレーニング方法でカラダを痛めている可能性もあります」とのこと。痛みを過信しないことが大切なようです。

ウェイトトレーニングの前に、知っておきたい10のこと
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9.トレーニング後は即、栄養補給を!

「みっちりウェイトトレーニングをした後に、より早くカラダを回復させたいなら、正しい栄養補給を確実に行うことをおすすめします。ジムの近くで、プロテイン・シェイクを飲みながら歩いている人を見かけたことはありませんか? 筋肉の修復にいちばん適しているタイミングは、トレーニング後の20~30分間と言われていて、プロテイン・シェイクは最も簡単かつ効果的に、すばやくタンパク質を摂取できる方法なんです。鶏肉や脂ののった魚などのタンパク質も、もちろん筋肉の修復に適していますが、しっかりとトレーニングをした後は、胃に食べ物を入れるのがきつく感じることもあるでしょう。そんなとき、トレーニングで疲れた筋肉に栄養を与え、回復を手助けする手段として、プロテイン・シェイクはとても便利だと思います」

10.ウェイトトレーニングと同じぐらい大事なのは、休息日を作ること

いちばん忘れてはいけないのは、トレーニングにストイックになりすぎないこと、そしてちゃんと休息をとること。完全に何のエクササイズもしない日を作るのが嫌な場合は、ストレッチと軽い有酸素運動だけの日にしてもいいそう。

「最適なパフォーマンスと筋肉の発達のためには、休息日は必ず確保する必要があります。トレーニングとトレーニングの間に、体が回復する時間を設けなくてはならないからです。トレーニングのしすぎは、睡眠や免疫力、そしてその後のトレーニングにも悪影響を及ぼしかねません。どのぐらいの休息を取るべきかという基準は特にないので、自分で自分の体に耳を傾け、トレーニングのレベルや密度、期間を考慮し、いつ、どのくらいの回復期間を設けるべきなのか、自分で判断してみてください。トレーニングのしすぎで疲れ切ってしまっては、ジムへ行ってもやる気が沸かないでしょう。ちゃんとカラダを動かしてしっかりと鍛えるためにも、休息することを忘れずに!」

無理なく、無駄なく、ウェイトトレーニングに励みましょう!

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:中尾眞樹(Office Miyazaki Inc.)

COSMOPOLITAN UK