コスメ情報やメイクのテクをゲットするために、YoutubeやInstagramなどのSNSを活用している人は多いはず。動画や画像付きでコスメの効果や凄腕メイク術を分かりやすく教えてくれるのだから、こうしたSNSの人気が高まるのも理解できるというもの。
しかしコスモポリタン イギリス版によると、こうした状況を危惧する声も出てきているんだとか。メイクのチュートリアルやおすすめコスメなどの動画を発信しているメイクアップアーティストのウェイン・ゴスさんは、自身が公開したYoutube動画『Warning. You're being lied to. Please watch（気をつけて！ あなたは騙されている！ 視聴して下さい）』で、照明やアプリによって顔の見え方が大きく変わることを指摘。
こちらがウェイン・ゴスさん。
そしてこちらが、その動画。
動画の中で、ウェインさんはまず自然光とプロ用の照明のもとで撮影した場合の違いについて説明。その後"ある効果（エフェクト）"についてコメント。
「他のメイクアップアーティストの動画を見て驚いたことがあったんです。彼女は50代半ばのはずなのに、動画では顔も手も20歳以上若く見えました。これは行き過ぎているし、何か変…と思ったんです」
ウェインさんは同じメイクアップアーティストが同時期に撮影した別の動画を視聴し、その違いに改めて驚いたんだそう。
「その動画で、彼女は女性モデルにメイクをしていました。モデルの肌質はごく普通でしたが、色素沈着やそばかすがありました。ところがファンデーションを塗ると、まるで磁器のように美しい肌に変わったんです。僕も最初は『このファンデ、すごい！』と思ったのですが、カメラがファンデ（商品）をアップにすると背景に写ってるモデルの肌に変化が。顔にエフェクトがかかっていない状態では、モデルの肌に色素沈着やファンデの層がバッチリ確認できたんです」
ウェインさんはその後リサーチし、肌質を劇的に良く見せることができるフィルターが搭載されたアプリがあることを発見。値段は100ポンド（約1万3,000円強）程度とのこと。そして彼もこのアプリを購入し、下の画像のような驚くべき効果を実証。
【自然光】
【プロによる照明】
【アプリを使用】
「この手の"トリック"を使った動画はますます増えています。アプリを使うことで『この商品を使えば同じような効果が得られる』という"幻想"をビューアーに抱かせてしまうものの、実際には動画で見られるような効果はないのです」
ウェインさんはビューアーがこのように騙されてしまう状況を見過ごせないと考え、警笛を鳴らすためにこの動画を作成したとのこと。
「アプリでフィルター処理を行った後のような肌を、現実に作り上げることは不可能です。にもかかわらずこういった動画や画像が拡散されるため、『自分は醜い』と考えてしまう人が多いんです」
写真や動画アプリのクオリティは高まる一方。誰にでも使える簡単なものも多いため、今後このような"トリック"はますます増える可能性が。発信する側のモラルが問われるのはもちろんだけど、見る側も見分ける賢さが求められる時代なのかも。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: 宮田華子
