ゴージャスなセレブが華やかな装いで参加する数々のレッドカーペットイベント。そこで疑問に思うのが、レッドカーペットの舞台裏の様子。

コスモポリタン アメリカ版がアレッサンドラ・アンブロシオやオリヴィア・カルポなどのセレブのスタイリングを手掛けるジェニファー・マズール、(時には冷や汗モノの)エピソードを聞いてみました!

1.レッドカーペットに登場するドレスや小物はほぼ99%がレンタル

「まず、自分で協賛ブランドとしてふさわしいブランドをリストアップします。そして、各ブランドにセレブが出席予定のイベントとどんなアイテムが必要かを伝え、レンタルが可能か問い合わせます。もちろん、答えは様々ですが、断られる理由として『すでに別のセレブが着用した』とか、『このアイテムはの撮影で使用中』とか、『破れている/破損している』などがあります」

2.各ブランドにはお気に入りのセレブがすでにいる

「たとえばとあるイタリアンブランドの場合、彼らが承認済みのセレブリストがあり、その内容が社内のPRチームに告知されます。もし私がそのリストにあるセレブのスタイリングをする場合、彼らに連絡すると貸し出しOKという答えが返ってきます。次に、彼らのランウェイコレクションの中から私が希望のアイテムをリクエストします。ところが、そのリストにないセレブを担当する場合、問い合わせても彼女がブランドにふさわしくないという理由で断られます。リストに載っていなくてもブランドが興味を持つ場合もあり、問い合わせると「社内で検討してから決め、結果を連絡する」と言われます。つまり、このプロセスにはいろいろなしがらみが絡んでいるのです。あるとき、超有名モデルがガラパーティーに参加するというので、あるデザイナーのPRに問い合わせたところ、(いつも彼女に貸し出ししてくれるにもかかわらず)「今回は見合わせます」と言われました。その理由は今でもわかりません。そのイベントのマスコミ露出が少ないことが理由なのかもしれません」

3通常、スタイリストはイベント前の34日でスタイリングを完成させる

「それが2日前のときもあれば、前日のときもあります。当日、『今夜イベントがあるから、スタイリングしてほしい』とリクエストが来ることも。そんなときはてんやわんやで、限られた時間内でスタイリングを完成させなければいけません」

4ドレスはすでに仕立て済みとはいえ、最後の手段として両面テープを使うことも

「PR担当者は、ドレスが着用される場合、お直しが必要となることを承知しています。すべてのスタイリストは信頼の置ける仕立て職人を抱えています。私の仕立て職人はとびきり優秀で、どの部分をお直ししたらよいのかを伝えると完成品のようにバッチリと決めてくれますが、直した部分が表から見えないように布地を折ったりひだを入れたりするのです。裾上げテープは、セレブ本人にとって着づらくなるので使いません。お直し後、セレブに『これは自分のためだけに仕立てられたドレスだ』と感じてもらえれば成功です」

5とはいえ、本番中にアクシデントが発生することもある

「過去にドレスが裂けてしまったことがあります。1度、グラミー賞のためにドレスを修繕したこともありました。びっくりしたし、がっかりした経験です。そんなときに使用する、粘着テープ、ニップレス、シリコン製の粘着ブラ、靴の中敷き、針と糸、ホコリ取り用のローラー、安全ピンなどいつでも必要なものがすべて揃っているお直しキットは必需品です。本番中にボタンが取れたりするなど、何がこるかかりませんから」

6スタイリストはセレブのヘア&メイクアーティストと一丸となってトータルルックを完成する

「これは全員が参加して決めます。スタイリングとは、ビジョンに基づいたトータルコーディネ

トを演出すること。どんなドレスを着るかということだけではなく、ドレスをどのように着こなすか、小物をどう組み合わせるか、ヘアメイクはどうするかなどすべての要素が絡んできます。それぞれが別の国で仕事をしていて私が本番の現場にいられない場合、意見のしようがないため、トータルルックが成功することを祈るしかありません」

7.ジュエリーの貸し出しには警備員も雇う

「時に、借りたドレスとジュエリーの総額が200万ドル(約2億円)近くになることがあります。ジュエリーが含まれると、100万ドルを超えることはざらにあります。その場合、ジュエリーブランドは警備員を同伴させます。ギリシャのミコノス島で行われた結婚式で仕事を頼まれたとき、とある超高級ジュエリーブランドはオーナーとPR責任者と2人の警備員を派遣してきました。1人はホテルで、もう1人は会場でジュエリーを警備していました」。

8カップル同士でチグハグにならないよう、スタイリストは事前にパートナーのスタイリングを知らされる

「旬のポップスターかレッドカーペットの主役でもない限り、男性セレブのファッションはシンプルです。少なくとも私が担当する場合、彼らは高級なタキシードかスーツを着ることが多いです。奇抜な色が着られることはありません。ミスマッチしてしまう場合は、彼らに衣装を変えてもらいます!」

9シリコン製の粘着ブラはセレブの強い味方

「ブラが着けられない場合、ドレスの内側にブラパッドを縫い付けることがあります。でも、クライアントのブラサイズにかかわらず、粘着ブラを使うことはよくあります。胸をカバーしつつ、絶妙に持ち上げるベストの方法を土壇場で考え出す必要があるんです」

10スカートのスリットがどれほど深くても、セレブがノーパンになることはまずない

「スリット入りのスカートをセレブに着用してもらうことは多くありますが、その場合、サイドのない粘着パンティを着用してもらいます。それは肌色で、フロントと若干のバック部分を隠してくれます。セレブを見ればノーパンだと思われるでしょうが、実際は違います。ちなみに、彼らがトイレに行く場合にはアシスタントが同伴します」

この翻訳は、抄訳です。

Translation:Rubicon solutions

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