色々と知っているつもりだけど、どれが本当なのか分からないことも多い「お肌」についての情報。そこでコスモポリタン フィリピン版があらためて、皮膚科医の先生たちに「お肌の基礎知識」を教えてもらいました!

1.自分の肌タイプを知る

「誰にでも合うスキンケアはありません」と語るのは、ケソン市の<Levana Dermatology Clinic>の皮膚科医で医学博士であるマーラ・テレーズ・P・エヴァンジェリスタさん。「多くの人々が、一般的なスキンケアを無自覚にマネしています。でも、肌はそれぞれ違うのです。例えば乾燥肌の持ち主の方には、うちの病院では化粧水はおすすめしていません。年齢が上がれば、抗酸化物質やアンチエイジング作用のある薬が必要になるかもしれません。ニキビや肝斑などの問題がある場合は、他の治療も必要になります」。

2.スキンケア用品の組み合わせを知る

化粧品を色々つければつけるほど効果が上がる!と信じている人もいるのでは? 残念ながら、そういうわけではないよう。「相乗効果で互いの効能を高めることもあれば、一方が他方の有効成分を不活性化する場合もあります」と話すのは、バタンガス市の皮膚科医・医学博士のデュモン・I・ドミンゴさん。皮膚科医に相談する利点は、どの化粧品を組み合わせると効果があるか、あるいはどの組み合わせがNGかを教えてくれることなのだとか。

3.スクラブはほどほどに

これもまた、女性がやりがちな間違い。ゴシゴシと(場合によっては毎日)スクラブ洗顔をするというもの。

「スクラブするほど肌がキレイになると思っているようですが、逆に肌をヒリヒリさせ、ニキビを悪化させることもあります」と話すのは、ドゥマゲテ市にある皮膚科クリニック<Skin Doctor Clinic>の皮膚科医で皮膚病理学者、医学博士のゲイル・オパーダ=ヴィラーミアさん。

また、「スクラブは刺激が強すぎて肌のバリアを傷めることがあり、かえって肌の状態を悪化させるのです」と話すのはドミンゴ医師。スクラブは、せいぜい1週間か2週間に1度にするように、とのこと。

4.抗菌石けんに注意する

エヴァンジェリスタ医師によると、アメリカ食品医薬品局の報告では、普通の石けんに比べて、特に抗菌石けんが病気を予防する効果が高いというわけではないのだとか。また、抗菌石けんにはトリクロサンという成分が含まれている場合が多く、これがホルモンの働きを変えてしまうことが動物実験で明らかになっている他、抗生物質に対するバクテリアの耐性まで作りうるそう。

5.吹き出物の悩みは食べ物で解決する

エヴァンジェリスタ医師によれば、ニキビを引き起こしやすいのは高血糖の食べ物で、白パン、米、ジャガイモなどがその筆頭。乳製品もそうなのだとか。ニキビに悩んでいるなら、食事に気をつけること、医師に相談してどの食品が原因か突きとめてもらうことが重要のよう。

6.ニキビがひどいならダイヤモンドピーリングはやめておく

「顔にたくさん炎症性のニキビができているなら、ダイヤモンドピーリングは絶対にやめておくことです」とオパーダ=ヴィラーミア医師。ニキビを刺激し、さらに悪化させるだけなんだとか。

7.ステロイドの入ったクリームを避ける

ニキビに悩む人がよくやる間違いが、炎症を抑えるためにステロイドの入った軟膏を塗ること。「確かに炎症や腫れは引きますが、ステロイドの長期使用によってさらにニキビが誘発される副作用についてはあまり知られていません」とドミンゴ医師。

8.ニキビはいじらない

「ニキビというのは、基本的に皮脂、汚れ、プロピオン酸菌属(ニキビと関係のあるバクテリア)、炎症性の細胞の袋です」と説明するのはエヴァンジェリスタ医師。つぶすと膿のようなものが周りの皮膚に押し出され、感染したり、肌の色が暗くなったりする場合があるのだとか。さらに炎症が起こると、できるのがニキビ跡。こうなると、最初の状態よりずっと治しにくくなるそう。

ではどうしたらいいのかというと、エヴァンジェリスタ医師曰く、「ニキビは放っておけば3日から7日で治ります」。とにかく、いじらずに放っておくこと!

