皮膚科医に通って治療をしたり、スキンケアにこだわったりしても、次から次から出てくるニキビに悩んでいる…という人も少なくないはず。治りづらいニキビの原因の一つに、もしかすると食生活が影響しているかもしれません。

「あなたが体内に取り込んだものが、そのままお肌に表れている」と話すのは、栄養管理アプリ<TREAT>を担当する栄養士ベッキー・グラハムさん。まずは、自分の体に何が起こっているのかを知ることがニキビの予防に繋がるはず。

「私たちの毛穴は毛包と呼ばれる小さな穴で、毛と皮脂腺でできています。皮脂腺の役割は、皮脂を分泌することで防水の保護膜を作り、肌を外界から守ること。ところがこの皮脂腺が余分な油分を分泌し、角質や細菌とともに毛穴がふさがれると、肌が正常な代謝を行うことが困難になります。そして、さらに炎症が起こると、痛みを伴うニキビになるんです」

ベッキーさんによれば、ニキビの発生は生活環境や浴びた日光量、水分、消化機能、ホルモン、ストレス、肝機能と関わっており、食生活の見直しがこれらの不足を補うために重要だそう。

本記事では、ベッキーさんをはじめとする専門家が選ぶ「ニキビ予防に効く食べ物」と、逆に「ニキビを作りやすい食べ物」を解説。どちらも食生活の参考にして、ニキビ知らずの美肌を手に入れて!


【INDEX】


ニキビを防ぐために食べ物が重要な理由とは?

まずは、皮膚科医のデンディ・エンゲルマン先生による解説を<コスモポリタン アメリカ版>からお届け。

エンゲルマン先生によると、「肌の健康と腸の健康は強い繋がりがある」とのこと。

「不健康で偏った食事は腸内環境を乱し、血流に毒素が放出され、体全体に炎症を引き起こすリスクがあります。反対に言えば、健康的な食事は消化を促進し、肌と体の健康に不可欠なビタミンとミネラルの補給に役立つのです」
teenage girl checking skin in bathroom mirror
Image Source//Getty Images

ニキビに効果的な11の食べ物

1.魚

オメガ3脂肪酸を含む一番の食材がこれ。肌、脳、関節、心臓に効く抗炎症性の栄養効果が期待できるそう。

「最も質の高いオメガ3脂肪酸は、アラスカサーモンやサバ、ニシンやイワシなどの天然の脂ののった魚に見られます」とベッキーさん。

2.ココナッツオイル

健康にいいとされるココナッツオイルは、お肌にも良いとのこと。ベッキーさんいわく、ココナッツオイルはヘルシータイプの飽和脂肪で、料理にも適しているそう。

さらに、「脂溶性のビタミンA、D、E、Kを吸収するには、この手の脂肪を食事に摂り入れることが不可欠です」と補足しました。

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3. チアシード(フラックスシード)

セレブに人気のチアシードも、オメガ3脂肪酸と食物繊維が豊富なんだとか。これこそが「スーパーフード」と呼ばれる理由なのかも。

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4.ナッツ

特にクルミは、オメガ3脂肪酸が豊富な優等生。また、「ブラジルナッツも免疫システムの健全な機能のために最も大切な、セレンと亜鉛という2つのミネラルを含んでいます」とベッキーさん。

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5.プレバイオティクス&プロバイオティクスを含む食品

「アーティチョークやタマネギ、ニンニク、アスパラガスなどは、プレバイオティクスという善玉菌を含み、ヨーグルトやケフィアに含まれるプロバイオティクスは、体に有害なバクテリアと闘い、健康的な免疫システムの構築を促します」
three onion heads and three heads of garlic
NatashaBreen//Getty Images

6.ベリー類

ヨーグルトとの相性がいいベリー類。

「ベリー類は植物性栄養素が豊富で、糖分が低く、皮膚の再生や免疫システムに不可欠なビタミンCを多く含みます。コラーゲンの生成を促し、張りのある健康な肌を作るというオマケもついてきます」

