英国王立協会のオープンアクセス誌<Royal Society Open Scienceが発表した研究結果は、脳内で作用している女性の性ホルモンが、女性のマルチタスク能力を裏付けている可能性があることを指摘。また、このホルモンは加齢に伴って減少するため、老後はマルチタスクすることが困難になるかもしれないのだとか

この研究を行ったスイス人の科学者たちは83人の参加者を室内ウォーキングマシーンの上で歩かせながら認知作業を行わせ彼らの左脳の状態を観察。すると、人間が歩行中、特に右腕を振ってバランスを取っていることを発見。ただし、男性と閉経後の女性はこの作業が苦手だったそう。対象的に、閉経前の女性たちはこの実験を問題なくこなしたそう。

研究者たちは、報告書に「女性60歳以下は歩行と認知作業を難なくこなした。若女性は妨害に左右されないという傾向があるように見受けられ、男女差が顕著にあった」と記載している。

また、60歳以上の女性の間で認知作業と運動テストの両立が困難であったことについては、前脳にあるエストロゲンが関係している可能性を研究者たちは指摘したそう。ただ、その内1人は、今回の研究結果とその他のマルチタスクの事例とを関連付ける上で、さらなる研究が必要だと述べている。

バルグリスト大学病院のティム・キリーンさんは、<テレグラフに対して、「私たちは、認知制御と腕を振るという2つの比較的簡単な作業を両立するという点で、男女差が一定して見られたことに驚きを感じました」「男性よりも女性の方が、あるタスクから別のタスクへの切り替えが得意であることが証明されました。女性の場合、歩きながら会話しているときに邪魔が入っても動じにくいことを示していますが、この能力は60歳以降に目に見えて衰退します」と、コメントしている。

とはいえ「果たして、これが運転中の会話、歩行中のテキストメッセージなど、他のマルチタスクにも当てはまるかどうかという点については、まだ未解明です」とのこと。

考えてみれば、仕事、家事、育児を同時にこなしている女性は未だに多く、遺伝子レベルで備わっているのかも?

この翻訳は、抄訳です。

Translation:Rubicon Solutions

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