フィットネスを始めよう!と決めたとき、「○キロマイナス」と減量を目標にする人は多いはず。たしかに体重は目標値として設定しやすいし分かりやすいけれど、コスモポリタン イギリス版によると、あるInstagramで人気のフィットネスブロガーの意見が注目を集めているそう。

トロント在住のクリスティーナ・バジルさん(23歳)は、約3万人ものフォロワーを持つ人気のフィットネス・インスタグラマー。フィットネスに励む人たちを勇気づける投稿や、自身の"体型変化"写真を定期的にアップしている彼女は「目標を"減量"に設定しても、幸せな結果にはつながらない」とコメント。

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1年前(左、約59キロ)と半年後(右、約60キロ)の私。体重は増えているの。減量だけを目標にしていたら、こうはなれなかったわ。

結果的には体重が増加したクリスティーナさん。彼女が歩んだこれまでのフィットネスと健康にまつわる過程は、失敗から始まったそう。

クリスティーナさん自身もフィットネスを始めた当初は、減量を目標にしていたとのこと。当時彼女は仕事のためにトロントの実家から、フランス語圏であるモントリオール近郊の街に引っ越したばかり。 言葉の壁に苦しみながら強い孤独を感じ、そのうえ辛い失恋も経験。そうした日々を"食べる楽しみ"で埋めていたのだそう。

「ピザのデリバリーや中華料理のテイクアウト、週末は飲んでばかりいました」と、クリスティーナさん。「その年だけで約20ポンド(約9.07キロ)も体重が増えてしまいました。そのときは気づいていなかったのですが、今振り返ってみると私はどうしようもない悲しさと寂しさを、食べることで満たしていたんです」。

食べたいだけ食べていたものの、運動はまったくしなかったというクリスティーナさん。「いつも疲れていたし、怠け者でした」。そんな彼女がある日「健康になろう!」と決意。「目標体重を120ポンド(約54.4キロ)に設定しました。もう1度人生を取り戻し、自分のカラダをコントロールするには、(目標体重を設定する)この方法が良いと思ったんです」。

背中の筋肉増強中。スローなペースだけど少しずつ進歩が見えるわ!

新しい人生を踏み出すため、食事を制限し、過度なエクササイズに熱中した彼女。「食事は1日に約1,200~1,300キロカロリーに抑えていたので、明らかにカロリー不足に陥っていましたが、この状態でHIIT(高強度インターバルトレーニング)、カーディオ・トレーニング、筋力トレーニングのセッションを週に数回やっていました。ある日重いウェイトを上げようとしたとき、クラッとめまいがしました。トレーニングを中断し、しばらく座っていなければならなかったほどです」。

その後120ポンド(約54.4キロ)の目標を達成したときのことを「しばらくの間、私は幸せでした」と回想。 しかし、すぐに彼女は「この体重を維持することがいかに大変なのか」に気付いたそう。

「厳しいダイエットを続けない限り、この数値を維持することはできません。目標体重を達成して味わった幸福感は、長期的に体重を維持することへのストレスと不安に変わりました

体重(=数字)にこだわりつづけたため、「本当の意味で(自分に合った)食事法やフィットネス法にたどり着くまでに時間が掛かってしまった」と語るクリスティーナさん。「今の私なら、当時の私は運動するために必要なエネルギーを蓄えるほど食べていなかったと分かります。つまりタンクにガソリンを入れずにカラダを動かそうとしていたんです」。

この経験から少しずつ、カラダ作りのための"別の"方法を取りいれ始めることに。「SNS上で見たボディビルダーやアスリートたちに憧れるようになりました。でもこれは彼らの見た目(鍛え上げられたカラダ)に魅せられたからという意味ではなく、彼らの身体能力のスゴさに感銘を受けたからです」。

「今までにやったことのないエクササイズを実験的に試したり、自分のカラダがどこまでやれるのかを試してみたんです。例えば『プルアップ(懸垂)はできるかな? 2回はできる? だったら5回までやってみる?』みたいにね。こうして都度目標を変えることで、週を追うごとにカラダが鍛えられていくのが実感でき、強度の高い運動が可能になりました

1日単位では何も変わらないように見えるけど、でも写真で見ると変化が分かるはず。

カラダに対してヘルシーなアプローチができるようになったことで「より強靭に、そして健康になりました」と語る彼女。以前の「痩せればいい」と思っていたころと異なり、今までとは違った意味で自分のカラダに自信が持てるようになったそう。

「自分のカラダを"優秀なマシーン"のような気持ちで見ているんです」とクリスティーナさん。「別のカラダに取り換えることはできませんから、私は一生このカラダと共に歩んでいきます。だとしたらしっかりメンテナンスし、栄養を与えなきゃって思うんです」。

自分のカラダに自信が持てなかったり、体重計とにらめっこばかりしている人は、ぜひ1度クリスティーナさんのようなアプローチでカラダと向き合ってみては? 

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK