二日酔いを緩和したい、治したい…と思う朝は誰にでもあるはず。そんなときに効く食べ物を知りたければ、専門家に聞くのが一番! というわけで、本記事では栄養士の解説をもとに、二日酔いに効く朝食や、二日酔いを事前に予防する方法をご紹介します。


【INDEX】


二日酔いが起きるメカニズム

まずは、二日酔いが起こるメカニズムについて、ノースウェスタン・メディスン・セントラル・デュパージュ病院の神経内科医であるカピル・サックデバ先生の解説を、<コスモポリタン アメリカ版>からお届け。

まだまだ明確になっていない点も多いなか、主に以下のような要因によって二日酔いが引き起こされると考えられているそう。

  • 脱水
  • ホルモン異常
  • 免疫システムの低下 など

これらの影響から、頭痛や吐き気、めまい、消化不良などを引き起こすと言われています。

二日酔いに効く朝ごはん

ここからは、二日酔いになってしまった後の対処法の一つとして、おすすめの朝ごはんについて各専門家の意見をお届けします。

1.塩気のある炭水化物

フィットネス会社「Freeletics」専属栄養士のカタリーナ・カイザーさんは、次のように説明しました。

「私が二日酔いのときは、基本的に2つのことに気をつけています。1つ目は、体に溢れるくらいミネラルを与えて、少しでもデトックス作用を促すこと。だから、グリーンスムージーココナッツウォーターを飲みます」
「そして、何か塩気のあるもの(胃を休めるためにあまりスパイシーでないもの)を食べます。個人的には、二日酔いのときに炭水化物は外せませんね。ジャガイモや豆の入った、シチューなどをよく食べます」

2.水分をたくさんとる

減量プログラム開発会社「ウェイト・ウォッチャーズ」専属栄養士のステフ・ウィリアムズさんのおすすめは、栄養のあるものを食べたうえで「水分をたくさんとる」こと。

「たとえば、スクランブルエッグとアボカドをトーストに乗せたものなどは、炭水化物、タンパク質、良質の脂肪が含まれているので、体にいいんです。もちろん、二日酔いに効く唯一の治療法は時間と水分補給なので、いつも水の入ったグラスを手放さないようにしています」
sandwiches with
Elena Pavlova //Getty Images

3.満足感のあるオートミール

ロンドンにあるクリニック「Rhitrition」の登録栄養士・創設者のリアノン・ランバートさんのおすすめは、オートミールを食べること。

「水分を十分に摂ることは、健康的な生活の要です。飲んだ翌日はいつもよりも多めに、2リットル以上の水を飲むようにしています」
「食事には、すっきりしたスムージーか、ナッツバターとベリーを入れた満足感のあるオートミールを食べます」
homemade granola on black plate
Iryna Melnyk//Getty Images

4.アボカドトーストとココナッツウォーター

健康食品会社「BioCare」専属臨床栄養士のマナル・シューシェインさんは、アボカドディップを乗せたトースココナッツウォーターを推奨。

「これなら、炭水化物と脂肪が食べたくてたまらなくなる、二日酔いの気分でも満足させられるし、良質の脂肪で体に栄養を与えることもできます。ココナッツウォーターは水分補給や電解質のバランス調整の点で理想的です」

5.半熟卵

登録公衆衛生栄養士のエマ・ダービーシャー博士は、ワインやピニャ・コラーダを飲み過ぎた後は、「水をたくさん飲み、トーストに半熟卵を乗せたものを食べます」とコメント。

6.たまごサンドイッチ

健康食品会社「Better You」提携栄養士のキム・ピアソンさんいわく、いつ食べるか、どれくらい二日酔いがひどいかにもよりますが、ポリッジ、フリーレンジ(=放し飼い鶏が産んだ)卵のマヨネーズ和えに全粒粉のパンのサンドイッチか、スモークしたタラのフィッシュケーキがオススメとのこと。

7.スモークサーモン、卵、アスパラガス

減量プログラム開発企業「Protein World」専属栄養士のフェイ・タウンゼンドさんは、次のようにコメント。

「二日酔いの典型的な症状である、頭痛、吐き気、筋肉痛、下痢の主な原因は脱水です。アルコールには利尿作用があり、尿がたくさん出ますから、二日酔いを治すためには水が不可欠です。私がお酒を飲むときは飲んでいる間も水を飲み、寝る前と朝起きたときにも水を飲むようにして水分補給を心がけています」
「飲んだ日の翌日にはよく食欲不振に陥るものですが、血糖値と電解質を元の値に戻すことが大切です。私にとって理想的な二日酔い後の朝食は、スモークサーモン、卵、アスパラガスです」
「卵は二日酔いにいいとされる2つのアミノ酸(タウリンとシステイン)を含みます。タウリンは毒素をいち早く排出することでアルコールが肝臓に与えるダメージを減らしますし、システインはアルコール代謝の副産物であるアセトアルデヒドを分解します。アセトアルデヒドはアルコールそのものよりも毒性が強く、ひどい二日酔いの原因になるんです」
grilled fillet of salmon with asparagus served on a plate
kajakiki//Getty Images