7.緑黄色野菜

食事がカラフルになるだけでなく、ビタミンCとAが豊富な緑黄色野菜。「色が濃いほど良いのです」とベッキーさん。

「赤ピーマン、ナス、紫キャベツ、ニンジン、さつまいも、濃い緑の葉物野菜などを使って、レインボーカラーを作ると良いでしょう」

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8.ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、チンゲン菜、ケール

これらはつまり、アブラナ科の野菜です。

「すべてインドール3カルビノールという化合物を含み、過剰なホルモンを抑制したり、体内から毒素を排出したりする肝臓の働きを促す効果があります」とベッキーさん。

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9.エキストラバージンオリーブオイル

あるいは、ただのオリーブでもOK。これらは「地中海式ダイエット」のための重要な食材で、オメガ9脂肪酸の宝庫。日焼けによるダメージから肌を守る効果もあるとのこと。

10.アボカド

オシャレな彩りがあるだけでなく、体にも良いアボカド。おいしくて色々な食べ方ができる上に、オメガ9脂肪酸やビタミンC、Aも豊富だそう。

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11.ショウガ

何千年にわたって、天然の治療薬として使われてきたショウガ。痛みや吐き気の緩和、消化、免疫機能さらに代謝機能の促進に効果を発揮するのだとか。加えて、ショウガは抗炎症性の成分を含む抗酸化物質で、肌を健康に保つ効果もあるとのこと。

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ニキビを作りやすい食べ物って?

1.精製炭水化物と砂糖たっぷりのもの

「これらはインスリンの分泌を促します。インスリンの分泌量の多い状態は、通常の肌が新陳代謝を行い、毛穴が詰まらないようにするために重要な、結合タンパク質を減少させることになります」とベッキーさん。

さらに、インスリンはインスリン様成長因子-1(IGF-1)という炎症性のホルモンを増やすことがあり、これが皮膚細胞の増殖を刺激して、症状を悪化させるのだとか。その上、IGF-1はテストステロンを大量に増やし、それによって皮脂腺から過剰な皮脂が分泌されるとのこと。

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2.ひまわりオイル、マーガリン、高脂肪の食物

誰もが大好きな、ハンバーガー、ビスケット、ポテトチップス…。これらはオメガ6脂肪酸を多く含み、オメガ3脂肪酸を含む抗炎症性の魚などより多く摂ると、炎症を引き起こす原因に。

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Mitshu//Getty Images

3.赤身肉(大量の場合)

「これはたびたび食べると炎症を引き起こすので、週に1~2回までに抑えるように。食べるときも、できるだけ有機飼育の牧草で育てられたものを選び、ホルモン剤や抗生物質を使用したものは避けるようにしましょう」とベッキーさん。

4.乳製品

乾癬(かんせん)や皮膚炎と同様、乳製品はニキビに関連する一般的なアレルギー誘発物質です」とベッキーさん。

「免疫反応を起こすことがあり、IGF-1も保有しています。アレルギーを持っていない場合は、ヨーグルトやケフィアなど、無添加の乳製品ならとても良いでしょう」

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5.アルコール

こちらは食べ物というわけではないけれど、ベッキーさんによると、「健康な肌を保ちたいなら、肝臓を働かせすぎてはいけません。アルコールは、解毒機能を担う肝臓に余分な負担をかけることになります。たまに、抗酸化物質を含む赤ワインを1杯飲むのはかまいません。でも、あくまでも“たまに”です」とのこと。

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6.フルーツジュース

濃縮還元のフルーツジュースには、大量の糖分が入っていることがあるので、注意が必要なんだとか。

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7.炭火焼きの肉と野菜

BBQ好きには悲しいニュースですが、「肉や野菜を炭火焼きにして食べると、細胞へのダメージや炎症を引き起こすフリーラジカルを中和するために、体内の抗酸化物質を大量に使ってしまう」のだとか。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: mayuko akimoto、YUUMI IKEUCHI

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