だれしもストレスで不安を感じたり、軽くイラっとしたりすることはあるし、仕事の悩みから人間関係まで、原因はどこにでもあるもの。でも場合によっては、ちょっと機嫌が悪いだけではすまなくなって、大きな問題に発展することも。そこで<marie clair>が、危険な兆候とその対処法を専門家に聞きました。

「ストレスは私たちの生活の中の一部で、健康にプラスになる側面もあります。ストレスがあるからこそ、人はものごとを成しとげられるんですから」と話すのは、オンラインの医療サイトとアプリ<LiveHealth Online(ライブヘルス・オンライン)>で患者さんたちのバーチャル診療を行っている、心理学者のリンゼイ・ヘンダーソン博士。

「でもストレスがかかりすぎて日常生活がうまく送れなくなるようなら、誰かに助けを求めるか、なにか対策しないといけません」

ヘンダーソン博士のあげる、ストレス過剰・過労のサインは次の6つ。

1.集中力がなくなる

ストレスで消耗していると、集中力が落ちるとヘンダーソン博士は指摘しています。仕事の場ではこれが生産性を低下させる大きな原因に。<LiveHealth Online>がアメリカの成人1500人を対象に調査したところ、50%の人がストレスの主な原因は仕事、と言っているそう。つまり仕事でストレスを感じ、そのことでさらに成果を出せなくなる、という悪循環に陥る可能性が。この場合は外に助けを求めるか、ストレスを解消するゆとりを見つける必要があるそうです。

2.仲間や家族のイベントをパスする

同じ調査では、40%の人がストレスのために職場や友人、家族とのイベントに参加しなかったことがあるそう。「人との関わりは必要だし重要なことなんですが…」と博士。こういった交流は、自己評価や、仕事と生活のバランスを保つために大切なことなのだそうです。

3.よく眠れない

3分の2の回答者が、ストレスで体調に影響が出たと回答。その中でも多く挙がったのが、「ぐっすり眠れなくなる」という回答だったのだとか。これはストレスに加えて、生活の中でPCやスマホなどのスクリーンに常にさらされることからもきているよう。

4.食生活が乱れる

食べ過ぎたり食欲がなくなったり、食べ方のパターンが変わってくるのも、ストレスの大きな兆候のよう。ヘンダーソン博士によると、ストレスによって食べすぎたり、逆に食欲がなくなったりしてしまうという人は、男性よりも女性に多いとのこと。

5.キレやすくなる

友達や家族、ルームメイトにイライラして我慢ができなくなってしまうのもストレスや不安の特徴。このために周囲の人たちとさらに距離ができてしまうこともある、と博士は指摘しています。また、男性は女性よりも怒りやイライラの解消にてこずる人が多く、それが血圧の問題として表れてしまうこともあるそう。

6.体にストレスを溜めてしまう

体や動作の目に見えるところに、ストレスの影響が出ることも。例えば体のどこかが緊張している、あごを食いしばっているなど。胃の調子が悪くなる人も多いそう(これも精神的に不安定な人が、ちゃんと食べられない原因のひとつ)。

ストレス過剰
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セラピストとして、ヘンダーソン博士は患者さんと一対一で、ストレスの原因と、行動を変える方法を探っているそう。彼女が実施する"テレセラピー"のいいところは、その柔軟性。というのも、患者さんは昼休みを利用して、車の中や職場、家などでアプリを通じてバーチャルセッションを受けられるから。でも、中にはストレスフリーの生活を送ることが難しい人もいるのだとか。

「元々プレッシャーのかかる仕事をしていたり、子供が小さかったり、お金がなかったりすると、ストレス自体を全部なくすのは不可能。なので健康的に、それに対処できる方法を学ぶことが大切です」

ということで、博士が勧めるストレス解消&リラックスの方法は次の通り。

【体を動かす】

もちろんエクササイズはいつも大切。でも博士によると、ヨガのクラスに通ったりすることだけが運動ではないとのこと。スーパーの駐車場でちょっと遠いところに車を止めて歩く、ほんの数秒でいいから深い呼吸をしてストレッチをする、または近所を1ブロック走るだけでも、頭を休ませ、リセットするチャンスになるそう。

【規則正しい生活につとめる】

ストレスでいっぱいいっぱいなときは、しっかりした生活のリズムも失いがち。博士は患者さんに、ちゃんと食べているか、十分眠っているかなどを確認するそう。そしてスケジュールが今以上混乱しないように、ある程度規則正しい生活を送ることを勧めるのだとか。

【社会とつながる】

たしかに仕事のストレスでつぶれそうなときに、ハッピーアワーで誰かと世間話をするなんて、気がすすまないもの。「疲れきっているときにはつい引きこもりがちになります。でも社会的なつながりは健康的で大切なことですからね」と博士。注意すべきは、オンラインのやりとりだけでは不十分、ということ。さらに、元々関係のよくない人と関わるのも避けたほうが良いよう。

【気を紛らわせる方法を見つける】

あなたの脳を休ませるのに最適な方法は? 博士いわく、テレビを見たり、ゴシップ雑誌を読むのもありだし、何か別のことに集中するのも良いそう。

【瞑想して思考を変える】

最後に、とても大切なのは「今」に集中して、脳にスローダウンすることを教えること。それで自分の思考により気づくことができるのだそう。瞑想をして自分の考えに注意をはらえば、よくない考えにも気づきやすくなる、とヘンダーソン博士。電車の中で簡単なガイドつき瞑想をするだけでもOKとのこと。「自分の考え方のパターンに気づくのが、それを変えていくための第一歩ですよ」。

いつも忙しく過ごしている私たち。でも、ストレスでつぶれる前に早めに気づいて、自分をいたわれるようにしていきたいですね!

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:Noriko Sasaki(Office Miyazaki Inc.

marie clair US