8.卵をのせたトースト

ダイエット関連会社「Spoon Guru」専属栄養士、栄養マネジャーのアレクシス・プールさんは、卵をのせたトーストを推奨。

「卵は栄養のある食べ物です。大きな卵1つに、ビタミンA、D、E、K、B12、B2、B5、葉酸、リン、セレン、カルシウム、亜鉛と6グラムのタンパク質が入って、たったの約77キロカロリー」
「コレステロールを多く含むため、過去には評判が悪いこともありました。コレステロール値は高いものの、卵からよりも、飽和脂肪からのほうが血中コレステロールへの影響が大きいことが分かっています」

もう一つの思い違いは、パンを含む炭水化物全体が体に悪いというもの。

炭水化物というのは広いカテゴリーですが、政府(イギリス)は食生活の中で、炭水化物のもっとも単純な形である遊離糖類の摂取量を削減することを推奨しているそう。

「"遊離糖類"とは、食べ物や飲み物に加える糖分で、ビスケット、チョコレート、味付きヨーグルト、朝食用シリアル、ソフトドリンク内の糖分を含みます。他にも、ハチミツ、シロップ(アガベ、メープル、ゴールデン)、フルーツジュース、スムージーに含まれた糖分も入ります」
「しかし、牛乳、フルーツ、野菜に含まれる糖分は遊離糖類にカウントされませんので、糖分の全体的な摂取量には気を配らなくてはいけませんが、これらの摂取量を削減する必要はないのです」
「パンやジャガイモ、他の穀物に含まれるデンプンや全粒粉などの炭水化物は私たちの食事のベースとなるべきものです。繊維もまた炭水化物の一種ですが、これは健康に良いという強力な証拠があります。二日酔いかどうかにかかわらず、パンを食べるのは悪いことじゃないんです!」
homemade baked whole wheat bread with milk and eggs
Larisa Blinova//Getty Images

二日酔いを予防する方法

二日酔いに効果的な朝ごはんは分かったものの、できれば未然に防ぎたいもの。ここからは、二日酔いの予防法をお届けします。

飲む前に何か食べておく

まずは、ブラウン大学アルコール依存症研究センターの副所長であるロバート・スウィフト医学博士の解説を<コスモポリタン アメリカ版>からお届け。

知っておきたいのは、「お酒を飲む前は満腹であるべき」ということ。

「空腹時にお酒を飲むと、アルコールが直接腸に送り込まれ、血液への吸収が加速されます」

つまり、空腹時にお酒を飲むと通常より酔いが回りやすく、翌日は体調不良に悩まされる可能性が高くなるということ。一方で満腹時は、血中アルコール濃度が低い状態を保てるんだとか!

お酒と水を交互に飲む

ウェイクフォレスト大学医学部で、依存症研究と臨床健康の修士プログラムのディレクターを務めるローラ・ビーチさんによれば、お酒を飲むスピードは1時間に1杯に抑えるべきとのこと。

それが難しいときには、水やノンアルコールドリンクを間に挟むことがおすすめ。こまめに休憩をはさむことで体がアルコールを分解する時間が増え、翌日のひどい二日酔いを予防できるんだそう。

lemon juice glasses under the shade of a tree at an outdoor picnic 
Cavan Images//Getty Images

寝る前にコップ一杯の水を飲む

二日酔いは、アルコールの過剰摂取と体の水分不足によって起こることが分かっています。

一方で、「水を飲みすぎると体に余計なストレスを与えてしまう場合がある」と警告するのは、ロヨラ大学のアルコール研究プログラムにおけるディレクターを務めたエリザベス・コバックスさん。たとえば、水の飲みすぎで夜中に何度もトイレに行くことで、睡眠を妨害してしまうことが例に挙げられます。
 
そのため、お酒をたくさん飲んだ夜は、コップ1杯(喉が渇いている時は2杯)の水を飲んで就寝し、翌朝のドライマウスに備えて、ベッドの近くにコップ1杯の水を準備しておくのがおすすめ。

二日酔いのときにしてはいけないこと

次に知っておきたいのが、二日酔いのときに避けるべき行動。知らぬうちに症状を悪化させているかも…!?

サウナに入る

汗をかくと解毒効果があり、二日酔いの緩和に役立つという諸説がありますが、自然療法士のケイシー・ニコラス先生が<コスモポリタン アメリカ版>に解説したところによれば、その対処法では手遅れとのこと。

「翌朝、二日酔いで目覚めるまでの間に、摂取したアルコールはすべてではないにしても、ほとんどがすでに肝臓で代謝されています」

そのため、残念ながらサウナでたくさん汗を流したところでアルコールのデトックス効果は期待できないうえに、脱水状態を促して二日酔いをさらに悪化させる可能性が。

woman relaxing in sauna
PhotoAlto/Frederic Cirou//Getty Images

辛いものを食べる

コロラド大学デンバー校のアルコール研究プログラムの創設者であるエリザベス・コバックス先生によると、辛い食べ物はアルコールによる消化不良をさらに悪化させる恐れがあるそう。

「二日酔いで胃が不調のときは、辛いソースは避けましょう。しかし、塩味のチップスは水分補給を促す助けになるかもしれません」
 
pjohnson1//Getty Images

十分な水分補給と栄養をたっぷりとることが二日酔い改善には不可欠! お酒との上手な付き合い方を学ぶことも忘れずに。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:mayuko akimoto、YUUMI IKEUCHI

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