「脂肪燃焼」という魔法の言葉

世の中的に筋力トレーニングが徐々に広まりつつある中、「体重にはこだわらない」「ラインがキレイなら体重は関係ない」なんて声を聞くようになりました。

とは言いつつも、脂肪が落ちたらラインがキレイになると思っている人はまだまだ多い。結論から言えば、脂肪は落ちてもキレイになるとは限りません。だから「脂肪燃焼」って文字だけでエクササイズを頑張らないで欲しいんです。

体型を変えるためには、それぞれの体型、目標でやるべきことが違ってきます。なれないとはわかっていても、脂肪を落とせばミランダ・カーに近づいたり、くびれができてお尻も上がりボディラインが整うというイメージはありませんか? 日本の女性はなんとなくだけど、脂肪が落ちればキレイになると思っている人が多い気がします。

でも私は、脂肪を落とすことで女性らしいカーブがなくなってしまい、幼児体型になってしまった人たちをたくさん見ています。だからこそ筋力トレーニングは、生まれつきの骨格、体型、脂肪のつき方に合わせたものが必要で、皆が皆、同じトレーニングではいけないのです。

脂肪はコントロールできない!

そもそも「体型を変える」という中でできることはこの4つ。

筋肉をつけること、筋肉を落とすこと、脂肪をつけること、脂肪を落とすこと。

筋肉は部分的につけることができます。使わなければ筋肉は落ちる、もしくは発達しないので、うまくやれば筋肉を部分的に落としていくことも可能。ところが脂肪はどこから落ちるか、どこからつくかはコントロールできません。遺伝や人種によって本当に人それぞれ。顔から落ちる、胸から落ちる、脚から落ちる、お腹から落ちる……脚はすぐ落ちるけど、お腹や背中は落ちにくい、など。こればっかりは本当に人それぞれです。

身長、体重、体脂肪が同じでも、どこに脂肪がついているか、どこに筋肉がついているかで見え方は全く違います。だから胸とお尻に脂肪が多ければ、体脂肪が多くても女性らしいラインはできるのです。ということは、体脂肪が多くてもキレイなラインの人はキレイなのです。

筋肉をつけて曲線をつくる

Joint, Elbow, Artist, Knee, Chest, Trunk, Calf, Active pants, Waist, Active tank,

写真の女性を見てください。彼女は私の友人でベネズエラ出身。実際彼女の体脂肪は25%前後あり、決して少ないわけではないです。でも胸とお尻だけに脂肪がつくラテン系なので、ものすごくカーブができています。日本の女性はこのタイプは少ないですよね。そもそもアジア系は体脂肪自体が少ないので曲線もない人が多いです。

だからこそ、人種的にもともと曲線がないのだから、細くするという考えではなく「筋肉をつけて曲線を出す」という考えがとても重要になってきます。前述のように脂肪はどこにつくかはわからない、コントロールできません。ということは、コントロールできる筋肉を適切な部位につけることができれば、曲線はでてくるのです。

脂肪燃焼ばかりを考えていた人には、この理論はイメージしづらいかもしれません。でも想像してみてください。体脂肪を落としたからといって胸とお尻に何かがつくことはあり得ないですからね! もちろん脂肪燃焼したほうがいい人もいます。が、もしかするとあなたは体脂肪が多くて満足いかない身体なのではなく、筋肉をつけることでより理想に近づける体型なのかもしれませんよ。

Text, Pink, Font, Magenta, Sock, Graphics, Active tank,

♥【岡部友のヒップトレーニング】記事一覧はこちらでチェック