動物や環境保護の観点から、リアルファー(毛皮)を使用したファッションについて議論になることが多い昨今。そんな中、<Net-a-Porter>などを有する、ファッション通販大手「ユークス・ネッタポルテグループ(Yoox Net-a-Porter Group、以下YNAPが新たに打ち出したある方針が話題となっているよう。

その方針とは「ファーフリー(=脱リアルファー)」。コスモポリタン アメリカ版によると、同社は先日、動物の毛皮を使用した商品を<Net-a-Porter>、<Mr Porter>、<Yoox>、<The Outnet>を含む通販サイトで販売しないとの方針を発表。これはYNAP2016年に発表した『サステナビリティ(持続可能性)報告書』に呼応したもので、環境問題を考慮に入れた企業戦略を打ち出しているとのこと。

今回発表された「脱リアルファー方針」は全米人道協会、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(アメリカ)、Lega Anti Vivisezione(イタリアの動物実験反対連盟)との関係から生まれたもの。これによりYNAPはリアルファーの使用に反対する国際連盟「ファーフリー・アライアンス」の「脱リアルファー・プログラム」にも参加し、今後動物と環境権を保護する活動を推進する意向なのだそう。

YNAPのサステナビリティ部長を務めるマッテオ・ジェームズ・マロニ氏はこの方針について、「我が社は社会貢献することの責任と重要性を強く認識しています。幅広い分野でのイニシアチブ、(各団体との)協力関係、そして革新をモットーに、業界全体の変化を先導することを目的としています」という声明を発表。

この方針発表は、ファッション業界が環境に考慮していることを一般消費者に印象づけ、業界における「倫理的で持続可能な素材調達と生産への意識」をより一層強める結果に。かつては"贅沢の象徴"として憧れの的だったリアルファー。しかし毛皮採取への反対意識の高まりと共に、その人気は下降気味。アルマーニやステラ・マッカートニーなど、リアルファー不使用を謳ったメジャーブランドも増えているよう。

持続可能なファッションを提唱することにより、YNAPは「動物および環境保護を打ち出す場としてのeコマースサイト」の先駆者として、役割を果たそうとしている様子。今後同業他社が同様の方針を採用することが予想されるとのこと。

ASOSTopshopなどのハイストリートファッション系を含む「脱リアルファー」を宣言しているブランド、小売業者、デザイナーのリストは<全米人道協会>のサイトからチェックできます。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US