Instagramに鍛え上げられたボディやフィットネス関係の画像が溢れている昨今。痩せた、6パックを作った、胸を大きくしたなど、"ビフォー&アフター"を並べてアップしている画像を見かけることも多いはず。

この手の画像は体の変化や効果が一目で分かるので「痩せたい!」「身体を整えたい!」と思っている人たちにとっては参考になるし、モチベーションを上げてくれるもの。でも自分に自信が持てなかったり、摂食障害に悩む人にとっては、時に不安感をあおってしまうことも…。

コスモポリタン イギリス版によると、こうした状況に一石を投じるため、撮影するときの角度や姿勢を変えるだけで"ニセのビフォー&アフター写真"が撮影できてしまう事実をインスタグラマーやフィットネスブロガーたちが解説し、過熱する「ボディイメージ投稿」の危険性に対して警笛を鳴らす動きが広まっているよう。

その中の1人が、イギリスに暮らすミリー・スミスさん(23歳)。新米ママ兼看護学生である彼女が先日、体型矯正タイツを履いた2枚の写真を並べた画像をInstagramにアップしたところ、8万件近くもの「いいね!」をゲットすることに。

まるでダイエットのビフォー&アフター写真のようだけど、2枚の写真は同じ日に撮影されたもの。違いはタイツをウェストラインまでカバーして履いているか、ローライズにしてお腹のポッコリを露出しているかだけなんだそう。

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同じ日の同じ時間、同じ私の写真。ビフォー&アフター写真じゃないの。「こんなに痩せました!」っていう写真でもないわ。ダイエット用品のPR写真でもない。ポーズを変えただけなのに、片方が"魅力的"で片方はそうでないなんてバカげてる!

「私はどちらの写真の体も好き」と綴るミリーさんは、続けて「どちらが良くてどちらが悪いなんてことはないの。私たちは、"本当の美しさが何なのか"ということを見落としてしまいがち。2枚の写真は5秒違いで撮影されていて、ただ姿勢を変えただけ。(こんなことに一喜一憂するなんて)バカバカしいでしょ!?」とコメント。

実はミリーさん自身、体型に悩んでいたことも。彼女は以前Instagramに、ウツや不安症、自傷行為、拒食症、過食症、自己評価の低さ、性的虐待を受けた過去、子宮内膜症、そして慢性疾患を抱えていることを綴り、「心の底から疲れてしまった」と告白。

しかしそんな彼女は、Instagramによって癒される方法を見つけたのだとか。「こうした写真を撮影することで、身体醜形障害やネガティブな考えとうまく付き合うことができるようになったの」。

ミリーさんはこの他にも、画像修正アプリを使ったいくつかのビフォー&アフター画像を投稿することで、"理想のパーフェクトボディ"はあっという間にフェイクで作れるものであり、実態がないことを証明。

右の写真は画像編集済み。無料の画像編集アプリを使い、たった1分の作業でウェストを細くして、お腹に筋肉を作り、腕を引き締め、お尻を大きくできたわ!

右の写真はシンプルな画像修正アプリを使い、15秒で下半身の肌をすべすべに! 明るさを変えただけでこんなに変化するけど、でもセルライトのないすべすべ肌がセクシーで、デコボコ肌だとそうじゃないなんて、間違ってる! どちらも私自身。以前は左みたいな、セルライトがはっきり見える大きなお尻が写った写真は削除してた。でもそんな自分を恥じるべきじゃないと今は分かったの。

さらに彼女は、お腹を引っ込めたり姿勢を変えるだけで、"奇跡のダイエット写真"が簡単に作れることも証明。

同じ日の同じ時間、同じ私の写真。姿勢が違うだけでこんなに違って見えるの!

同じ日の同じ体。腕を上げただけでお腹が引っ込み、胸が大きく見えるもの。以前はだらしない姿勢の自分が嫌いで、いつもポーズをした状態の自分の写真を見ていたわ。でも今はどちらの自分も美しいと思えるし、どちらかと言えば右の方が好きかも。自然体の私だし、お腹を引っ込めて胸を突き出す必要なんてないもの。

ミリーさんは、姿勢や撮影角度が変わるだけで見え方は変わるものだし、実体のない"完璧"を追い求めることで人生を無駄にしないでほしい、と訴えているそう。「どの体も、みんな美しい」。もし体型に悩む人がいたら、この言葉を思い出して。

セルフィーをアップするのに理由なんていらない。投稿するだけで気分がアガるものや、ただあなたが載せたいものを載せればいいのよ。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK