「痩せてキレイと言われたい!」と願ってる女性も多いはず。でもその思いが高まりすぎるとダイエットはどんどんエスカレートし…。

子どもを産んでもなお、そのスパイラルから抜け出せなかった女性が綴った体験談を、コスモポリタン アメリカ版よりお届け。

"食べたことへの罰として、運動していました。"

「『また走りに行くの? 今日2回目じゃない?』と新しいルームメイトに聞かれるたびに、『新鮮な空気が吸いたいから』『試験のイライラを吹き飛ばしてくる』などとごまかしていた学生時代。そのうち彼女も聞いてこなくなりましたが、私は1日5回もジムに通うような、フツーでない生活を送っていました。何かを食べたら(それがサラダだけだったとしても)すぐに"燃焼"させないと太っちゃう。そんな強迫観念に取り付かれていたんです。

私は食べたことへの罰として、運動していました。何かを食べただけで"食べ過ぎ"と感じ、ガンガン運動して消費しなければ、と思っていました。運動前に痩せ薬を飲み過ぎて、脈拍異状で救急室に運ばれたり、乱れた食生活を改善するようにセラピーを勧められたりもしました。

でもずっとそんな調子だったわけではありません。中学時代は太ってることをからかわれて、食べることで自分の気持ちを慰めていました。アルコール依存症と同じですね。糖分で心の傷を癒やしていたんです。家がパン屋だったので、食料には事欠きませんでした。社会に拒絶されるとその痛みを和らげるために食べ、つい食べ過ぎて薬を飲むという悪循環。クッキーを一気に3箱平らげたこともありました。

思春期になると、"食べること"が"運動"に変わりました。減量して注目されるのが好きだったんです。痩せてガリガリになって、彼氏もできて、メイクもし始めて。イメージしていたことが実現して、最高の気分でした。もう自分は透明人間じゃないんだって。オシャレな服を着て、自分の"進歩"を見せびらかすのが楽しかった。走ることで、いじめっ子から遠ざかっていくように感じていました。

もがいてきた日々は終わったかのように見えました。人生で初めて、自分が理解され受け入れられていると感じました。

その後、愛する人に出会い、状況が変わりました。彼と一緒にいたいという思いが強まると、周囲から注目されたい、認められたいという思いは消えていきました。彼はいつも『君のすべてを愛してるよ』と言ってくれました。

数年後に結婚し、もがいてきた日々は終わったかのように見えました。人生で初めて、自分が理解され受け入れられていると感じました。無条件に愛されているという思いが私の不安を取り除き、自信を与えてくれたのです。

ところが最初の子どもが生まれて、状況はまた激変します。命の危険さえある妊娠高血圧腎症とヘルプ症候群になってしまったせいで、分娩後に体重計に乗って愕然…45キロも重い、過去最高の体重を記録していたんです。過去が蘇ってきました。そんな体が健康にいいはずもありません。減量しなければという切羽詰まった思いが、私を以前の生活に引き戻しました。過度の食事制限と運動が体に良くないのは明らかでしたが、キレイで幸せそうと言われていた頃の自分にどうしても戻りたかった。

食事と運動を管理するアプリによると、1日に摂取したカロリーは500キロカロリー以下(炭水化物は20グラム以下)。ランニングマシーンで時間を計りながら何キロも走り、息子をジムの託児所に預けて3連続でフィットネスクラスに出たことも。減量キャンプに参加したり、夕食分を消費しようと走り続けたり。

出張の多い夫は、私がそこまでひどい状態だとは気づいていませんでした。事態をさらに悪化させたのは、友だちの多くが私と同じ状況だったことです。友だちよりも減量したい、ジムで一番の成果を出したいという競争心が、ダイエットに拍車をかけました。

そんなときに2人目を授かったんです。陽性の妊娠判定を見て思いました。早産で大変だった1人目のときのようには絶対になりたくないって。そこから生活が一変。ダイエット用のアプリはすべて削除して、翌週には妊婦対象の栄養士とトレーナーに会いに行きました。そして予定通り、何の問題もなく出産を終えることができました。

4年後の今、私は平和な毎日を送っています。理想体重ではないけれど、健康でバランスが取れた状態だと思っています。FitBitという活動量計を買って、友だちや家族と一緒に毎日の運動を管理していますが、ちょっと続けすぎたかなというときは、自分の体と心に聞いてみます。色々と学んでいる最中ですね。

母親として、子どもたちのお手本になるような強く自信のある人間でいなければと思っています。悪循環は、もうきっぱり終わらせました」

※この翻訳は、抄訳です。

TranslationYuko Oguma

COSMOPOLITAN US