マラソンレースの前になると、エネルギーを蓄えなくちゃとばかりに炭水化物三昧になるランナーのみなさん。走るためのエネルギー源となるグリコーゲン(多糖類の一種)を通常より多く摂って体に貯蔵することを"カーボローディング"と言うそうだけど、具体的なおすすめレシピがあったら重宝すると思いませんか? 

ということでコスモポリタン イギリス版から、スポーツドリンク<ルコゼイド>のシニア・スポーツサイエンティスト、エイドリアン・ホッジソン博士の意見を取り入れて作成した、レース前後の食事ガイドをお届け。

1.炭水化物だけにしない

ホッジソン博士は、「炭水化物は走っている間のエネルギーとなりますが、タンパク質や脂肪も体を回復させる働きをする大切な栄養素なので、毎食、炭水化物だけでなくタンパク質や脂肪も摂取するようにしてください」と説明。例えばトーストにアボカドを載せたり、ヨーグルトにイチゴやラズベリーをトッピングしたりすると良いそう。

2.ヘルシーな脂肪を摂る

「脂肪は関節を保護して、動きをスムーズにしてくれます。回復力を高め、体温維持や栄養素の吸収、体にエネルギーを蓄える作用もあります。ナッツやシード類、アボカド、ヘンプオイル、ココナッツオイル、(本物の)バター、サケやサバやイワシのような脂肪分の多い魚を毎日の食事に取り入れてください。低脂肪の食事は健康を害する危険性があります」

3.レース前日は、夜遅くには食べない

前日は早めに夕食を済ませ、睡眠を十分に取りましょう。「前夜の食事は食べ過ぎることのないように、体に消化と休息の時間を与えてください。早めに食事を摂れば、睡眠時間も十分に確保できます」。

4.レース当日に、初めて口にする物を選ばない

マラソン当日に真新しいシューズを履かないのと同様に、食べたことのない物に手を出すのは避けた方がよさそう。「トレーニング中に、自分にとって何を摂取するのがベストかを知っておきましょう。レース当日に、飲んだことのないエナジーゼリーやスポーツドリンクは選ばないように」。

5.レース当日の朝食は、炭水化物を食べる

当日の朝は体を強くするために、いよいよ燃料を入れる時。「食物繊維や脂肪は、胃の調子が悪くなるかもしれないので、レース当日の朝食では最小限にしましょう。炭水化物を摂取するのが、レース中のパフォーマンスを下げない確実な方法です。ポリッジ(オートミールに牛乳や水を入れたおかゆ)やトースト、シリアル、ベーグル、フルーツジュースがベストでしょう」。

6.水分補給を忘れない

レース前日や当日の朝にも、十分な水分を摂ることが必要なのだそう。「少しずつ、間を空けずに飲むのがポイントです。水分不足は耐久力の低下を招きます。水分レベルが2%減っただけで、パフォーマンスが下がるという調査結果が出ています」。

7.レース中にも燃料補給

45時間何も食べなかったら、座っているだけでもお腹が空くはず。まして走り続けていたらなおのこと。「私たちの体は車と同じで、ガソリンがなければ走れません。炭水化物の蓄えはレース中に使い果たされてしまうので、疲労を感じる前に炭水化物を摂取することが必要です。走るスピードによっても違いますが、1時間に3060gの炭水化物を摂ることを目標にしましょう」。エナジーゼリーでもスイーツでもOKなのだそう。

8.ゴールしてすぐに食べない

ゴールしたら体を休めて、何かを食べる前にお水を飲むこと。「ゴール直後の脳はまだ緊張モードです。その状態で食べると効率よく消化できず、逆効果になることもあるので、体が落ち着くまで30分ほど待つのがベストです。しばらく経ってからタンパク質、炭水化物、ヘルシーな脂肪をバランスよく摂取すれば、筋肉の疲労を回復させ、グリコーゲンの補給、関節のサポートに役立ちます」。頑張った後は楽しんで!

【レース前とレース後にお勧めのヘルシーフード】

<レース前の夕食>

・天然サーモンステーキ、サバ、チキンやターキーの胸肉

・アボカド半個をマッシュして、細かく刻んだミニトマトと赤タマネギを混ぜ合わせる

・クレソン、ほうれん草、ニンジン、ビーツ(カエンサイ)の根、トマト、フェンネル、キュウリにコショウを振ったカラフル野菜サラダ(カラフルな野菜は何でも入れてOK。野菜にも炭水化物は含まれているのだとか)

・バスマティライスか、蕎麦か、中サイズの焼きイモ1

<レース前の朝食>

・ココナッツオイルで作った卵23個のスクランブルエッグ

・トマトとほうれん草

・茹でたサツマイモ1/2

・バナナ1

または

・キヌアのポリッジ(キヌア100gと甘味料なしのアーモンドミルクを鍋に入れて温める)

・リンゴ1個を細かく切ったものか、ベリー類をトッピング

・シナモンを振りかける

<レース後の食事>

・チキン胸肉

・サラダたっぷり(レース前と同様)

・オリーブ

・アボカド

・玄米かキヌア

・バナナ1

または

・天然サーモンステーキかタラの切り身

・ケール、ほうれん草、スイスチャードなどの緑の葉野菜に、ズッキーニ、アスパラガス、リーキ、ニンジン、ブロッコリーなどを加える(バターやココナッツをトッピング)

・ベリー類と全脂肪ナチュラルギリシャヨーグルト

※この翻訳は、抄訳です。

TranslationYuko Oguma

COSMOPOLITAN UK