これから年末年始にかけて気になるのが、つらい二日酔い。何とか回避できる方法はないものか…。しかしながら、アルコールが人体に及ぼす影響を回避するための具体的な方法は、どれも科学的に証明されていない。そのため、どの専門家も口を揃えて「二日酔いを防ぐにはお酒を飲まないのが一番!」と言うだろう。でもそんな彼らもお酒を楽しみたい時だってある。では飲み過ぎた翌日に訪れる、吐き気、頭痛、めまい、惨めさといった二日酔いの症状を予防&解消するのにどんな対策をとっているのか? おすすめのテクニックを専門家たちに聞いてみた。飲む前、飲んでいる時、寝る前、そして翌朝と、4つのステップで二日酔いにさようなら!

お酒を飲む前にすべき3つの対策

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1.マルチビタミンは事前に摂取

「お酒を飲むことで起こる脱水が二日酔いの大きな原因だと誤解している人が多いけれど、主な原因は炎症や酸化ストレスなのです。そして翌日の二日酔いを解消するよりも、事前に二日酔いを予防するがずっと簡単です」と語るのは、2万人以上の二日酔い患者を診てきた麻酔専門医で、ラスベガスを拠点に二日酔い患者に静脈注射や点滴を提供するモバイルクリニック、ハングオーバー・ヘブンの創業者、ジェイソン・バーク医師。抗酸化物質には、二日酔いによるダメージを軽減させてくれる働きがあるので、飲みに行く前にマルチビタミンを多めに摂るか、アサイーやザクロジュースを飲むことを勧めている。

2.サラダよりもハンバーガーをオーダー

食べ過ぎたせいでお腹が張って苦しいなんて状態でバーに現れたくないもの。でも二日酔いの重症度は、どれほどお酒を飲んだのではなく、どれほどアルコールを代謝できたかによるのだそう。肝臓の代謝を高めるには、「バランスの良い食事を摂ることが大切です」と説明するのは、アメリカ・ロヨラ大学でアルコールリサーチプログラムのディレクターを務める、エリザベス・コヴァックス博士。お酒を飲む前に炭水化物、タンパク質、脂質を含む食事を摂ることをアドバイス。とくにアミノ酸やビタミンBを豊富に含む赤身肉は、肝臓の解毒作用を促し、有害な物質を解毒&分解するので効果的だという。

3.前日はしっかり寝る

「当たり前のように聞こえるかもしれないけれど、きちんと睡眠を取っている人は意外と少ないのです」とコヴァックス博士。寝ることで二日酔いが予防できるわけではないけれど、たっぷり睡眠を取ることで、体の免疫力がアップし、飲み会に備えた体づくりができるのだとか。

お酒を飲んでいる間に気を付けること

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1.シャンパンはあえてスキップ

ある研究報告によると、シャンパンやスパークリングワインに含まれる炭酸ガスはアルコールの吸収を早めてしまうため、酔いが回りやすくなるという。バーク医師は、「それにより、二日酔いの症状が強くなる可能性があります」と指摘。

2.お酒のチェイサーにスポーツ飲料

「お酒の間に水を飲むことで脱水症状や脱水による頭痛を回避することができる」とよく言われるけれど、実は水よりもココナッツウォーターやスポーツ飲料の方が効果抜群。コヴァックス博士曰く、「それらの飲み物は、お酒を飲むことで失われる水分や電解質を補うことができます」とのこと。2杯以上のお酒を飲むときは、スポーツ飲料も用意して交互に飲む、もしくはお酒を飲んだ後に飲むようにすれば完璧。

3.喫煙は控える

学術誌『Journal of Studies on Alcohol and Drugs』に掲載された研究論文では、113人の大学生を対象に、彼らのアルコールの摂取量、喫煙本数、そして二日酔いの症状を8週間にわたり観察。その結果、お酒をたくさん飲み、喫煙本数が多い学生ほど、二日酔いの症状が強かったのだそう。

