1月のメンズコレクション、続くオートクチュールコレクションを経て、いよいよプレタポルテのファッションウィークシーズンが到来! 気になる注目トピックをご紹介。
ランウェイモデルの多様性
ランウェイを闊歩するモデルに関しては、これまでもサイズゼロなど、さまざまな問題が浮き彫りにされてきたファッション業界。けれど、「多様性」という点においては、ニューヨークが一歩リードしている模様。昨シーズンのランウェイでは、キャスティングの多様性が過去最高値をマーク。『ザ・ファッションポスト』によると、ニューヨークで開催された94のショーのうち36%が有色人種のモデルをフィーチャー。さらにNYコレクション史上初めて、すべてのショーにおいて2人以上の有色人種モデルが起用されたという。人種だけでなく、年齢や体型、トランスジェンダーといった、多様性に対するデザイナーたちの意識が著しく変化したシーズンだった。今シーズンも引き続き、ファッション業界の進化する変革に期待大。
アレキサンダー ワン、公式スケジュールでのラストショー
アレキサンダー ワン(Alexander Wang)が、今季のショーを最後に、ニューヨーク・ファッション・ウィークの公式スケジュールから離れることを発表。今後は、2月と9月ではなく、6月と12月に発表していくという。ファッションウィーク期間中に、最大規模のアフターパーティーである通称「#ワンフェス(#WangFest)」を催すことでも有名なアレキサンダー ワン。最後の公式ショーにふさわしく、今回のショーは2月10日19:00~20:00(日本時間2月11日9:00~10:00)にタイムズ・スクエアで行われるとか。ショーやパーティに集結するおしゃれセレブたちからも目が離せない!
新作映画『ブラック・パンサー』の世界観を7人のデザイナーたちが表現
マーベル・スタジオが贈る最新映画『ブラック・パンサー』(2月16日全米公開)の公開に先駆けて、クロマット(CHROMAT)、クシュニー・エ・オクス(Cushnie et Ochs)、フィア オブ ゴッド(Fear of God)、アイケル ジョーンズ(Ikiré Jones)、ラクアン・スミス(Laquan Smith)、ソフィー・テアレ(SOPHIE THEALLET)、トム(Tome)の7ブランドがそれぞれ、映画のテーマやキャラクターに着想を得たワン&オンリーのルックをデザイン。2月12日(現地時間)に開催される体験型イベント「ウェルカム・トゥ・ワカンダ」にてヴェールを脱ぐというので、映画と合わせてダブルで話題になりそう。
マルケッサがショーをキャンセル
当初、2月14日(現地時間)にショーを予定していたマルケッサ(MARCHESA)が、ショーをキャンセル。代わりに、デジタルプラットフォームで最新コレクションを発表することに。マルケッサの共同経営者であるジョージナ・チャップマンは、ハリウッドでのセクハラ騒動の引き金となったハーヴェイ・ワインスタインの元妻。
今回の騒動で精神的にダメージを受けたと報道されるジョージナは悩んだ結果、ランウェイショーを自粛するという結論を出した模様。これまで数々のハリウッド女優がレッドカーペットでまとってきたけれど、それはもしかしたらハーヴェイの圧力があったからとの噂も。ブランド存続に向けて、真の意味でクリエイションが問われそう。
デザイナーたちの政治的なメッセージはつづく?
2月3日(現地時間)、「トゥギャザー・ウィー・ライズ× NYFW(Together We Rise × NYFW)」と題したニューヨーク・ファッション・ウィーク前夜祭に集結したデザイナーたち。女性のリーダーシップや来たる中間選挙への関心を促す目的で、「ウィメンズ・マーチ」と医療サービスNGO「プランド・ペアレントフッド」からゲストスピーカーが招かれたそう。ファッション界からは、ガブリエラ・ハースト(GABRIELA HEARST)やウラ ジョンソン(ULLA JOHNSON)、ブランドン マックスウェル(BRANDON MAXWELL)らが、ウィメンズ・マーチとプランド・ペアレントフッドの利益をあげるためのスペシャルアイテムを発売。政治的な風潮や「#タイムズアップ(#TimesUp)」、「#ミートゥー(#MeeToo)」ムーブメントのさなか、ニューヨーク・ファッション・ウィークという絶好の機会で、デザイナーたちが何かアクションを起こさないはずがない。