そもそも男女差がある

以前もセルライトについて書きましたが今回は「遺伝とセルライト」について詳しく書きたいと思います。

セルライトは簡単にいうと脂肪とコラーゲンのコンビネーションでできています。大きな違いは男性と女性の違い。そして女性の中でもできやすい人と、できない人がいます。まずは下記のイラストを見てください。

Yellow, Line, Font, Rectangle, Pattern, Black, Parallel, World, Clip art, Illustration,

これは男性と女性の皮膚の作りの違いを示しています。女性はコラーゲン繊維(③)が上下にあるのですが、男性は網目を作るようにコラーゲンが構築されています。そしてこの上から下に、垂直に構成されている作りは、女性の中でも下半身に多い作りになっていて、脂肪細胞がこの垂直に伸びたコラーゲンポケットの中で大きくなると、脂肪が窮屈な状態になり、セルライトのボコボコを表面に作るのです! 男性と女性では皮膚の薄さにも違いがあって、女性の方が薄いのでセルライトは表面にでやすいです。

つまり、女性でセルライトができにくい人は男性のコラーゲンの構造に近い網目の構造をしているのです。細くてもセルライトが多い人は皮膚も薄く、コラーゲンの構造は垂直で女性特有の構造をしているというわけ。このためセルライトを取り除くのが簡単な人、なかなか難しい人がでてきてしまいます。

女性同士でくらべても差はある

セルライトを多く持つ人と持たない人には、遺伝子と受容体(receptors)にそれぞれ違いがあります。受容についてはちょっと専門的すぎるので、今回は遺伝子においてのリサーチを紹介します。

健康でセルライトがない女性200人と、健康でセルライトがある女性200人を分けたところACE (Angiotensin I-Converting Enzyme)という遺伝子と、H1F1A (Hypoxia-inducible factor-1 Alpha)という遺伝子が主に関係していることがわかり、健康的でセルライトが多い人にはACEが多く、H1F1Aが少ない傾向があることが判明した*運動している健康でアクティブな女性(BMIは同じ)400人が対象

以上のことからもわかるように、セルライトはただ脂肪を落とせば(減量すれば)少なくなるという簡単なものではないんです。現在、セルライトを減らすために色々なマシンや、治療が開発されていますが、研究者によれば遺伝的なセルライトの場合、治療が効かない人も多いのだとか。

一時的には有効な手段も?

とはいえ、外的アプローチが全く効かないかといえばそうでもなくて、「エプソムソルト」(Epsom Salts:欧米の家庭では普及しているアイテム。ソルトとい名前ですが塩ではなく硫酸マグネシム)は、セルライトを減らすと言われていて、一時的には効きます。

でもこれ、実際にはセルライトを消しているわけではなく、硫酸マグネシウムが身体にたまった毒素をゆっくりと排出させてくれることで起きる現象。ミネラルが肌から入り込む事によって脂肪細胞の中にたまっていた塩分やカリウム、一酸化窒素などが抜けます。これが一時的な体重減にもつながり、セルライトも見えにくくさせてくれるのです。

あまり気持ちのいいものではないセルライト。でも遺伝はどうすることもできません。これを食べるなとか、あれはセルライトにいい! とか色々言われますが、遺伝の部分もしっかり理解しておきましょう。結局は、コントロールできるライフスタイルの改善が一番の近道です。

まとめ:

・コラーゲンの構造上、女性はセルライトができやすい

・遺伝子レベルでできやすい人とできにくい人がいる

・コントロールできないところで悩まず、ライフスタイルを見直す