4.無色透明なお酒を飲む

「琥珀色のウィスキーやラムよりも、不純物の少ない無色透明なウォッカやジンを選ぶようにしましょう」とコヴァックス博士。

5.ソーダ割よりもジュース割をチョイス

「オレンジジュースを飲んでも二日酔いを防ぐことはできません。14本目のビールの代わりに飲む場合は別として」と語るコヴァックス博士。「でもフルーツジュースや野菜ジュースにはビタミンが含まれているので、ソーダよりは体にいいでしょう」と説明。

6.手は念入りに洗う

アルコールは免疫力を低下させると言われている。なので、お酒を飲んでいる最中にウィルスに感染すると、風邪の症状が重くなったり、回復も遅くなる可能性があるとコヴァックス博士はいう。二日酔いの上、高熱や筋肉痛、悪寒がするようになったら最悪…。

7.質の高いお酒を飲む

「僕は最高級のジンやウォッカしか飲まないようにしている」と語るのはバーク医師。値段が高そうだし、眉をひそめたくなるような発言だけど、高級なお酒ほど純度が高く、不純物や体に有害な物質が念入りに取り除かれている場合が多く、二日酔いにもなりにくいのだとか。それに高いお酒ほど、もったいないという気持ちから、ゆっくり味わうようになり、一晩に飲む量も少くなる傾向に。

8.思いっきり踊る

グラスを片手に踊るのは至難の技。つまり飲んでいる合間に、ダンスやビリアード、卓球などのアクティビティを取り入れれば、グラスが空いたらすぐに注ぐという悪循環を断ち切ることができるということ! ダンスフロアに行くときはコップ一杯の水を近くに置いておきましょう。汗をかくときはこまめに水分を補給することが大切。

飲んだ後、寝る前にはこれをすべし!

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1.アイマスクを活用する

睡眠不足が二日酔いを引き起こすことはあまりなさそうだけど、さらに悪化させる恐れはあるという。またアルコールは睡眠の第二段階を阻害すると言われているので、せめてアイマスクで光による刺激を遮断し、少しでも睡眠の取りやすい環境に整えておくこと。

2.頭痛薬を飲む

「本当に飲みすぎてしまった時は、寝る前にアドビルの頭痛薬とマルチビタミンを飲むようにしています」と話すハーク医師。鎮痛剤(イブプロフェンやナプロキセンを含むもの)はアルコールが原因となって引き起こされる炎症を抑えるのに効果的なのだそう。ただし、アセトアミノフェンを含む鎮痛剤は、アルコールと併用して飲むと肝臓や腎臓に害を与えてしまうので注意を。

3.水の飲み過ぎに注意

体にいい水分が不足し、体に悪いアルコールを摂りすぎると二日酔いになりやすいのは事実。でも「大量の水を飲みすぎると体に余計な負担をかけてしまいます」とコヴァックス博士。それに水分を摂りすぎると、夜中にトイレに行きたくなってしまい、睡眠不足になりがち。なので、たくさんお酒を飲んだ夜は、寝る前にグラス1杯(喉が乾いていたら2杯)の水を飲み、翌朝乾いた喉を潤すための水をもう1杯用意しておきましょう。

翌朝のケアは?

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・迎え酒はNG

「二日酔いには迎え酒」と言われるけれど、実は全く効果がないどころか、むしろ逆効果。専門家によると、「迎え酒をしても二日酔いを少し遅らせるだけ」とのこと。しかもかえって症状を悪化させるそう。

・卵を食べる

卵は、アルコールの代謝で生成される毒素(頭痛の原因)を分解してくてるLシステインを豊富に含んでいる。脂っぽいベーコンやがっつり系の朝食を避け、プレーンのポーチドエッグやオムレツで胃への負担を減らすように。

・スプライトや炭酸水を飲む

中国広東省の中山大学の研究者たちが57種類の飲み物が体に及ぼす影響を分析。すると中国版スプライトと炭酸水がアルコール代謝を促進し、肝臓で生成される毒素にさらされる時間が短くなることが分かったという。

・ハーブティーは避ける

同じく中山大学の研究で、ハーブティーがアルコールの代謝を遅らせてしまうことが判明。つまり二日酔いがさらに長引いてしまうということ。

この翻訳は、抄訳です。

TranslationReiko Kuwabara

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