あなたは寝る時にパジャマを着る派? 着ない派? そもそも裸で寝るのは健康にいいの? 実はこれ、医学的観点からも長らく論争が続いているトピックのよう。

裸で寝ると体温が一定に保たれるという研究データが存在するため、「生殖能力が高まるほか、ダイエットや見た目の若さにもいい影響があり、睡眠の質も高まる」と言われているそうだけど、一体どこまでが本当なのでしょう? 3人の専門家にその真偽を尋ねた結果を、<Good Housekeeping>からご紹介します。

生殖能力は本当にアップするの?

英国王立産婦人科医協会のトーリ・オノン博士によれば、女性の場合、下着を履かずに寝ることが、一部の婦人科系の病気に対して効き目があると考えられるとのこと。「寝るときに下着を履かないか、通気性の良い下着を履くことで、膣炎(膣の炎症)の症状が改善する可能性があります。また腟カンジダ症(イースト菌感染症)の原因菌であるカンジタ菌は、温かく湿気がある環境を好むので、締め付けが強い下着を身に着けないようにすることが感染予防になることもあるんです」。

また男性に関しても、アメリカ国立成育医療研究センタースタンフォード大学が最近行った共同研究によると、下着を履くことで睾丸が温まりすぎて精力の低下を招くことがある、というリサーチ結果が出ているよう。

ところが。今回改めてユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの「家族計画およびリプロダクティブ・ヘルス」の名誉教授であるジョン・ギルボード氏に尋ねたところ、「裸で寝ると生殖能力が改善する」説について(特に男性に関しては)否定的なのだとか。「確かに陰嚢の温度は体温よりも低いことが望ましいので、下着を履かないことで精子の数や性質は改善されるかもしれませんが、その効果は微々たるもの。影響を受けるとすれば、不妊症の検査結果がボーダーラインにある男性くらいのはず。結局のところ、寝るときに下着を履くか履かないかは、あくまでも個人の好みの問題です」とのこと。

快眠につながるの?

過去の研究では、寝ている間に体温が上昇しすぎるとコルチゾール(いわゆる"ストレス・ホルモン")が分泌されて睡眠の質が下がるものの、裸で寝ればこの問題は解決されるという調査結果もあるそう。

しかし、睡眠の専門家ニール・スタンリー博士はこの考え方に対して懐疑的なのだとか。「裸で寝ると睡眠の質が良くなるという科学的根拠は一切ありません。快眠を得るためには、寝ている間に体感温度が1度くらい下がるのが望ましいのは確かです。だからと言って裸で寝るべきという短絡的な結論には至らないのです。厚い羽毛布団をかけて裸で寝るよりは、むしろ布団をかけずに綿のパジャマで寝た方がいいでしょう。ここで大切なのが温度差です。ベッドの中は常温(29度~30度程度)で、寝室はそれより少し涼しいことが理想ですね」。

おまけ:セックスが充実?

というわけで、裸で寝ることのメリットに関しては専門家の間でまだ議論が続きそうだけど、裸で寝るのが好きな人にはここでちょっとした朗報(?)が。セックス専門ブログサイト<Girl On The Net>には、普段から裸で寝るとパートナーとの性生活がもっと充実するはず、という意見が。肌が直接触れ合う機会が増えることで触覚が刺激され、自然とセックスにいざなわれるからなのだとか♡ いい香りがする保湿剤やベビー・パウダーを使えば、触角だけでなく嗅覚も刺激されてさらなる効果アップも期待できそう!

寝苦しい夜が増えるこれからの季節。ときどき、裸のままシーツにくるまって寝てみるのもいいかもしれませんね。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Takako Fukasawa(Office Miyazaki Inc.)

Good Housekeeping