ジャガイモはダイエッターが避けがちなイメージの食品だけど、サンドイッチの中のポテトサラダや、 ハンバーガーの付け合わせのフライドポテトなど、ジャガイモを使ったメニューは数多く、食事から取り除くには相当な意志力が必要なはず。

そこで、ジャガイモは本当にダイエッターの敵なのか、コスモポリタン アメリカ版が"ジャガイモ悪"説を徹底検証!

1.ジャガイモが血糖値を上げるのは事実だけど、要因は他にも

"ジャガイモ悪"説のベースとなる要因は、GI値(グリセミック指数)で調べられるらしい。GI値は、その食品が体内で糖に分解されて血液中に移行するスピードを表したもので、このGI値が高いと血糖値が急激に上昇するそう。ジャガイモはその1つなんだとか。血糖値が急上昇するとインスリンというホルモンが分泌され、血中の糖分が吸収されるとのこと。

「問題は、インスリンが多量に分泌されると糖が溜め込まれて脂肪になること。また血糖値が急に上がりインスリンによって急に下がると、すぐにお腹が空いてしまうこと」と語るのはカリフォルニア州ビバリーヒルズのラスキークリニックに減量センターを創設したアドリエンヌ・ユーディム医師。これが原因で、体重管理が難しくなるのだそう。

ジャガイモの消化は確かに早いようだけど、消化に影響する要因はその量や調理方法、食べ合わせ、食べた時間など、他にも色々。そう考えるとGI値はそれほど気にしなくていいものなのかも。

「ジャガイモを食べて血糖が上がるのは、エネルギーを供給するためです」と話すのは、ダイエット法<マクドゥーガルプログラム>の考案者で、『The Starch Solution(デンプン解決法/原題)』の著者でもあるジョン・マクドゥーガル医師。「人はエネルギーを得るために食べるのですから、それが悪いこととは言えません」。

2.ジャガイモより体に悪い物がある

色鮮やかな食品の方が栄養があると思いがちだけど、ジャガイモには食物繊維やタンパク質、炭水化物、ビタミンB6、ビタミンC、マグネシウムなど、豊富な栄養素が含まれているとのこと。

GI値の高い炭水化物=ヘルシーじゃないというわけではありません」とマクドゥーガル医師は解説。ある一面だけで評価するのは早とちりなのだそう。

ちなみに中サイズのジャガイモ1個と同量の炭水化物を含む食品は、トウモロコシ11/3カップ、白米4/5カップ、スパゲティ4/5カップ、全粒粉パン3枚、ベーグル3/4個など。

3.ジャガイモの評判を落としているのは「食べ方」

ジャガイモ+チーズpinterest
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油で揚げたり、チーズをはさんだり、ポテトチップスにしたり、バターとクリームをたっぷり入れてマッシュしたり、ケチャップを塗りたくったり。私たちはジャガイモに脂肪や糖分を大量に加えているよう…。

「フライドポテトに何もつけずに食べる人はいませんよね。それが問題なんです」とユーディム医師。そう聞くと、ジャガイモだけに罪を着せるのはかわいそうな気も。加工食品を避け、自然に近い食材を選ぼうとしているなら、ジャガイモに手を加えすぎるのもやめた方がよさそう。

4.本当の問題は食べる量

マクドゥーガル医師は、デンプンを多く含む野菜を食べて暮らしてきた人々が大勢いることを指摘。また、ジャガイモだけを制限なく食べて健康的に減量するという"ジャガイモダイエット"なるものもあるそう(ただし、いろいろな物を食べた方が栄養の偏りがなく、食べるのに飽きてしまって好物をドカ食いするハメにもならないとのこと)。

ポテトパイpinterest
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でもジャガイモを主な栄養源として食べてきた人々と、ハンバーガーやオムレツ、ステーキの付け合わせとして食べるている私たちとは違うはず。今は昔の人に比べて、食事量は増えたけど運動量は少ないという傾向にあるので、デンプンやエネルギーの必要量はかなり少なめのようで、「中サイズのジャガイモ半個くらいが適量」とユーディム医師は説明(ファストフードのフライドポテトがどうしても食べたいなら小サイズに)。

5.ジャガイモより優秀なデンプン質の食品

ジャガイモの栄養は白米と同程度、精白パンより少々上で、ビタミンAも含まれているとのこと。

他のデンプン質の多い野菜では、カボチャが栄養豊富で、含水量が高いのでジャガイモより一口当たりのカロリーが少ないのだとか。また、ニンジンや豆類は血糖値の上昇がゆるやかで、栄養素も多い食品。しかも油で揚げたり、クリームやバターを塗ったり、砂糖入りのパイにしたりすることが少ないのも大きな利点だそう(とはいえやはり体の反応は、多くの要因に左右されるけど)。

ユーディム医師によると、豆類に含まれるタンパク質は糖をエネルギーに変えて代謝を高める働きがあるとのこと。また全粒穀物や胚芽パン、全粒粉パンもジャガイモより優れている点が多く、彼女自身もよく食べるとか。選べるのならジャガイモより大麦、キヌア、ヒヨコマメ、レンズマメがおすすめとのこと。

まとめ

ジャガイモは悪だとか、逆に毎食食べるべきだとか、そんな風に言い切ることはできなさそう。週に何度か、焼いたり蒸したり茹でたりして食べる分には悪いことはないし、好物のポテトチップスやフライドポテトだって、適量ならOK。ただしフライドポテトは生のジャガイモとは全くの別物で、ヘルシー度が低下することを忘れずに。甘い調味料をかけたら、さらに×。デンプン質の物が食べたいときは、ジャガイモの他にもカボチャのように栄養豊富な食品があることを思い出して。全粒穀物や豆類(あるいはタンパク質と一緒にジャガイモを摂る)は、ジャガイモより安定したエネルギー源になるようです。

※この翻訳は、抄訳です。

TranslationYuko Oguma

COSMOPOLITAN US