パーソナルトレーニングの功罪?

TVでも盛んに宣伝されているように、パーソナルトレーナーをつけて期間限定のダイエットを行う人が増えてきました。何をどれくらい食べればいいか食事管理をしてもらえて、ラクだし安心。人間は見られている感覚があると頑張れるものだし、真面目な人ほど決められた期間は、完璧にこなそうと頑張る傾向があります。

が……これって長い目で見ると「命取り」になりかねません。なぜなら、他人に任せることで自分の身体の声を聞けなくなってしまうから!

よくあるパターンは2つあって、1つはべつにお腹は減っていないけれどトレーナーから言われた「1日○グラムのたんぱく質を食べてください」というルールを厳守し、無理して食べること。

もう1つは「トレーニングしているから」と、空腹感や満腹感を無視して必死にたんぱく質を食べてしまうこと。

もちろん、たんぱく質は身体を作る上で重要です。でも健康な人でお腹が空いないってことは、そのとき身体は栄養を欲していないということ。動物はお腹が空かない限り獲物をハントしにいかないですよね? 来人間もお腹が空いたから食べる、空いてないなら食べない、ということができないといけません。

お腹が空いていないのに色々な理由をつけて食べるのは、結果的にオーバーカロリーになり、減量目標の人が減量にならないケースも。

減量時に「鶏ささみ」が推奨されるワケ

おそらくどんなジムでも、ダイエット(減量)となると、ささみとブロッコリーが登場するのですが 、ささみとブロッコリーがメインの食生活が長続きするわけもなく……。

ではなぜ「ボディメイク=ささみ」というルールっぽいものがあるのかというと、それは単純にカロリーが計算しやすいからです。ささみには脂肪分が少ないので、例えばサーモンやもも肉とくらべると計算がラクなんですね。

ささみは低カロリーなので、ダイエット中でも量を多く食べられるということはあるかもしれないけれど、たんぱく質は体内でアミノ酸に変わるので、ささみが痩せさせてくれるわけではありません。私はもともと鶏ささみが大好きで積極的に食べますが、総カロリーが合っていれば、基本的に何からたんぱく質を摂ってもいいんです。

痩せてる人の食べ方を見よ!

つねに痩せていてあまり太らない人の食べ方には特徴があります。

それは「お腹が空いてないときは食べない」ということ。例えば、夜食べ過ぎた翌朝はお腹が空いてない。だから朝ごはんは食べない。でも太る人は「朝だから何か食べよう」という志向になりがちです。

ランチの後でクッキーが会社で配られたとします。このとき、「せっかく美味しそうなスイーツがあるんだから」という理由で満腹なのに食べる人と、「今はお腹いっぱいだからあとで食べよう」と思える人とで、身体は当然変わってきます。

この空腹感を無視する、満腹感を無視する行為は、ボディメイクができている人でも積極的にやらないほうがいいと思います。もちろん毎日の運動量がとても多く、消費<摂取にならないように頑張る、パフォーマンスを上げるというアスリートは別かもしれませんが。

たんぱく質に理想摂取量があるのは確かだけれど、それはあくまで世の中の「平均」を切り取ったもの。身体の反応は人それぞれです。

この連載でずっと言い続けていることですが、一気にやったり無理をすることは長く続きせず、結果的にライフスタイルを変えることにはつながりません。自分の身体の声を聞くことは絶対条件なのです。

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