生理になる度にお腹がゆるくなる…という女子は多いはず。ただでさえ生理痛が重かったり、頭痛になったりしてツラいのに、お腹の調子までおかしくなるなんて…これってなぜ?

コスモポリタン アメリカ版が医師に聞いてみたところ、生理と下痢には密接な関係があるんだそう。


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生理中に下痢になる原因とは?

生理学的には、"月経周期"とは特定のホルモンや化学物質の分泌量が増減するもので、生理はその一連のサイクルで起こる現象のひとつなのだそう。ニューヨークの産婦人科医レベッカ・ブライトマン医師によると、生理初期にはプロスタグランジンという物質が子宮から分泌され、平滑筋の収縮を促す作用があるのだとか。

この平滑筋の収縮こそが、いわゆる生理痛の正体。そして、平滑筋は消化管とも連動しているため、ミラ・カガ内科医師曰く「プロスタグランジンは子宮だけでなく、消化管などの近隣部位にも作用してしまうことがあります」とのこと。つまり、生理痛がひどいときは、お腹のゆるみ具合もひどくなるダブルパンチ構造というわけ! 「便通が良くなる程度という女性もいれば、プロスタグランジンが消化管に与える作用が強すぎて、下痢になってしまうという女性もいます」とカガ医師。生理痛と同じように、一般的に症状が一番重たいのは最初の2日程度だそうで、その後はしだいに症状が軽くなると思えば、多少前向きになれるかも?

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そして生理前は便秘に…

お腹がゆるくなる原因がプロスタグランジンなのはわかったけれど、生理周期といえばプロゲステロン(黄体ホルモン)の関わりが大きいもの。ブライトマン医師によると、プロゲステロン分泌は排卵時に始まり、その役目は卵子が受精するのに備えて子宮の内膜を厚くすることなのだそう。さらに「プロゲステロンには、消化管の運動機能を低下させる一面もあります。そのため、生理前の1週間~10日間に便秘になるという女性が多いのです」。

つまり、排卵後は便秘でお腹が張りがちになり、生理がくるとプロスタグランジンの分泌が急上昇して、下腹部に蓄積していたものが子宮からも消化管からも一斉に排泄される…ということのよう。

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生理中の下痢の予防・対処法は?

イブプロフェンを服用する

カガ医師もブライトマン医師も、この生理とお腹のゆるみ対策として、イブプロフェンか類似の非ステロイド系抗炎症薬を生理前に服用し、プロスタグランジンの過剰分泌を抑えるのがベストという見解で一致。そして、最大限の効果を得るには、生理痛がくる前に服用するのがポイントのよう。生理が15日にくると予想されるのであれば、推奨量のイブプロフェンや非ステロイド系抗炎症薬を13日から服用するのが効果的、とカガ医師。イブプロフェンにプロスタグランジンの分泌を抑える働きがあるとはいえ、余程の過剰摂取をしない限りは、生理周期が乱れる心配はないとのこと。

イブプロフェンの効果は大きく、生理痛だけでなく生理による下痢の予防にもなるそう。また、低用量ピルなどの避妊薬を服用している場合、生理中のエストロゲン(卵巣ホルモン)とプロゲステロン分泌が抑えられているため、一般的に生理痛が軽くなることが多いのだとか。

生活習慣を改善する

生理痛や便秘の対策として避妊薬を服用することに抵抗があるという人は、日常的に水分を多めにとり、十分な食物繊維の摂取を心がけ、さらに軽い運動を取り入れることで消化管の運動機能を活性化することを心がけて。

病院で診察を受ける

生理の症状が重くてひどく不快という人や、便秘や下痢に周期が見られないという人は、一度病院に行ってみるのがよさそう。なぜなら、消化管運動が不規則な場合、生理が原因ではなく、過敏性腸症候群(ストレスが原因で下痢や便秘になる)などの他の病気が潜んでいる可能性もあるから。

何はともあれ、生理前は便秘になりがちで、生理がくるとお腹がゆるくなる…という症状が毎月繰り返されるのは、どうやら普通のようなので安心してOK。ときにはウンザリしてしまう生理による体の不調も、女性はみんな多かれ少なかれ同じ経験をしていると思えば、慰めになる…!?

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: シャー順子

COSMOPOLITAN US