肥満がときに深刻な健康被害をもたらすことはよく知られているけど、「太っているのは本人の不摂生のせいだ」、と思われがち。ところがこのたびある最新調査によって、肥満に関する数々の誤解が解き明かされることに。

コスモポリタン アメリカ版によると、その調査は肥満治療を支援するアメリカの協会<ASMBS>とシカゴ大学の研究機関<Associated Press-NORC Center for Public Affairs Research>が共同で行ったもの。1,509人を対象に、肥満の責任は個人にあるかと質問したところ、イエスと答えたのは58だったのだとか。というのも、肥満とされる被調査者の94%が、これまでに多くて20回以上、ダイエットやエクササイズによる減量を試みたにもかかわらず、あえなく失敗してきたそう。

つまりこれまでの減量法では、必ずしも大幅な体重減少は望めない、ということ。なぜなら肥満は、遺伝的、環境的、精神的、習慣的な要因の複雑な組み合わせによるものだから、というのが主な理由。

平均的な体重の人がエクササイズで数キロ減量するのは、そう難しくないはず。問題は、何十キロも落とさなければならない人々が自分で減量する場合。それでも、10人中6人は、肥満手術よりもダイエットやエクササイズの方が減量に有効的で、肥満手術を受けるよりは太ったままでいる方が安全だと信じているのだとか。

このように、肥満に苦しみながらも、医療機関にかかることを避ける人々が多いのが現実。でも、肥満はほかの隠れた病気に端を発している場合もあるし、薬の副作用であることも。先の調査結果によると、そもそも医師から手術の選択肢を提示されたことがあるのは、深刻な肥満に苦しむ人々のうちのわずか12%だったそう。

ジョージ・ワシントン大学助教授・医学博士で、肥満専門の医療機関<National Center for Weight and Wellness obesity clinic>のディレクターでもあるスコット・ケイハンさんが<ニューヨーク・タイムズ>に語ったところによると、「ほとんどの大学で肥満患者の治療方法を教えていないことがその原因」とのこと。でも、肥満はときに命を奪うものになる可能性も…。

アメリカ疾病予防管理センターは、2011年から2014年におけるアメリカの成人の37%近くが肥満であると推定。これは専門家からすると脅威的な数字なのだとか。同じく<ニューヨーク・タイムズ>に「医者や一般の人々が肥満に否定的な烙印を押し、怠惰や意志薄弱だと患者さんを責めている姿に苛立ちを覚えます」と話すのは、ルイジアナ州にあるペニントン・バイオメディカルセンター名誉教授で肥満を研究する医学博士、ドナ・ライアンさん。

人々が肥満を行動の問題だと捉える限り、ダイエットと減量の有効性を過大評価し、外科的処置(最も長期間にわたる減量が期待できる技術)を恐れる傾向があるよう。でも、それでは、肥満に対する偏見はなくならないだけでなく、アメリカ疾病予防管理センターが注意喚起する心臓疾患や2型糖尿病、脳卒中、ガンなどのリスクを高め、先行きの暗い健康状態に陥ることに。

結論としては、肥満患者を責めないことが一番。また、ダイエットやエクササイズがうまくいかないからといって、自分自身を責めないこと。そして肥満は病気の1つと捉えること。健康を脅かすほどの肥満に悩んでいるという人は、必要に応じて治療方法を専門家に仰ぐことも検討してみましょう。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN US