歴史上の「Itガール」10人のドラマティックな人生

ボッティチェリの代表作『プリマヴェーラ』のフローラ、『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスのモデルとされるシモネッタ・ヴェスプッチは有力貴族で美術のパトロン、ジュリアーノ・デ・メディチの愛人。わずか23歳のときに肺結核で死亡したものの、生存中はアーティストを触発し、絵画や詩が作られた。

今のItガールに例えると：ロージー・ハンティントン＝ホワイトリー　華やかな完璧美女

由緒ある没落貴族の娘として生まれたリザは、裕福な絹商人フランシスコ・ジョコンドと結婚。芸術を愛したフランスシスコは妻の絵を数人のアーティストに描かせたが、その中の1つがダヴィンチの代表作『モナ・リザ』。リザは気高く尊敬された女性だったと言われているが、『モナ・リザ』にはその高貴な様子が現れている。

今のItガールに例えると：ベラ・ハディット　ミステリアスで気品に満ちた美女

美人、おしゃれ、切れ者と三拍子そろった美女ポンパドール夫人は貴族のイメージを持たれる存在だが、実は平民の出。父親は銀行家で裕福だったために貴族以上の教育を受け、文化人サロンに出入りし、そこで侯爵夫人の称号を与えられルイ15世の愛妾に取られた。才女で、教養を活かし文化、政治、外交を裏で支配したと言われる。42歳で亡くなるまでルイ15世に深く愛されたそう。

今のItガールに例えると：ジェニファー・ローレンス　知的でお洒落なスレンダー美女

アメリカ独立戦争などで活躍したイギリス海軍のネルソン提督の愛人、レディ・ハミルトンことエマ。当時多くのアーティストにインスピレーションを与える有名な美人モデルだった。鍛冶屋の娘に生まれ、最初は家政婦として働いていた。モデルとして社交界の注目を浴びた後、年上の外交官サー・ハミルトンを紹介され彼と結婚。彼女のファッションは社交界の誰もがマネしたほどのセレブだった。その後ネルソン提督と出会い、彼の愛人になり彼の子供を産む。ネルソン提督の死後は貧困に陥り、借金まみれで50歳で死亡してしまう。彼女の美貌はロムニーやルブランなど当時の一流の画家によって伝えられている。
今のItガールに例えると：エミリア・クラーク　愛され系フェロモン美女

馬蹄の娘として生まれたジェーンは、個性的な美貌と知性と無邪気な性格で、無意識に何人もの男性を引きつけ苦悩に陥れた。身分違いと知りつつ彼女を妻にしたウィリアム・モリスは、生涯彼女に夢中だったよう。しかしジェーンは友人の画家ガブリエル・ロセッティとの不倫に走る。夫モリスは悩み、ロセッティは心を病んでしまう。その後ロセッティからは距離を置いたものの、1914年に74歳で世を去るまで夫とは別の愛人がいたという。まさに19世紀のファム・ファタールだった。

今のItガールに例えると：アンジェリーナ・ジョリー　顔つきまで似ているファム・ファタール　

ブルゴーニュの貧困家庭で育ち、工場やベーカリーで働いたのち、パリのナイトクラブ『ル・ジョッケー』で女優、歌手としてデビューし多くの芸術家たちにインスピレーションを与えたモンパルナスのキキは、今写真で見るとかなり個性的な容姿の女性。でもマン・レイ、ブランクーシ、藤田嗣治など、当時パリで活躍した一流アーティストにとっては間違いなくミューズだった。1953年、51歳で死去。

今のItガールに例えると：ケイト・モス　遊び人でアーティストにも人気の恋多き女

アメリカ人アーティスト、ジェフ・クーンズの元ミューズで元妻チチョリーナはかつてイタリアで大人気のハードコアポルノ女優だった。ハンガリー人で父親は内務省職員というお堅い家庭の出身で、後にはイタリアの国会議員にまでなった。イラク戦争が激しかった頃には「中東の平和のためならサダム・フセインとセックスするわ」という名言を残している。現在も64歳で健在。

多くの現代画家、写真家を魅了し続けるティルダ・スウィントン。生家スウィントン家の起源はノルマン・コンクエスト（11世紀）にも遡るという、イギリスでも3本の指に入るほどの歴史ある旧家。しかも元ダイアナ妃のご学友の超お嬢様。元夫（正式には入籍していない）ジョン・バーンは有名画家で、彼女の肖像を数多く製作。がティルダは年下の画家サンドロ・コップと恋に落ち、一時期は夫、愛人、子供達が同居をするというかなり特殊な家庭環境に。現在はサンドロと暮らしているが、彼もまたティルダをモデルに創作活動を続けている。