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「サー・ジョンが手にした最初の"ブラシ"。1987年ごろかな」

女の子にとって憧れの職業のひとつでもあるメイクアップアーティスト。一見華やかそうに見えるけれど、仕事がハードなのも事実。

コスモポリタン アメリカ版では、ビヨンセやクリッシー・テイゲン、ナオミ・キャンベル、カーリー・クロスといった一流セレブや人気モデルのメイクを手掛ける有名メイクアップアーティスト、サー・ジョンに密着。ロレアルのブランドアンバサダーも務める彼の仕事風景とともに、メイクアップアーティストになるための心得を紹介します。

1.美術を勉強しておいて損はなし

「『美』においては、すべてがインスピレーション源になるけれど、特に影響が大きいのは、なんといっても美術/アート。撮影現場でアートディレクターが有名画家の名前や作品名を出してきても、ちゃんと美術を勉強していれば話がスムーズに進み、パーフェクトな仕事につながるはず。僕自身がそうだったからね。例えば、世界三大美女といわれた古代エジプトのクレオパトラのメイクに、女優のエリザベス・テイラーが映画でクレオパトラを演じたときの様子、それらが今の"キャットアイ・メイク"にどんな影響を与えたのか、とかね」

※絵はニーナ・シェミンスカの作品

2.どんなときも、強気で進め

「僕は駆け出しのころ、ファッションショーのバックステージでナオミ・キャンベルに声をかけ、自己紹介したことがあった。周りからは、『(モデル界の頂点に立つ)ナオミに話しかけるなんてとんでもない』と言われたけど、なんたって彼女は僕の憧れの人だったからね。それから1週間後、ナオミから電話が来てメイクを依頼された。そして彼女は、僕にとって最初のセレブのクライアントになったんだ」

3.Instagramはキャリアの幕開けに欠かせないツール

「自然な流れで仕事につながるのが一番だけど、まず名前を覚えてもらうには自分からアピールするのも大事。例えばモデルのジョーダン・ダンと昼間、仕事をしたとしよう。そのあと、彼女から夜のおでかけ用にメイクを頼まれるので、快くしてあげる。そしてスナップ写真を撮ってInstagramにアップすれば、次第に口コミなどで話題になっていくんだ」

「初期の頃からの仕事仲間、ジョーダン・ダンと」

4.メイクはクオリティだけでなく、スピードも求められる

「僕が短時間で見事なメイクをすることを、今となってはみんな当たり前だと思ってる。でも実は、僕はスピードアップの練習にと、仕事の後にクラブに行っては、女の子たちにメイクをしてあげていたんだ。それから仕事でも、メイク時間が20~30分しかないって現場を多く経験したよ。だから今では、手早さにかけては業界屈指だと自負している(コスモの編集者いわく、『サー・ジョンのキャットアイ・メイクは本当にあっという間』だったとか)」

5.周りの人への感謝を忘れないで

「僕が今ここにいるのは、駆け出しのころから一緒に仕事をしてきたナオミ・キャンベルにカーリー・クロス、ジョアン・スモールズ、ジョーダン・ダン、そしてリヤ・ケベデといった一流モデルたちのおかげ。ナオミとの出会いは、ベテランのメイクアップアーティスト、パット・マクグラスのアシスタントになることにもつながったしね。同じくメイクアップアーティストのシャーロット・ティルベリーも、僕の大事な恩師の1人だよ」

6.自分がやりたいメイクはもちろん、別のメイクプランも用意する

「(雑誌などの)編集がらみの仕事になると、フォトグラファーやスタイリストから要望が来る。それらは絶対だから、自分のするメイクを合わせるようにしていかないとね。一方でセレブとの撮影では、どんなメイクにするかを事前に話し合う時間なんてほとんどないことも知っておいて」

7.ミスをするのは避けられないから、そこから学ぶ

「ナオミ(・キャンベル)との仕事で、彼女に合わないパウダーを使いすぎるという失敗をしたことがあった。でも、二度とそんなことは繰り返さないよ」

「レディー・ガガのメイクのお直し風景」

8.瞬時に作業を切り替えられるよう訓練する

「(おとなしくしててくれるのが一番だけど)自分がメイクをしているセレブが突然電話に出たり、パソコンをいじったりすることは珍しくない。そこで自分ができるのは、セレブの作業に支障が無い部分のメイクに切り替えること。時間内にメイクを終わらせるためには、臨機応変に動くことだね」

9.自分で新しいトレンドを作ることもできる

「セレブのクライアントには、他の誰かと同じメイクはできない。ネットとかで『かぶった!』と揶揄されるのがオチだから。それに自分で何か新しいメイクを作るのは楽しいでしょ? 『MET GALA』(ファッションのアカデミー賞ともいわれる祭典)でのジョアン・スモールズのメイクではパープルのリップを使ってみたけど、それからこれが流行したしね」

10.一緒に仕事をしたみんなを満足させること

「ある現場で仕事をして、その後二度とお声がかからなくなったとしても、その理由は誰も教えてくれない。だからPR担当者やエディター、スタイリスト、セレブなど、一緒に仕事をする人たちが何を求めているのかを自分で注意深く見極めることが大事」

11.結局はコミュニケーションと相性につきる

「僕は具体的にどんなメイクをするのか、あの手この手でちゃんと説明する。だから失敗することがない。ひとくちに"スモーキーなアイメイク"といっても、いろいろなパターンがあるからね。みんなを満足させる結果を残すには、きちんとコミュニケーションを取ること」

12.クライアントの顔を本人以上に熟知すること

「当たり前のことだけど、女性の顔はみんな違う。だからその人の顔を見て、すぐにもっと魅力的にするメイクが何かを把握することが肝心だ。例えば、眉毛が左右バラバラなら整えなくちゃいけないとか、顔のどのパーツに一番力を入れるか、とかね」

13.成功の秘訣は、自分ではなくクライアントを立てること

「メイクアップアーティストの中には、自分と担当したセレブとのセルフィーで自分をアピールする人もいるけれど、それではダメ。成功するのは、自分のメイクの力でセレブを輝かせることに一生懸命な人だってことを忘れないで」

「ダナ・キャランのショーにて。残業中のカーリー・クロスと僕」

14.本当に使い勝手の良い"カバン"を選ぶ

「ツアーや映画のPRなどで、セレブと長い間世界を飛び回ることもある。だからカバンは、十分や服や、大事なメイク道具をしっかりと守るタイプのものを選ぶべき。そのためメイクアップアーティストは、普通のカバンではなくスノーボード用のケースを使っている人も少なくない。空港でもスムーズに動くし、耐久性もあるからかなり重宝するよ。僕のケースは2つに分かれるので、片方には洋服を、もう片方にはメイク道具を入れることだってできるんだ」

15.クライアントに自信を持ってもらうことこそが、僕たちの仕事!

「クライアントとメイクアップアーティストが顔を合わせるのは、ステージやレッドカーペットに登壇する直前だったりする。瞬時に的確な判断をし、クライアントの魅力を引き出すようなメイクで良い気分にさせ、堂々とした表情で人々の前に送り出すのが我々メイクアップアーティストの仕事なんだ」

16.同業者に嫉妬せず、むしろ刺激をもらおう

「これは友達のヘアスタイリスト、ジェン・アトキンの言葉。同じメイクアップアーティストでけん制し合うよりも、お互いからあれこれ学んだほうが仕事も人生も楽しいはず!」

「友人 @jenatkinhairの新しいヘアケアのキャンペーンに参加させてもらえて、とっても幸せ!」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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