普通の女の子の刺激になれたらいいな

――フィットネスエンジェルを終え、TVに密着されたり、ジムの2店舗目がオープンしたりと尻トレ熱は、確実に高まってきている昨今。"お尻の人"としての認知度はばっちりですね。

ありがたいことです。現にこの間、街中で「お尻の人だ!」と言われました(笑)。TVの力は大きいですね。私としてはTVに出ることで、これまでトレーニングしたことがないような普通の女の子の刺激になれたらいいな、と思っているのですが。

――尻トレはきっかけでしかないと。

はい。たぶんここまで尻、尻言っているトレーナーがいなかったのと、ちょうど女子トレが盛りあがってる時期にハマったから、目立っているだけだと思うんです。私自身、最初からヒップトレーニングに注力していたわけではないですし。そもそもフィットネストレーナーを目指していたわけでもありません

――そうなんですか?

もともと私がアメリカに進学したのは、スポーツトレーナーになりたかったからです。ボディメイクではなく、筋肉、運動生理学、解剖学などに興味がありました。小・中・高とずっと運動部で、陸上競技をやっていた影響もあって。だから本当に知りたかったのは、どうやったら速く走れるか、反応が良くなるか、高く跳べるかということで、筋肉を大きくすることではなかったんです。

――競技トレーニングって、マッチョでハードなトレーニングのイメージがあります。

競技トレーニングのポイントは、筋肥大ではなく「筋肉をどう効率よく使うか」です。筋肉は大きくしなくても、速く走ったり高く跳んだりできます。陸上選手をイメージしてもらえるとわかると思いますが、男女ともにいわゆる"マッチョ"ではないですよね? お腹が6パックになっている人はいますけど、それはどんなに食べても運動量がものすごいから、消費量が多くて結果的に脂肪がつかないだけであって、誰も「6パックになるためのトレーニング」はしていません

英語を勉強しにアメリカへ行ったわけじゃない

――なるほど。本格的な方向から学ばれているんですね。

身体をきれいに見せることよりは、"使える筋肉"について勉強していました。なので、スタートはフィットネスとは違う世界。望んでアメリカに行きましたが、渡米してから半年間は語学の壁があって本当につらかった(苦笑)。でも私は、語学を学びにアメリカに行ったわけではありません。目的は身体についてもっと知ること。なので、英語を習得するのは手段でしかなかった。言葉が理解できないと、私がほしい知識は永遠に得られないからやるしかなかったんです。英語が話せるようになりたい、という気持ちだけだったら無理だったかも。その大学で何がやりたいか決まっているから勉強も頑張れました。よくある大学受験の話と同じですよね。大学合格が目的になると、受験勉強がしんどいっていう。だから勉強もトレーニングも同じです。目標が定まっていれば、"させられてる感"はないし、泣きたくなるほどつらいことも乗り越えられると思います。

岡部友プロフィール

岡部友の書き下ろし本が出版されます!  「美尻トレ 究極のヒップメイク」2017年12月13日発売