イギリスでは、大量の飲酒が社会問題になっている。適度な飲酒ならそれほどの害はないとみなされているけれど、コスモポリタン イギリス版によると、定期的な大量の飲酒は高血圧、心臓病、複数のがんの原因となる可能性があるそう。しかも、特に若者の場合には大量の飲酒と神経の発達障害との間に因果関係が見られ、最近実施された研究では、大量の飲酒は脳に悪影響を及ぼすということを指摘している。

その研究結果を掲載したのは『行動学的神経科学の最先端領域』という学術誌。ポルトガル在住の科学者たちは、何かしらの課題に集中していない休息時に大量に飲酒する人たちの脳に、果たして何らかの違いが存在するのか、という点の調査を行った。

この調査を実施するに当たり、彼らは80人の大学1年生を募集し、短時間で大量の飲酒を経験したこのとあるグループとそうでないグループという、2つのグループに分けた。

ちなみに、短時間における大量の飲酒とは、性別に関係なく、2時間以内に5杯、またはそれ以上のお酒を飲むことを言うそう。また、参加者の中でアルコール中毒の兆候を示した人は1人もいなかったとか。

参加者たちの頭部には電極が貼られ、各グループの脳活動が分析された。後に結果を比較すると、自分は短時間に大量の飲酒をすると自己申告した参加者には、脳障害の初期徴候と似た変化が見られたそう。筆頭科学者でポルトガルのミンホ大学のエドゥアルド・ロペス=カネーダ博士は、こう記述している。

「こういった特徴が見られたことは、アルコールが成長途中にある若い脳にとりわけ有害な影響を及ぼしていることが原因かもしれない。可能性としては、神経の成熟を遅らせていることが考えられる」

心配なのは、脳の海馬傍回と紡錘状回(それぞれ、記憶の発掘と認識をつかさどる)に見受けられた変化は、慢性的なアルコール依存症患者の脳の活動と酷似していたとか。また、この報告書の注釈は、大量の飲酒とアルツハイマー病、血管性認知症、ADHD(注意欠陥化活動性障害)との間に関連性を見出した別の研究結果を引き合いに出している。

このような結果がきっかけとなり、アルコールが若者の脳の長期的な成長を損なうという可能性についてさらなる研究が行われると思われる。ロペス博士は次のようにも述べている。

「仮に教育機関や医療機関がこのような結果に基づいてリスクの高い飲酒者の飲酒量を抑制することになれば、それは有益な結果をもたらすだろう」

お酒はやっぱり嗜む程度に留めておいたほうが良いかも。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Rubicon Solutions, Inc.

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