鍛えぬいたカラダやダイエットの経過を"セルフ・ドキュメント"するインスタグラマーが人気の昨今。万単位のフォロワーを獲得しているインスタセレブたちの"完璧なカラダ"を見て、自身のモチベーションに繋げるのは素敵なことだけど、中には「憧れるけど、こんな体には到底なれない…」と落ち込んだり、「何とかしてスリムなカラダを手に入れよう!」「セルライトがボコボコの自分とサヨナラしよう」と躍起になったりしてしまう人もいるはず。

Good Housekeeping>によると、27歳のフィットネス・ブロガー、ソフィー・アレンさんはそんな女性たちに警笛を鳴らしているそう。彼女は先日、同じ日の同じ時間に撮影した2枚の写真(1つは太ももにセルライトがハッキリ見える写真、もう1枚はセルライトのないスッキリした太ももの写真)を並べて、自身のインスタグラムに投稿。「どちらも画像加工していないリアルな私。私にもセルライトがあるのが分かるでしょ? お尻に力を入れるとセルライトのボコボコが表れ、腰の位置をわずかに変えるだけで消えるんです。でもどちらの私もOKだし、完璧な人なんて誰もいないわ」。

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続いて投稿の中で、「Instagramに惑わされて、自信を失うなんてもったいない! 投稿されている写真の多くは画像加工されているし、カラダを傾けたり、ポーズを変えたり、撮影するアングルやライティングを変えたりと工夫して撮影されているんです」とコメントし、「セルライトのまったくない写真と自分を比較して落ち込んだりするのは間違い。大切なのは、目標を持って進歩していこうとする気持ちのはず。前向きな気持ちで頑張る自分を誇りに思ってほしい」と、15万9,000人のフォロワーを励ました彼女。

さらにアレンさんは「もっと健康になりたい、強くたくましくなりたい」と努力している人たちに対し、「自分のカラダを受け入れ、愛することが大切」というメッセージを送っています。

実はアレンさんには、フィットネス・ブロガーになるまでにこんな経緯が。イギリスの新聞<デイリーメイル>によると、彼女は以前死の境をさまようほど重度の子宮内膜症を患ったことがあるそう。手術後も1カ月入院し、その後の回復にもかなりの時間を要したとのこと。「もっと強くなりたい、健康になりたいと切実に思ったのはこの経験からです。今の状態になるまでには時間が掛かりました」。

2010年の末、私は子宮内膜症の手術を受けました。外科医は手術中(子宮以外の場所にできた内膜を)あれこれ探した結果、腸を穿孔してしまったんです。修復するために(子宮内膜症ではなく、腸の)緊急手術が必要でした。 術後、ICUでさまざまな治療を受けながら何週間も過ごした後、肺に感染症が見つかり再び手術が必要になりました。何本ものチューブに繋がれ、自分で歩くこともできなかったんです。でも私は生き延びました。すっかり筋肉がそげ落ちてしまった私のカラダは回復も遅く、痛みもありました。でも私は「強くなりたい!」と心の底から思ったんです。「美しいカラダになりたい」ということではなく、「心身共に健康になりたい」「元気になりたい」という気持ちでいっぱいでした。

またアレンさんは<Good Housekeeping>の取材に対し、「病気の経験は大変なことでした。でも自分を卑下したりせず、自分のカラダを愛することに集中しました。気持ちを切り替えるのは案外得意だったようです」とコメントしています。

しかし自身の健康的な体作りに邁進する一方で、「なぜ私たちは自分のカラダに自信が持てなかったり、醜いと思ってしまうのだろう?」という疑問も沸いてきたそう。「誰かに言われたから? それとも美しいカラダの人の写真を見たから? 皆が目標にする"理想的なカラダ"のイメージを作っているのは一体誰なの? 理想的な体型を目指すことって、そんなに重要なこと? 私はただ強くなりたいだけなのに。私自身、自分が目標とする"カラダ作り"はまだ道半ばです。でも目標を持って進んでいくことそのものが素晴らしいことだし、自分の目標は自分で自由に決めるべきだと思うんです」。

アレンさんは自分がカラダ作りをする上で、進捗を記録し、女性たちを励まし、そしてリアルな女性のカラダを見てもらう手段としてInstagramを使っているとのこと。

例えばこの写真。食事をすれば、誰でもお腹はポッコリでるもの。左はワークアウト後で、ランチ前。右はワークアウト後、ランチを食べて水を飲んだ後。

姿勢が変わるだけで、お肉の位置も動くし…

体が変わっていくには時間が必要。

ポーズを変えるだけで、見え方はこんなにも違う。

でも、どちらも美しい!

完璧なカラダに見せるための"魔法のトリック"の数々を紹介しているアレンさん。でも彼女の目的は決してフェイク写真の撮影法を伝授することではなく、ただ、大切なメッセージを広めたいだけ。「SNS上で美しいカラダの写真を見ることは多いけれど、"いつも完璧に見えるカラダ"なんてありえないんです。写真を撮影しているときは隠せても、撮影後にリラックスした姿勢になればお腹はポッコリするし、セルライトだって見えるもの。誰にでもセルライトはあるのだから」。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

Good Housekeeping