9.ハイドロキノン配合のホワイトニングケアには手を出さない

美白効果が高いと言われるハイドロキノンだけど、長期の使用によってリバウンドが起き、色素沈着や濃灰色のシミができることも。

10.ホワイトニングのためにレモン果汁を使わない

レモン果汁は美肌効果があるといわれているけど、肌に直接塗るのはNGのよう。「酸の濃度にはばらつきがあるし、アレルギーや日光による影響などで、予測不可能な結果を引き起こすことも」とドミンゴ医師。

11どうしても美白したい場合は、市販の化粧品に頼らず医師に相談を

ドミンゴ医師によると、病院を訪れる患者さんの中には、市販のピーリングやホワイトニングによるシミのリバウンドを訴える人が少なくないのだとか。もし真剣に美白を考えているのなら、状況に応じて迅速な対応ができる熟練の皮膚科医によるケミカル・ピーリングがおすすめとのこと。

12.シワを作りたくないなら、日焼け対策をすること

すべての皮膚科医がシワ予防のために必ず挙げるのが、日焼け止め。

「紫外線A波であれ、B波であれ、紫外線は、シワを含む若年のエイジング症状の原因となる90%以上を占めます。日焼け止めが、お肌のために最も重要なスキンケアということです」とエヴァンジェリスタ医師。

13.日焼け止めを十分に塗る

どんなにSPFが高くても、日焼け止めを十分に塗っていないなら、効果てきめんとは言えないそう。エヴァンジェリスタ医師曰く、通常人々が塗っているのは必要とされる量のわずか3分の1で、きちんと塗れば、肌に吸収される紫外線の量をこれまた3分の1に減らしてくれるのだとか。

14.日焼け止めはベタベタするからイヤだという人は、ジェルタイプを使う

オパーダ=ヴィラーミア医師によると、ウォーターベースの日焼け止めを使えば、蒸し暑い夏も快適、とのこと。

15.保湿液は後になって効いてくる

ドミンゴ医師は、保湿が健康な肌にはとても大切であることを強調。とにかく保湿を心がけること! もちろん、あなたの肌タイプに合ったものを探しましょう。

16.ワセリンは救世主

特に肌が乾燥する人には、なんと言ってもワセリンがおすすめ、とオパーダ=ヴィラーミア医師。化粧水に比べて長時間水分を閉じ込めてくれるのだそう。

17.肌の調子から健康状態を読み取る

「ニキビや吹き出物はよくあることですが、他の病気の存在を示す症状の1つということもあります」とドミンゴ医師。肌の状態からわかる病気の例として:多嚢胞性卵巣症候群、糖尿病、ループス(全身性エリマトーデス)などが挙げられるのだとか。

18.必ずしも皮膚科に行く必要はない

本人がその必要性を感じない限り、皮膚科医は定期的な治療はしないもの。ただ、お肌の治療を始めた患者さんには、頻繁に診察に訪れることが望まれるそう。「患者さんが指示を守っているか、経過はどうか、薬を調整する必要はないかなどを観察するためです」とドミンゴ医師。

また、肌の色によっても注意すべき点は異なり、白人の患者さんはより皮膚ガンになりやすいため、年に2回の全身スキャンを行っているのだとか。

19.自分の肌に問題はないと思っていても、皮膚科に行って損することはない

「もし何も問題がない場合でも、自分の肌タイプを診断してもらい、それに合ったスキンケアプランを立ててもらうことをおすすめします」とエヴァンジェリスタ医師。「最大の治療は予防です。最適なスキンケアプランによってニキビやエイジングを予防し、さらにお肌を良い状態に保てます」。

20.お肌を大切にして、自尊心を高める

皮膚科医は、お肌の不調が自尊心を傷つけるものになることをよく知っているそう。「私の患者さんの中には、肌の状態が悪いから仕事で不採用になったと言う人たちもいます」とドミンゴ医師。でも、いざお肌が治ると患者さんたちはみるみる明るくなり、自尊心を取り戻すのだとか。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN PH